【世界遺産】古代ギリシャ神殿が残るパエストゥムの見どころを紹介!

カンパニア州の遺跡と言えばポンペイ遺跡が有名ですが、サレルノにある街、パエストゥムには古代ギリシャの神殿が素晴らしい保存状態で残っていることで有名です。

世界遺産に登録されながらも、まだあまり日本人には注目されていないパエストゥム。そんなパエストゥムの隠された魅力とオススメの観光情報をお伝えします!

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パエストゥムってどんな街?

パエストゥムはカンパーニア州サレルノ県にある街で、古代ギリシャ・ローマ時代の遺跡が残る街として世界的に有名です。また、夏のシーズンにはビーチで海水浴を楽しむ観光客で賑わい、リゾート地としても知られています。

街の名前の「パエストゥム」はカラブリアよりやって来たギリシャ移民によって名付けられた「ポセイドニア」からきています。その後ルカニア人、ローマ人によって支配され、ローマ人によって現在の読み方へと変えられました。

またパエストゥムを含むバッティパッリャやアグローポリなどの周辺一帯は、カンパニア州の中でも水牛モッツァレラチーズのメッカとされていて、広大な土地でのんびりと育った水牛のモッツァレラはまさに絶品!街にはには多くのモッツァレラ工房が並んでいます。

パエストゥム遺跡

パエストゥムの見どころはなんといっても古代ギリシャ・ローマ時代の神殿が残るパエストゥム遺跡。紀元前6世紀頃に移住してきたギリシャ人によって建設されたこの都市は、海の神ポセイドンにちなんで「ポセイドニア」と名付けられました。街には3つの大きな神殿が建てられ、その後ルカニア人、紀元前237年にはローマ人によって街は繁栄していきました。

ですが8~9世紀にかけて街一帯にマラリアの伝染が広がり、さらにはサラセン人の襲撃も重なったのを受けて、パエストゥムの住人たちは安全な場所を求めてサルソ川の水源などに向かって非難していきました。こうして人々が去っていったパエストゥムは時が経つごとに忘れられ、18世紀のブルボン家カルロによって発見されるまでの約1000年もの間、自然の中で眠っていたのです。

遺跡の発掘作業によりいくつもの歴史が紐解かれ、1998年にはユネスコ世界遺産に登録されました。そんなパエストゥム遺跡の見どころをチェックしていきましょう。

ネプチューン神殿

ネプチューン神殿

パエストゥムに残る3つの神殿のうち一番大きく、保存状態が良いのがこのネプチューン神殿(Tempio di Nettuno)です。紀元前5世紀半ば頃に建てられ、同時期にはオリンピアでゼウス神殿が建てられましたが、保存状態はこのネプチューン神殿の方がかなり良いです。

神殿の前には祭壇を見ることができ、ここで神への生贄としての動物が焼かれていたことが分かります。近くには祭司たちが住んでいたとされる家の跡地などもあり、何世紀も前にここで儀式が行われていたと思うと不思議な気持ちになります。

最新の研究ではネプチューンではなくてヘラ(Hera)に捧げた神殿とする説や、ゼウス、アポロとする説もあり、もしかしたらこの先名前が変わることもあるかも!?

バジリカ

バジリカ

3つの神殿のうち最古として知られるのが、紀元前6世紀頃に建てられたとされ、ネプチューン神殿の隣に位置するバジリカ(Basilica)です。長い間この神殿の機能が明白ではなかったため、古代ローマにおける裁判所や公会堂といった意味を持つバジリカと呼ばれています。

現在ではほぼその機能は祭礼の建物ということが判明し、ヘラ(Hera)に捧げた神殿であったことが分かってきたことからヘラ神殿(Tempio di Hera)とも呼ばれますが、未だにバジリカという名前で呼ばれることが多いです。

神殿を支える列柱、柱頭、床などはトラヴェルティーノ(Travertino)と呼ばれる岩石でつくられ、モルタルを使用せず、シンプルなはめ石によって構成されています。この構造により地震や自然災害からも守られたのではないかとされています

アテネ神殿

アテネ神殿

2つの神殿から北へ離れた位置にあるのがアテネ神殿(Tempio di Atena)で、唯一どの神に捧げた神殿かはっきりとしている神殿でもあります。一番新しく紀元前5世紀頃に建てられたとされ、ひとつ草原にそびえ立つアテネ神殿にはどこか違った美しさがあります。

以前はケレス神殿とされていましたが、神殿近くから発見された数多くの遺跡などから現在はアテネ神殿と断定されています。

その他の遺跡

パエストゥム遺跡といえば上記の3つの神殿が一番の見どころですが、他にも面白い遺跡がたくさんあります。

テルメの跡地や、古代ローマ時代の人々の生活の中心だったと思われるフォロ・ロマーノ(Foro romano)、監獄と隣り合わせにある闘技場(Anfiteatro)、政治集会が行われていたコミティウム(Comitium)、妊娠した女性などのためのプールがあり、情報交換と安らぎの場であったサントゥアリオ(Santuario)なども当時の様子が分かる素晴らしい遺跡です。

コミティウム
政治的会議が行われていたコミティウム
サントゥアリオ
サントゥアリオで出産についての助言をもらっていたのだとか

考古学博物館

パエストゥム遺跡を見学し終わったら、出口付近にある考古学博物館(Museo)に行きましょう。ここでは遺跡から発掘された古代ギリシャの壺や食器、美しいフレスコ画が描かれた数々のお墓、屋根についていたテラコッタなどが展示されています。

中でも特に有名なのはTomba del Tuffatore(水に飛び込む男の墓)と呼ばれる男の人が水の中に飛び込む様子が描かれたお墓です。当時、飛び込みというスポーツは決してメジャーなものではなかったことから、水を死の世界にみたて、そこに飛び込む男の様子を描いているとされています。その墓の内壁には音楽や性、酒といった快楽のイメージが描かれていて、死後に対する当時の価値観も知ることができます。

出土品
パエストゥム遺跡から発掘された出土品
考古学博物館
Tomba del Tuffatore(水に飛び込む男の墓)

パエストゥム遺跡

住所: Via Magna Grecia, 919, Capaccio Paestum (SA), 84047
料金: 12ユーロ(同チケットで考古学博物館も見学可)
所要時間: 約半日
営業時間: 9:00 - 19:30(最終入場18:30)

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他にもあるパエストゥムの見どころ!

素晴らしいビーチ

ビーチ

夏のリゾート地としても大人気のパエストゥム。パエストゥムのビーチはじゃりが少なく海水浴にぴったり、海も浅い場所が長く続いているので子供連れの家族に特に人気です。

プライベートビーチはパラソルやチェアを含めて大体15~20ユーロくらいが相場。ハイシーズンは予約しておかないと埋まってしまうこともあるので注意しましょう。

本場のモッツァレラチーズ

サレルノは水牛のモッツァレラチーズの名産地として有名で、中でもパエストゥムにはたくさんのモッツァレラ工場があります。新鮮な水牛のミルクを使ったモッツァレラチーズは他のイタリアの土地でさえ食べられず、現地ならではのとっておき!今まで食べていたモッツァレラとは違った食感と溢れるミルクに感動すること間違いありません。

パエストゥムに来たらぜひ美味しいモッツァレラを頬張りたいものですね!見学ができるモッツァレラ工場もありますので、時間があればぜひ参加してみてください。

パエストゥムへの行き方

ナポリからパエストゥムへ行く一番わかりやすい方法は電車を使って行く方法です。

ナポリ中央駅(Napoli Centrale)からイタリアの鉄道会社トレニタリアのレジョナーレ(Regionale)という普通電車で約1時間15分、料金は6.5ユーロです。1時間に1本程度の頻度で出ていますが、乗る前にトレニタリアの公式ホームページで確認しましょう。(Trenitalia公式ホームページはコチラ)



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