ナスのパルミジャーナのレシピと歴史 南イタリアで愛されるナスのオーブン焼き -Parmigiana di Melanzane-

ナスはナポリの人たちが大好きな食材で、グリルしてマリネしたり、細く切ってフリットにしたり、トマトソースとあえてパスタにしたり、はたまたドルチェに使ったりと、大活躍の食材です。

そんなナスを使った代表的な料理にナスのパルミジャーナ(Parmigiana di Melanzane)があります。マンマが「今日はパルミジャーナよ」といって、みんなが「わーい!」と喜ぶ光景が浮かびあがるほど、南イタリアではとてもポピュラーな料理です。今回はそんなナスのパルミジャーナについて紹介します。

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ナスのパルミジャーナってどんな料理?

ナスのパルミジャーナは、素揚げしたナスのスライスの上にトマトソース、モッツァレラチーズ、パルミジャーノチーズ、バジルなどをのせ、それを数段重ねていって、オーブンで焼き上げる料理です。ナスのトロッとした食感とトマトソースの酸味、たっぷり入ったパルミジャーノチーズのコクと香り、この組み合わせは美味しくないわけがないですよね。

コントルノ(付け合わせ)という位置づけですが、かなりボリュームのある料理なので、メイン料理として食べられることもよくあります。そしてパルミジャーナに欠かせない名脇役がパン!少しかためのどっしりとしたパーネ・カフォーネ(Pane Cafone)と呼ばれるナポリのパンと一緒に食べます。

ナスのパルミジャーナの歴史

パルミジャーナの歴史には諸説あり、パルミジャーノチーズをたくさん使うから、パルミジャーノチーズの生産地であるパルマにちなんでつけられた、などと言われることが多々あります。

実際にはナスのパルミジャーナはシチリアで生まれたという説が有力です。15世紀ごろにアラブ人によってインドからナスがシチリアに持ち込まれました。パルミジャーナのナスを重ねていく工程が、板を段々に重ねた"鎧戸"に似ていることから、シチリアの方言で鎧戸を表す"パルミチャーナ(Parmiciana)"と呼ばれるようになったといいます。

またもう一つの説は、シチリアのナスの品種のひとつである"ペトロンチャーネ(Petronciane)"から来ているともいわれています。

シチリアと関係の深かったナポリにもこの料理はすぐに伝わり、ナポリでもナポリ料理として多くの人たちに愛されました。シチリアのパルミジャーナはゆで卵やスカモルツァ、カチョカヴァロを使うのに対し、ナポリのパルミジャーナはモッツァレラチーズを使います。現在では南イタリアを中心にイタリア全土で作られています。

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ナスのパルミジャーナのレシピ

今回はナスの皮は剥いていませんが、皮の食感が気になる方はピーラーで剥いておくといいでしょう。また、ナスに小麦粉や卵で衣をつけて揚げるレシピもあり、こうするとよりボリュームのある仕上がりになります。

トマトソースも、トマト感が強い方が好きであればパッサータ(裏ごしトマト)をそのまま使ってもいいですし、さらに本格的に仕上げたい場合はナポリ風ラグーソースを使うこともあります。

材料(長方形の耐熱皿18x28cm)

・ナス 1kg
・モッツァレラチーズ 120g
・パルミジャーノチーズ 60g
・バジル 適量

-トマトソース-
・トマト缶 1缶(400g)
・玉ねぎ 1/4
・オリーブオイル 15g


レシピ工程

①まずトマトソースをつくります。スライスした玉ねぎをねべに入れて弱火でしんなり薄く色づくまで炒めます。

レシピ工程

②トマト缶を入れ、15~20分煮込みます。煮込めたら塩、バジル、オリーブオイルを加えてブレンダーでまわします。(詳しいトマトソースの作り方はコチラ)

レシピ工程

③ナスをスライスします。厚さは8mm~10mmくらい。あまり薄くすると揚げたあとにペラペラになってしまうので、ちょっと厚いかな、くらいで大丈夫です。

レシピ工程

④スライスしたナスは塩水につけて10分ほどアクを抜きます。ナスが浮いてきてしまうので、上に重しをのせておきましょう。

レシピ工程

⑤アクを抜いたナスはザルにあげ、キッチンペーパーで水けを拭き取ります。180度くらいに温めた油でこんがりとキツネ色になるまで揚げていきます。揚げあがったら全体に塩を振ります。

レシピ工程

⑥耐熱容器の底にトマトソース、揚げたナスを敷き、その上からトマトソース、ナス、小さくカットしたモッツァレラ、パルミジャーノ、バジルの順に重ねていきます。

レシピ工程

⑦ナスの層が3段になるくらいが目安です。一番上は焦げやすいので、トマトソースとパルミジャーノチーズだけにしましょう。150度に温めたオーブンで50分~60分、水分を飛ばすようにじっくり焼き上げます。

レシピ工程

⑧焼きあがったらいったん冷ましましょう。パルミジャーナは翌日の方が味が馴染んで美味しいですよ!たくさん作って冷凍保存もOKです。

さいごに

いかがでしょうか。材料もシンプルですし、工程も難しくなく作れます。ただナスを揚げる工程や、焼成に時間がかかってしまうので、時間のある休日に作るのがいいかもしれません。きっと予想外の美味しさにびっくりすると思います!

ナポリの庶民的なトラットリアなどではメニューに載っているお店も多いので、ぜひナポリに来たら食べてみてください。ナポリのナスは味が濃くてとても美味しいんです。



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