イタリア全土で食べられるタラを塩漬けにしたバッカラ。ナポリでもバッカラはちょっと特別で贅沢な食材として知られていて、特に冬場のお祝い事には欠かせません。
今回はそんなバッカラをトマトで煮込んだ伝統的なナポリ料理をご紹介します。
バッカラって何?
バッカラ(Baccalà)とはタラの塩漬けのことで、数週間の塩漬け期間と適度な乾燥期間を経てつくられます。もともと長期保存を目的としてつくられていたバッカラは、現在でも伝統的な技法でノルウェー、デンマーク、アイスランドなどの北ヨーロッパの地域を中心につくられています。
塩分濃度が18%にもなるバッカラは調理前に1~2日ほど、数回水を変えながら塩抜きをします。
バッカラに似たストッカフィッソとは
バッカラに似たもので、ストッカフィッソ(Stoccafisso)と呼ばれるものがあります。このストッカフィッソはノルウェーのロフォーテン諸島で主につくられるタラの干物で、こちらもイタリア料理によく登場します。
通年つくられるバッカラとは違い、冬場の乾燥した時期のみにつくられ、乾燥期間は約3か月に及ぶといいます。ストッカフィッソを調理する際は、バッカラと同様に水に漬けて戻しますが、塩分がないので、調理時に塩を加えます。
ナポリ風バッカラのトマト煮込みのレシピ
バッカラのトマト煮込みはナポリやシチリアなどを中心にイタリア全土でつくられる料理ですが、地域や作り手によってレシピはまちまちで、玉ねぎなどの香味野菜が入るものやジャガイモを入れるものもよく見られます。
ナポリでバッカラのトマト煮込みといえば、香味野菜は入れずに黒オリーブ、ケッパーなどと一緒にミニトマトで作ったフレッシュなトマトソースで煮込むシンプルなものが定番です。こうしたシンプルな味付けと調理方法はナポリ料理の特徴ですね。
ここでは分かりやすいようにナポリ風バッカラのトマト煮込みとして紹介しますが、他にもバッカラ イン カッスオラ(Baccalà in cassuola)やマリナーラ風バッカラ(Baccalà alla marinara)などと呼ばれることも多くあります。
・バッカラ 約600g
・黒オリーブ(種抜き) 100g
・ケッパー 20g
・ニンニク 2片
・ミニトマト缶(400g) 1缶
・強力粉 適量
・イタリアンパセリ 適量
①バッカラは前日から数回水を替えながら塩抜きをしておき、切り分けます。
②フライパンにオリーブオイル、ニンニク、黒オリーブ、ケッパーを入れて弱火にかけます。
③ニンニクが色づいたら取り出し、ミニトマト缶とそれと同量の水を加えて約10分煮込んでいきます。
④バッカラに強力粉をまぶし、別のフライパンで全面を焼きます。
⑤焼いたバッカラを③のトマトソースに入れて、火が通るまで煮込みます。バッカラの塩気が強いので、塩を加える場合は様子を見ながら。
⑥パセリを振りかけてお皿に盛り付ければ完成!
さいごに
バッカラは長期保存が可能で、高たんぱく低カロリーの魚としても知られているため、ナポリではダイエットや健康志向の人たちの間で再注目されています。
塩漬けのバッカラでなくても、タラの切り身を使って美味しくできるのでぜひ試してみてください!