2月に入るとイタリアのお菓子屋さん・パスティッチェリアのショーケースにはカルネヴァーレに向けてたくさんのドルチェが並びます。甘い香りがふわっとするとついついお店に入ってお菓子を買ってしまうんですよね。
今回ご紹介するのはナポリのカルネヴァーレには欠かすことのできない伝統菓子ミッリャッチョ(Migliaccio)です。
ミッリャッチョってどんなお菓子?
ミッリャッチョはカンパニア州を中心にカルネヴァーレの時期に食べられるお菓子で、セモリナ粉とリコッタチーズを使った素朴な甘さとムチッとした食感が特徴です。
11世紀ごろにはすでにナポリの市民の間でつくられていたようで、当時はキビ(miglio)と豚の血をつかってつくられていたといいます。ミッリャッチョという名前も材料のキビからきています。
豚の血は栄養価が高いとされ、貧しい人たちの食生活で重要な位置づけでした。豚の血をつかったドルチェは他にも同じカルネヴァーレの時期に食べられていたサングイナッチョというチョコレートソースが有名ですが、教会の反対もあり、今では豚の血を使ったドルチェを販売することは禁止されています。
ミッリャッチョのレシピ
・セモリナ粉 160g
・牛乳 400ml
・水 400ml
・バター 40g
・レモンの皮 数切れ
・オレンジの皮 数切れ
・リコッタチーズ 250g
・卵 3個
・砂糖 160g
~下準備~
・オーブンは180度に予熱しておく
・型に薄くバターをのばし、強力粉をふって余分な粉をたたいておく
ミッリャッチョのレシピ
①鍋に牛乳、水、バター、レモンの皮、オレンジの皮を入れて火にかけます。沸騰する直前でレモンとオレンジの皮はとり除きます。
②泡だて器でかきまぜながら、セモリナ粉をゆっくりとパラパラと鍋の中へ入れていきます。
③木べらに持ち替えて生地を炊いていきます。写真のような状態から、もったりと伸びがよくなるまで弱火で炊きましょう。
④炊きあがったら大きめのボールへ移して冷まします。
⑤生地を冷ましている間にリコッタクリームをつくります。まず砂糖とリコッタチーズをよくまぜあわせ、クリーム状にします。
⑥卵を一個ずつ⑤のリコッタチーズに加えながらまぜていきます。
⑦リコッタクリームが出来たら、冷ました生地と合わせていきます。冷ました生地が固くなっているのでまぜてやわらかくしてから少しずつリコッタクリームを入れ、やわらかくのばしていきます。
⑧あらかじめ用意しておいた型へ生地を流し込み、表面を整えて180℃にあたためておいたオーブンで約60分様子を見ながら焼きます。
⑨焼きあがったらすぐに取り出さず、オーブンを少し開けた状態で冷まします。仕上げに粉糖をかけて完成。
さいごに
いかがでしょうか。
ナポリのお菓子としてはまだあまり日本で有名ではないミッリャッチョですが、リコッタチーズとムッチリとしたセモリナ粉ならではの食感が絶妙なこのドルチェ。
素朴なイタリア菓子ならではの美味しさがクセになります。ぜひお試しください!