【アヴェッリーノ】カンパニア州の隠れグルメの地アヴェッリーノの魅力と見どころを紹介!

カンパニア州の山側にあるアヴェッリーノ県の県都アヴェッリーノ(Avellino)。
日本ではあまり聞かないカンパニア州の街のひとつですが、自然に囲まれた土地で、ワインや農産物に恵まれた魅力ある街なのです。そんなアヴェッリーノについてご紹介していきます。
アヴェッリーノってどんな街?

アヴェッリーノ(Avellino)は人口約5万4千人のアヴェッリーノ県の県都で、カンパニア州の県都の中では一番人口が少なくマイナーな街のような気がします。
もともとの街はアヴェッリーノの東4kmほどのところにある現在のアトリパルダ(Atripalda)周辺の土地に古代ローマの都市アベリヌム(Abellinum)が建設され、栄えました。その後ローマの衰退とともにアベリヌムは放棄され、人々は現在のアヴェッリーノの市街地へと移り住み始めました。
中世は隣のベネヴェントのように、ロンゴバルド族やノルマン人などの統治下にあり、封建制度のもとで地域の貴族や領主が支配権を持ち、城や教会、修道院などの多くの文化的建造物が建てられました。
そんなアヴェッリーノを現在に至るまで支えていたのがアヴェッリーノの食文化。隠れグルメの地として知られていて、タウラージ(Taurasi)やフィアーノ(Fiano)といった特産のワインをはじめ、農作物、酪農、ナッツや栗なども有名です。
イタリアあるあるで、こういった少し外れにある街にこそ美味しい本当のイタリア料理があるんです。
アヴェッリーノの見どころ
アヴェッリーノの街は大聖堂を中心に入り組んだ小さな道が残っていて、歴史ある建物の間を散策するのが楽しい街です。
ここではアヴェッリーノに来たら必見の見どころを見ていきましょう。
アヴェッリーノ大聖堂(Duomo di Santa Maria Assunta)

この街の一番大きな教会が少し丘になっている場所に建つドゥオーモ、アヴェッリーノ大聖堂(Duomo di Santa Maria Assunta)です。
12世紀に建設されたこの教会は、この地区一帯で最も重要な教会としてロマネスク様式で建てられ、人々の信仰の中心でした。地震などの影響を受け何度か修復が行われ、当時のロマネスク様式を残すのは歴代司教の埋葬地としてもつかわれた地下聖堂(クリプタ)で、正面ファザードは19世紀に新古典主義、教会内部は18世紀にバロック様式に変えられました。
内部はミケーレ・リカルディによる「聖母被昇天」などの天井画をはじめ、彫像や絵画が豊富に配置された装飾的空間で、エレガントな雰囲気です。
Duomo di Santa Maria Assunta
住所: Porta Nolana, Piazza Nolana, 80142 Napoli NA
時間: 9:30-17:00
定休日: なし
公式サイト: https://www.diocesiavellino.it/parrocchia-s-maria-assunta-co-cattedrale/
時計塔(Torre dell'Orologio)

アヴェッリーノを象徴する建造物として、大聖堂に並んで有名なのが街の遠くからでも見える時計塔(Torre dell'Orologio)です。
もとは古代の城壁にあった2階建ての見張り目的の鐘楼で、17世紀にその上に増築される形で3階部分に時計塔が建てられました。バロック様式の風格がある時計塔は高さ約36mで、街のシンボルとなっています。
1980年のアヴェッリーノをおそった大地震で塔はほぼ全壊してしまいましたが、以前の様式をできるだけ再現する形で修復されました。
Torre dell'Orologio
住所: Salita Orologio, 83100 Avellino AV
ベレロフォンの噴水(Fontana di Bellerofonte)

大聖堂の近く、ウンベルト通り沿いにある特徴的な噴水は、ベレロフォンの噴水(Fontana di Bellerofonte)と呼ばれ、17世紀後半にナポリのサンマルティーノ修道院なども手掛けたコジモ・ファンザーゴ(Cosimo Fanzago)によりつくられました。
ギリシャ神話のキメラを打ち取るベレロフォンの様子を描いた彫刻が噴水中央上部に描かれていましたが、1980年に起きた地震後、ニッチに収蔵されていたアベリヌム由来の石像とともに姿を消してしまいました...。
近くには12世紀の文献にものっているテクタ噴水(Fontana Tecta)もあります。
Fontana di Bellerofonte
住所: Corso Umberto I°, 83100 Avellino AV
クニーコリ・ロンゴバルディ(Cunicoli longobardi)

アヴェッリーノの地下には、かつて石や建築材料の確保のために掘られた穴を利用して、クニーコリ(Cunicoli longobardi)というトンネルがロンゴバルド人によってつくられました。
クニーコリは街の重要な地点を結ぶ防衛システムとしてつかわれ、外敵の侵入があった際に、急速な援軍の移動や安全な撤退ルートを確保できるように設計されています。トンネル内には岩を階段状やスロープに削ったり、木材で補強したりした跡も見られます。
その後、このトンネルはペスト流行時や第二次世界大戦時の避難場所としても利用されました。一般見学はあまりやっておらず、市がたまーに開催するイベントなどで入ることができます。
Cunicoli longobardi
住所: Salita Orologio, 83100 Avellino AV
イルピニア博物館(Museo Irpino)

ナポレオンの兄ジョゼフ・ボナパルトがナポリ王となり、司法制度改革の一環としてアヴェッリーノに新たな刑務所の必要性を感じて刑務所が設計されました。実際には再び政権に返り咲いた両シチリア王フェルディナンド1世によって建てられたので、旧ブルボン刑務所(Ex Carcere Borbonico)と呼ばれます。
そんな旧ブルボン刑務所を利用して、現在この建物にはイルピニア博物館(Museo Irpino)が入っています。
博物館には、古代ローマ時代のイルピニア周辺の発掘物を展示した考古学セクションや19~20世紀のカンパニア地方の絵画などを展示した地方美術館、海軍医師サロモーネの中国・日本の18世紀の磁器コレクションなどがあります。
Museo Irpino
住所: Porta Nolana, Piazza Nolana, 80142 Napoli NA
時間: 9:00-13:00, 16:00-19:00
定休日: 日、月曜日
料金: 無料
公式サイト: https://www.museoirpino.it/
その他の見どころ
その他にも、大きな噴水が特徴のアヴェッリーノの市民の憩いの広場であるリベルタ広場(Piazza della Libertà)、ネオクラシック様式の正面ファザードが美しいサンティッシマ・ロザリオ教会(Chiesa del Santissimo Rosario)、カラッチョーロ家の狩猟用邸宅で地下のプールや劇場が残るカシーノ・デル・プリンチペ(Casino del Principe)、18世紀の邸宅で、文化人の集うサロンとしても機能し、地下の洞窟は戦時中の避難所としても使用されたアメンドラ荘(Villa Amendola)などがあります。

アヴェッリーノのグルメ情報

アヴェッリーノは山岳や多数の川が流れる自然地域のイルピニア地方(Irpinia)を擁していて、主に肉料理やチーズ、栗、トリュフ、ポルチーニなど山の幸に恵まれた地域で、同じカンパニア州でも、海に恵まれた州都ナポリとはまた違った一面を見ることができます。
特にサラミ類の加工品は良質なものが多く、豚の肩部分をつかったサラミでズンゴリ産カピコッロ(Capicollo di Zungoli)、トレヴィーコ産生ハム(Prosciutto di Trevico)、ヴェンティカーノ産生ハム(Prosciutto di Venticano)、ムニャーノ・デル・カルディナーレ産のサラミ(Salumi di Mugnano del Cardinale)、イルピニア地方のソップレッサータ(Soppressata Irpinia)はその一例としてよく知られています。
パスタでは、お肉系のソースと相性の良い手打ちのフジッリ(Fusilli Avellinesi)が良く食べられ、豚肉を腸詰めにしたサルシッチャとポルチーニ茸(Salsciccia e Porcini)のソースは相性も抜群です。他にもラガーネ(Lagane)という幅広い平打ちパスタ(ラザーニャの前身ともいわれる)と、チェーチと呼ばれるひよこ豆をつかったラガーネ・エ・チェーチ(Lagane e Ceci)はイルピニア地方でつくられる栄養満点の田舎料理です。
他にもモントロ産の銅色玉ねぎ(Cipolla Ramata di Montoro)や、モンテッラ産の栗(Castagne di Montella)、トウモロコシの粉でつくるピッツァ・イオンナ(Pizza Ionna)などたくさんのローカルな食材と料理があります。
このような山の幸と合わせるのは、イルピニア地方でつくられる赤ワインのアリアニコ。中でもタウラージは南のバローロといわれるほど重要な赤ワインです。
アヴェッリーノへの行き方
アヴェッリーノへナポリから行くにはバスが便利です。
ナポリ中央駅付近にあるバスターミナルからFlixBus社やAirCampania社、Caputo社のバスがでていて、アヴェッリーノまで約1時間で着くことができます。
AirCampania社のバスなら1時間に2本はバスが出ているので、比較的アクセスはしやすいと思います。アヴェッリーノのバスターミナルから大聖堂やリベルタ広場までは徒歩で約15~20分ほどです。
ナポリからアヴェッリーノへ
バス会社: AirCampania社、FlixBus社、Caputo社など
料金: 片道5.5~6.4ユーロ
所要時間: 約1時間
運行間隔: 約30分に1本
※日曜・祝日は本数が減ったり時間が変更したりするので注意
AirCampania社のホームページ→https://aircampania.it/
「Linee e Orari」→「Bacino di Avellino」→「AV/NA Avellino-Napoli」で時刻表

