
危険なイメージがぬぐえないナポリ
歴史的に価値のある世界遺産や、芸術作品にお城、美味しいナポリ料理にピッツァ、息をのむような絶景がみられる陽気な南の国、ナポリ。
そんな素晴らしい観光資源を持ちながら、日本からの観光客の行き先は北イタリアのミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマ。。。ナポリに滞在することはめったになく、滞在したとしてもカプリ島やアマルフィなどのリゾート地に行くために"泊まる"だけ。
その主な理由の一つに"危険な街"といったイメージがぬぐえていない事実があります。
実際、ナポリにはナポリのマフィア"カモッラ"がいますし、ナポリ中央駅前にはアフリカ系の移民がうろつき、少し街を歩けばクラクションが鳴り響きます。
ナポリの街に慣れてさえすれば、そんな喧騒さもナポリの良さというか、特色の一つと思えるのですが、短期で旅行に来るにはたしかにネックなところかもしれません。
ただ、"危険な街"という理由でナポリ観光をしないのは非常にもったいない!!危険なエリアと時間帯さえおさえておけば怖い思いをする確率はグンっと減ります。実際にスリにあった、ボッタくられた、なんていう話はもっぱらローマやヴェネツィアの方がよっぽど多いのです。
しっかりエリアと時間帯をおさえて素晴らしい街、ナポリを満喫しましょう!
危険なエリア ① ナポリ中央駅前
え、駅前って一番安全じゃないの?
なんて声が聞こえてきそうですが、ナポリはその逆。現在は駅前の半地下にショッピングモールが建設されショッピングを楽しむ人も多くみられ、日中歩くのには特に危険はありません。
ただし、駅前には細い路地が入り組んでいて、そこには入らない方がいいです。アフリカ系の人たちが路上で商売をしていたりして、からかいがちに彼らは陽気に声をかけてきます。言葉がわからないとそれもちょっと怖いです。なので細い路地に行くのはやめましょう。
夜になるとナポリの地元の人でも中央駅付近にはできるだけ近寄りません。辺りには売春婦たちが現れたり、これまた怖そうなアフリカ系の兄ちゃんたちがたむろいます。
交通面やホテル代の安さを考えてナポリ中央駅前にホテルをとる人もいますが、観光や夕食をとって遅くなってしまってホテルに帰る時のリスクを考えれば避けるべきだと思います。
危険なエリア② フォルチェッラ
このフォルチェッラはナポリ歴史地区エリア内にある場所で、有名老舗ピッツェリア ダ ミケーレのある場所の周辺を指します。この地域には昔からナポリのマフィア"カモッラ"の有力なファミリーが確認されています。
しかし、ダ ミケーレは大通りのコルソ ウンベルト(corso umberto)に近いので安全ですし、フォルチェッラを横断するフォルチェッラ通り(via forcella)も昼間はハムやサラミを売るサルメリアや、小さいスーパーマーケットなども多くみられ、むしろナポリ人のありのままの生活を垣間見れるのでオススメです。
日中に危険を感じることはないでしょうが、夜に不用意にこのエリアに入っていかないようにしましょう。
危険なエリア③ スペイン地区
危険なエリアとして最も有名なエリアがスペイン地区です。
スペイン地区は格安で美味しいナポリ料理を提供するトラットリアやピッツェリアが点在する庶民の生活がダイレクトに感じられるエリアですが、このマイナスイメージもセットでついてきます。
このエリアのやっかいなところは"ベビーギャング"とよばれる10代の少年たちが住んでいるところです。彼らはかわいらしい名前とは裏腹に、偽物のピストルやナイフを突きつけ脅し、金目のものを奪っていきます。日本でいうヤンキーのようなイメージです。
現在はトラットリアなどの飲食業やその特徴的なスペイン地区の風景から観光スポットとして注目されるようになり、このエリアでの事件は大きく減少しました。実際ぼくもスペイン地区のレストランで働きましたが、危険と感じたことはなかったです。
これはこの地区にベビーギャングとよばれる少年たちが"住んでいる場所"ということで、"非行する場所"ではないということです。ただ、夜にレストランがないような奥にまで入っていくことはやめましょう。
危険なエリア④ サニタ
国立考古学博物館の裏側に位置するサニタ地区。
ここのエリアも"カモッラ"のアジトとして名が知られていて、あまり治安のいい地区とは言えません。夜遅くや細い路地には入らないようにしましょう。
しかしサニタ地区にはPizzeria concettina ai tre santiにはじまる老舗ピッツェリア・トラットリアや、昔から続くメルカートも残り、ナポリの歴史と伝統を色濃く感じる地区でもあります。
そこに住む人々はナポレターノであることに誇りをもっていて、良くも悪くも常に熱く、明るく、全力で日々を生きています。日本では感じられないこの感覚を肌で感じるのもいい体験かもしれません。
危険なエリア⑤ スカンピア&セコンディリアーノ
ナポリ郊外に位置するエリアで、普通に観光するにはまず通ることはないと思います。ナポリ市全体で見れば一番危険なエリアと言えるかもしれません。
"カモッラ"関係者が多く住んでいるとされるこのエリアでは学校や病院も荒れていて、ナポリ市でもこのエリアの治安の悪さは問題となっています。
気をつけたい時間帯と曜日
これらのエリアに行くときには以下のポイントに気をつけましょう!
・夜遅くに入らない(21:00以降には入らない)
・日曜日は人が少ないので要注意!
・細い路地には入らない
このルールを守ればリスクはかなり抑えられます。現在ナポリでは観光にすごく力を入れていて、犯罪も減少傾向にあります。
危険なエリアがあったり、気をつけなければいけないのは他のイタリアの都市でも同じです。このポイントを押さえて魅力がつきない街 ナポリを観光しましょう!