【最新】カポディモンテ美術館の見学情報!おすすめの作品など -Museo di Capodimonte-

カポディモンテ美術館(Museo di Capodimonte)は、ナポリのカポディモンテ宮殿内にある美術館で、ファルネーゼ家のコレクションやカラヴァッジョなどの国際的な芸術作品を豊富に所蔵しています。
色々な国へ出張していた傑作たちが帰って来て、2024年から以前と比べて大幅にカポディモンテ美術館の展示スタイルが変わりました。そんなカポディモンテ美術館に行く前に知っておきたい情報をまとめたのでチェックしてみてください。
カポディモンテ美術館の歴史
カポディモンテ美術館のはじまりは1738年、ナポリを統治していたブルボン家のカルロ3世は、母エリザベッタ・ファルネーゼから受け継いだ莫大なファルネーゼ・コレクションを展示するため、カポディモンテ宮殿を建設しました。
順調にコレクションの展示を進めていったブルボン朝ですが、1799年にナポリがナポレオン率いるフランス軍に進攻されると、カルロ3世の息子でナポリを治めていた両シチリア王フェルディナンド1世は重要なコレクションを持ってパレルモへ逃亡。残りのコレクションはナポリ考古学博物館へと移されました。
フランス軍は美術館としてではなく、王族の居住地として使っていたようです。
1815年に両シチリア王フェルディナンド1世がナポリの政権に返り咲くと、再び芸術活動が活発化し、ファルネーゼ家のコレクションだけでなく、近代美術の作品も追加されました。その後もサヴォイア家によるコレクションなどを加えながら規模を大きくし、第二次世界大戦後の1957年に正式に国立カポディモンテ美術館として開館しました。
フロアごとの展示

以前は4階などにも展示がされていたカポディモンテ美術館ですが、現在は大きく分けて地上階・0階(Pianoterra)、1階(Primo Piano)、2階(Secoondo Piano)の3つのフロアに分かれています。
その内地上階の見学エリアは、「素描・版画室」のみなので、実質1階と2階がメインとなります。
館長がウフィツィ美術館前館長のアイケ・シュミット氏に代わり、現在も一部改修中ですが、展示構成が大きく刷新されていて、すごくカッコよくリニューアルされている印象です!
以前はただ絵画が並べられているだけな感じでしたが、今のカポディモンテ美術館は、絵画の配置や照明なども上手くてかなりイメージ変わりました。展示の仕方だけでこんなに変わるとは...さすがです。
- 地上階(0階)(Pianoterra)...チケット売り場、カフェ、ショップ、素描・版画室など
- 1階(Primo Piano)...ファルネーゼ・ギャラリー、磁器のギャラリー、ファルネーゼ家・ブルボン家の武器庫、王室など
- 2階(Secondo Piano)...傑作のお帰りなさい展、ナポリ派13~18世紀の美術ギャラリー、現代アート、プレゼーペ、カラヴァッジョ以降の17~19世紀の美術など
現在は2階で「傑作のお帰りなさい展(Bentornati a Capodimonte! I capolavori sono a casa)」が開かれていて、カポディモンテ美術館所蔵の傑作が集まったコーナーになっています。
名画がぎゅっと集まっているので短時間でパッと見ることもできて効率がいいかもしれません。このお帰りなさい展がいつまで続くのか、このまま常設となるかはまだ分かりません。
作品紹介
約47,000点もの美術作品を所蔵するカポディモンテ美術館ですが、有名な作品を中心にこれは見ておきたい筆者のおすすめの作品をいくつか紹介していきます。
1階(Primo Piano)

- Galleria delle Porcellane(磁器ギャラリー)
鑑賞ポイント:
カポディモンテ磁器工場でつくられた当時最高傑作の磁器の数々、またヨーロッパ各国から集められた磁器のコレクションも見どころ。

- Salottino di Porcellana di Maria Amalia(マリア・アマリアの磁器の部屋)
鑑賞ポイント:
部屋いっぱいに磁器で装飾されたこの部屋は、当時ヨーロッパの王貴族の間で大流行していた東洋風のデザインで、精巧に作られた白磁のパネルや色鮮やかな磁器のレリーフで隙間なく埋め尽くされています。
2階(Secondo Piano)

- Danae(ダナエ)
作者: Tiziano(ティツィアーノ)
鑑賞ポイント:
黄金の雨に姿を変えて忍び込む主神ゼウスを受け入れる王女ダナエ。ベネチア派の巨匠ならではの、肌の温もりや柔らかさを伝える豊かな色彩表現と、横で金貨を集める老いた家政婦(人間の欲)との対比が見事です。

- La Flagellazione di Cristo(キリストの鞭打ち)
作者: Caravaggio(カラヴァッジョ)
鑑賞ポイント:
暗闇から強いスポットライトを当てたような激しい明暗の対比。美化されていない生々しいキリストの肉体と、当時のナポリの労働者をモデルにした悪役たちのリアルな描写が圧倒的な緊張感を生んでいます。

- Antea(アンテア)
作者: Parmigianino(パルミジャニーノ)
鑑賞ポイント:
ルネサンスの調和をあえて崩す「マニエリスム」の代表作。あえて首や肩幅を長く引き伸ばした優雅なプロポーション、鑑賞者を射抜くような強い視線、サテンの衣装や毛皮の超絶な質感描写が魅力です。

- Lucrezia(ルクレツィア)
作者: Parmigianino(パルミジャニーノ)
鑑賞ポイント:
アンテア同様パルミジャニーノの作品。古代ローマの誇り高き貴族の女性ルクレツィアが自決する直前、天を見上げている劇的な瞬間を描いています。精神的に追い込まれていた画家自身を投影した最後の作品といわれています。

- Giuditta che decapita Oloferne(ホロフェルネスの首を斬るユディト)
作者: Artemisia Gentileschi(アルテミシア・ジェンティレスキ)
鑑賞ポイント:
美術史初期の偉大な女性画家による、恐ろしくも力強い復讐の劇的瞬間。体重をかけて敵将の首を刃で引く女性のリアルな力強さと、飛び散る血しぶきの臨場感に、画家の魂の叫びが投影されています。

- El Soplón(燃え木でろうそくを灯す少年)
作者: El Greco(エル・グレコ)
鑑賞ポイント:
少年が息を吹きかけ、赤く燃え上がった炭の火種だけを唯一の光源とした実験作。暗闇の中で少年のふっくらした頬や衣服が赤く染まる光の反射が見事で、古代ギリシャの伝説の絵画に挑戦した若きグレコの自信作です。

- Vesuvius(ヴェスヴィオ)
作者: Andy Warhol(アンディ・ウォーホル)
鑑賞ポイント:
ナポリの象徴である火山を、蛍光の赤や黄色といったド派手なネオンカラーで爆発させた20世紀ポップアートのアイコン。古典美術の中に現代アートを融合させる、カポディモンテ美術館の最先端スタイルの象徴です。

- Cassetta Farnese(ファルネーゼの小箱)
作者: ラファエロやチェッリーニの弟子な多数
鑑賞ポイント:
アレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿の依頼によって18年もの歳月をかけて作られた奇跡的な金銀細工のケースです。総重量35キロにもなり、純銀の上に純金を被せ、アフガニスタン産の宝石ラピスラズリや、細密な手彫りを施した6枚の天然水晶で飾られています。富の象徴。

- La Trasfigurazione(キリストの変容)
作者: Giovanni Bellini(ジョヴァンニ・ベリーニ)
鑑賞ポイント:
聖書の神聖な奇跡の場面を、イタリアののどかで澄んだ夕暮れの自然風景の中に溶け込ませた傑作。宗教画でありながら近代的な風景画の先駆けであり、地べたにひっくり返る弟子たちの人間味あるポーズが特徴です。

- La Crocifissione(キリスト磔刑)
作者: Masaccio(マサッチョ)
鑑賞ポイント:
27歳で夭折した天才による、ルネサンス絵画の出発点。教会の高い場所に飾られることを見越して下から見上げる遠近法で計算されており、中央下で背中を向け、両手を広げて泣き崩れるマグダラのマリアが強烈な絶望を伝えます。
美しい庭園

かつての宮殿ということもあり、立派な庭園があるのもこのカポディモンテ美術館のポイントです。
リアル・ボスコ(Real Bosco di Capodimonte)と呼ばれ、東京ドーム約28個分にも及ぶ約134ヘクタールの広大な敷地に綺麗に整備された芝生が広がります。思いっきり寝ころびたいところですが、原則整備された芝生の上は歩けないのでご注意を。
歩ける芝生は入口から進んで宮殿の裏手側にあります。(こちらは整備されていませんが...)
最近では庭園内におしゃれなカフェがオープンし、紅茶や庭園で採れたハーブティーやお菓子を楽しむことができます。軽食もあるので、美術館をまわったあとにこちらのカフェで一休みするのもおすすめです。
カポディモンテ美術館への行き方
カポディモンテ美術館はナポリのトレド通りをずっとまっすぐ登って行ったところにあるのですが、徒歩でいくと約30分以上かかるのでバスを使って行くのがいいと思います。
カポディモンテ美術館まで行くバスは、C63、167、178、3Mの路線です。どの路線もカポディモンテ(Capodimonte)で降りて美術館へと向かいましょう。ダンテ広場(Piazza Dante)やナポリ考古学博物館前(Museo Archeologico)のバス停から乗車することができます。
バスのチケットはタバッキなどで売っている1.3ユーロの一回券、コルサ・シンゴラ(Corsa Singola)をつかいます。
Museo e Real Bosco di Capodimonte
住所: Via Miano, 2, 80131 Napoli NA
時間: 9:00-16:30
定休日: 水曜日
料金: 15ユーロ
アクセス: バス(C63、167、178、3M)
公式サイト: https://capodimonte.cultura.gov.it/

