【ベネヴェント】カンパニア州の古都ベネヴェントの見どころと観光情報!

カンパニア州にある5つの県のうちのひとつベネヴェント県の県都、ベネヴェント(Benevento)。
古い歴史を持つ都市で、古代ローマ時代の跡が今も残る歴史的にも重要な街です。そんなベネヴェントの見どころや観光情報をご紹介していきます。
ベネヴェントってどんな街?
ベネヴェントの歴史はとても古く、紀元前6世紀頃、イタリア半島アルペン山脈南部を拠点に生活していたサムニウム人によりつくられた都市とされています。その頃の街の名はマレヴェントゥム(Maleventum)呼ばれていました。
その後、古代ローマとの3度に渡る「サムニウムの戦い」などを経て、古代ローマの支配下となりました。街の名前も「悪い風」という意味があったマレヴェントゥムから「良い風」という意味のベネヴェントゥム(Beneventum)に改名され、アッピア街道の通る古代ローマの植民地のなかでも有力な都市として発達していきます。
古代ローマ時代の「ピュロス戦争」や「第二次ポエニ戦争」などしばしば戦争の中心ともなったベネヴェントの街ですが、490年にはゴート族、570年にロンゴバルド族による支配され、ベネヴェント公国となりました。11世紀になると南イタリアに侵入してきたノルマン人によって征服され、シチリア王国の一部となりました。
魔女の街

ベネヴェントにはヤナレ(Janare)と呼ばれるベネヴェントの魔女の伝説があり、魔女の街としても知られています。この魔女はベネヴェントのサバト川(Fiume Sabato)にあるくるみの木の下で夜に集まり儀式を行っていたとされています。
起源はおそらくロンゴバルド人が支配していたころの6~8世紀ごろ、ロンゴバルド人の自然崇拝や異教信仰とそれに対立するキリスト教との間で生まれ、その後人々によって色々な形で語り継がれていったのだと思われます。
この魔女伝説は今でさえベネヴェントの人たちの間ではひとつの文化として残っていて、例えばサッカーチームのベネヴェントのエンブレムや、有名な薬草リキュールのストレーガ(Strega)などにもその影響は見受けられます。
歴史的に魔女裁判や迫害を受けたヤナレ(Janare)は女性の解放と偏見からの脱却の象徴として再評価されています。
・寝ている人の上に乗って金縛りや悪夢を引き起こす
・馬のたてがみに魔法の三つ編みを作り、疲れ果てるまで走らせた
・薬草や呪文を使った治療や呪いも行った
・髪が弱点で掴まれると力を失う
・Janaraを捕まえたあと、解放の代わりに7世代に渡る家族の保護を受けられる
・クリスマスの夜のミサで最後に教会を出る女性がJanara
・太陽の陽ざしが苦手
・玄関に箒か塩を置いておくと、Janareはその数を数えるのに夢中になり朝まで侵入を防げる
などなど、ベネヴェントには魔女にまつわる伝説がたくさんあります。
ベネヴェント市内には魔女の博物館(Museo delle Streghe)もあるので、興味あるかたはぜひ!
ベネヴェントの見どころ
サムニウム人の時代や古代ローマ時代を中心に力を持ったベネヴェントには、当時からの建造物などが残っていて、見どころもたくさん!
ソレントやアマルフィ海岸、カゼルタ宮殿などと比べるとどうしてもマイナーなベネヴェントですが、こんな見どころがあるよ!というのを紹介していきます。
トライアーノ凱旋門(Arco di Traiano)

まず外せないのがベネヴェントの一番の観光名所、トライアーノ凱旋門(Arco di Traiano)です。イタリア本土出身ではない属州出身で初めてローマ皇帝になり、領土拡大に大きく貢献した皇帝トラヤヌスに捧げられた門となっています。
117年に完成したこの門はローマと現在のプーリア州ブリンディジをつなぐ、トライアーノ街道の開通を記念して建てられ、門にはダキア戦争やメソポタミアの獲得などの皇帝トリヤヌスの功績を描いたレリーフの美しい装飾を見ることができます。
ロンゴバルドの時代には街の城壁の一部になったこともあり、カンパニア州にある古代ローマ時代の建造物の中でも最も保存状態の良いもののひとつとして知られています。
Arco di Traiano
住所: Via Traiano, 83, 82100 Benevento SI
ローマ劇場(Teatro Romano)

同じく古代ローマ時代の建造物としてベネヴェントの街に残っているのがローマ劇場(Teatro Romano)です。
ローマ皇帝トラヤヌスの時代に建設が始まり、次の皇帝ハドリアヌスによって2世紀頃に建てられました。劇場は直径約100m、約1万5千人を収容できるほどの劇場で、ローマ劇場の典型的な半円形の観客席となっています。
舞台部分にはと2つのニッチを見ることができ、装飾的な構造が部分的に保存されているのが分かります。古代ローマ時代には音響の良い劇場として広く知られていたようで、現在でも夏のコンサートなどのイベントが行われています。こんな素敵な劇場で約2000年前の人と同じように観客席に座れるなんてすごいですよね!
Teatro Romano
住所: Piazza Ponzio Telesino, 82100 Benevento BN
時間: 9:00-19:00
定休日: なし
料金: 2ユーロ
公式サイト: https://ext.angolodivisuale.it/virtualteatroromano/
サクラメント門(Arco del Sacramento)

ローマ劇場の見学ついでに寄りたいのが、劇場近くにあるサクラメント門(Arco del Sacramento)です。こちらもローマ劇場と同年代の建築物で、ここ周辺に古代ローマの街があったことを想像できます。
サクラメント門近くには古代ローマの街に必ずあった中心的広場・フォロ(Foro)の跡も見ることができます。ここ一帯を掘り起こせばきっとまだまだ色々な遺跡が出てくるのだと思います...。
Arco del Sacramento
住所: Via Carlo Torre, 13, 82100 Benevento BN
ドゥオーモ(Duomo di Benevento)

上の古代ローマ遺跡があるエリア近くに堂々と建つ大きなベネヴェントのドゥオーモ(Duomo di Benevento)があります。教会の起源は7~8世紀に遡りますが、度重なる地震や戦争などの被害を受け、その度に修復が行われてきました。
現在見える外観のファサードと鐘楼は、13世紀にピサン・ロマネスク様式で修復されたもので、白い大理石が美しく神秘的な印象をはなっています。内部は第二次世界大戦の被害を大きく受け、20世紀にネオ・ロマネスク様式にて現代的に再建されました。
この大聖堂は、ベネヴェントの宗教的中心であると同時に、ロンゴバルドの時代から現代までの歴史と芸術が融合した貴重な文化遺産となっています。
Duomo di Benevento
住所: Piazza Orsini, 27, 82100 Benevento BN
時間: 7:00-12:00, 16:30-19:00
定休日: なし
公式サイト: https://www.diocesidibenevento.it/cattedrale/
サンタ・ソフィア教会(Chiesa di Santa Sofia)

サンタ・ソフィア教会(Chiesa di Santa Sofia)は、ロンゴバルド族のベネヴェント公アレキス2世によって762年に建てられた教会で、何度か地震や戦争の影響を受けましたが、ロンゴバルド建築の典型的な造りを見ることができる貴重な教会となっています。
高いクーポラの中央には、列柱が六角形の配置、その周りを囲むように十角形の配置で構成されていて、不思議な視覚空間を作り出しています。教会を飾っていたと思われるフレスコ画はほとんど失われてしまいましたが、後陣には「ザカリアへの告知」など8~9世紀のフレスコ画も多少残っています。
Chiesa di Santa Sofia
住所: Piazza Santa Sofia, 82100 Benevento BN
時間: 9:00-12:00, 16:00-19:00(変化あり)
定休日: 回廊やサンニオ博物館は月曜日
その他の見どころ

その他にもサンタソフィア教会の修道院だった場所にベネヴェントの周辺から発掘された出土品などを展示するサンニオ博物館(Museo del Sannio)、美しい回廊(Chiostro di Santa Sofia)、ロンゴバルドによる城と15世紀の総督の館が合体したロッカ・デイ・レットーリ(Rocca dei Rettori)や、などがあります。
ベネヴェントの市民たちの憩いの広場、ローマ広場(Piazza Roma)では週末や夏のシーズンなどにイベントやコンサートが開かれます。
ベネヴェントのグルメ情報
周りを山に囲まれたベネヴェントは、肉をつかった煮込み料理やハムやチーズなどの加工品、豆類などのスープ、キノコをつかった料理などが数多くあり、料理の美味しい街としても知られています。ここではそんなベネヴェントの伝統料理をいくつか紹介していきます。
まず前菜で食べたいのはベネヴェント県の小さな標高の高い村ピエトラローヤ(Pietraroja)でつくられるピエトラローヤ産生ハム(Prosciutto di Pietraroja)です。デリケートで旨味のあるこの生ハムは最高級品として知られています。
パスタはチカティエッリ(Cicatielli)という、長丸く中が溝になっているショートの手打ちパスタ(カヴァテッリに似ている)が有名で、合わせるソースはナスとミニトマトのソースや、子羊のラグーソースなど様々。
また、カルドーネという野菜をつかった、その名もイル・カルドーネ(il Cardone)というスープは絶品。鶏でとったブロードにこの野菜と仔牛のポルペッティーネ、卵などを入れたスープで、冬のベネヴェントの定番料理です。
また子羊の内臓系(心臓、肺、レバーなど)を腸で巻いて炭火焼きやオーブンで焼くムリャティエッリ(Mugliatielli)という料理も、ベネヴェントや隣のアヴェッリーノでよく食べられます。なかなかレストランでも見ない料理ですが、見つけたら迷わず注文してください!
ベネヴェントのお菓子と言えばトッローネ(Torrone)。イタリア全土で食べられるお菓子ですが、ベネヴェントは古代ローマから上質のトッローネをつくる土地として知られていて、特にベネヴェントの薬草リキュール・ストレーガ(Strega)で香りづけられたヘーゼルナッツとアーモンドのトッローネはやみつきです。
ベネヴェント周辺の食べ歩きレポート記事はこちらからも→#ベネヴェント #ベネヴェント県
ベネヴェントへの行き方
ベネヴェントへはナポリから電車やバスをつかって行くことができます。
電車でアクセスする場合
ベネヴェントへはナポリ中央駅からトレニタリア社の普通列車、レッジョナーレ(Reggionale)に乗ってアクセスすることができます。時間帯によってはカゼルタで乗り換えのものもあるので、よく確認しましょう。
所要時間は約2時間くらいで、ベネヴェントの駅に着いたら、駅前のプリンチペ・ディ・ナポリ通り(Viale Principe di Napoli)をまっすぐ約15分程歩いていくと、ベネヴェントの中心地にでることができます。
ナポリからベネヴェントへ(電車)
鉄道会社: Trenitalia社
料金: 片道6.5ユーロ
所要時間: 約2時間
運行間隔: 約1時間に1本
※日曜・祝日は本数が減ったり時間が変更したりするので注意
Trenitalia社の公式ホームページで確認→https://www.trenitalia.com/it.html
バスでアクセスする場合
ナポリからベネヴェントはバスでもアクセスできます。ナポリーベネヴェント間はAirCampania社のバスが通っていて、大体1時間に約1本の割合で運行しています。
かかる時間や料金は電車とほとんど変わりません。ベネヴェントのバスターミナルは鉄道の駅近くではなく、反対側にあるため注意が必要です。(中心まで徒歩で約20分)
ナポリからベネヴェントへ(バス)
鉄道会社: AirCampania社
料金: 片道6.1~7.1ユーロ
所要時間: 約2時間
運行間隔: 約1時間に1本
AirCampania社の公式ホームページで確認→https://aircampania.it/
「Linee e Orari」→「Bacino di Benevento」→「Benevento-Napoli」



