実践的な言語学習をしていく上で必ず出てくるのがスラング。イタリア語ではパロラッチャ(Paloraccia)と呼ばれていて、その数はとても多いんです!
スラングのレベルは色々あり、友達同士で気軽に使えるものから、状況によっては相手をとても怒らせてしまうものまで様々。
ナポリの街中でも耳にする機会が度々あるスラングですが、今回はそんなナポリで使われるスラングに特化してご紹介します。間違っても街中で連呼しないように!笑
●1. ストロンツォ/Strunz
ストロンツォ(Stronzo)はイタリア語のスラングでもありますが、クソ野郎という意味でナポリでもよく使います。嫌な相手や、ムカつく相手に対して憎しみを込めて言うイメージがあります。
●2. ラットゥーゾ/Rattus
ラットゥーゾは浮気性の強い男性を蔑む言葉です。街を歩いていて、チラチラと女の子ばかり目で追っているような男にはこんな言葉が浴びせられます。
●3. ゾッコラ/Zoccola
ネズミを意味するゾッコラは売春婦の意味として使われます。男とお金が好きで、いつも違う男と遊んでいる女性に対して使われます。さらにパワーアップするとゾッコローナ(Zoccolona)に。
●4. ラトリーナ/Latrina
もともと公衆便所を意味するラトリーナ。なんだか可愛らしい発音とは違ってしっかりとした悪口なので気をつけて。
●5. キアーヴィカ/Chiavica
キアーヴィカは雨水の排水路といった意味があります。誰かに発すれば悪口になりますが、意外と日常生活で「最悪だ」といった意味で使うこともよくあり、「体調はどう?」や「デートは上手くいった?」なんて質問に「ナ キアーヴィカ(na chiavica)」と返したりします。
●6. ロータ/Lota
ロータはぬかっている泥を意味する言葉で、悪口としてよくナポリで使われます。比較的軽い気持ちで使える悪口で、「バーカ」くらいのニュアンスですが、自分のためのことしか考えない自己中心的な性格の相手に対して使います。
●7. ムンネッツァ/Munnezz
おそらく個人的に一番オススメ(?)なナポリ方言のスラングが、こちらのムンネッツァ。ゴミを意味する言葉ですが、結構軽めのジョークとしても使え、そこまで強くないのが特徴です。あいさつ代わりに「ムンネーツァ!」というとなぜか和みます。
●8. ワッレラ/Uallera
ワッレラは睾丸を意味する言葉で、キン○マ野郎!みたいな使い方をします。ナポリ方言のスラングでも結構な下品レベルを誇るので、避けたい言葉ですね。
●9. ブッキーナ/Bucchina
口腔性交を表すブッキーナ。そのままの意味で使われることももちろんありますが、ブッキーナに関してはずる賢い人に対して誉め言葉のニュアンスとして使うこともあります。
●10. フラトロカッツォ/Frat ro cazz
男性器を意味するカッツォとの合わせ語で、フラトロカッツォ。男性器の兄弟(Fratello di cazzo)という意味のナポリ方言バージョンです。ちなみに女性に言う場合には女性器の姉妹(Sorella di fessa)を意味するソルラフェッサ(Sor ra fess)を使います。
●11. オンメメルダ/Omm e merd
クソ野郎、う○ち野郎といった意味のオンメメルダ。イタリア語だと「ウオーモ ディ メルダ(Uomo di merda)」ですが、ナポリ方言で言われるとその威力は数倍になる気がします。
●12. ヴァッファンモック/Vafammocc
ヴァッファンクーロ(Vaffanculo)と並んで、同様のいみで使われるヴァッファンモック(Vaffanmocc)。直訳すると口の中にしに行け!です。ケンカ文句の定番ですが、ずっと下に見られてきて見返すことに成功したときなどにもよく使う言葉です。
●13. ンツェバート/Nzevato
何かネバネバ、ネチネチしてひっつくことを表す形容詞で、日常的な会話の中でもスラングとしてではなく使います。ただ人に向けて発してしまうと不潔な奴、汚い奴といった意味にもなります。同じ汚さを表すことばにツォッツォ(Zozzo)もよく使います。
●14. ンザッラヌート/‘Nzallanuto
何を考えているかよくわからなかったり、ぼんやりとした人がいたらついつい言ってしまいたくなるのが、このンザッラヌート。悪口というよりは、「何考えてんだよ!ボウッとしてんな!」といった意味で使います。
●15. キテムオルト/Chitemuort
数あるナポリ方言のスラングの中でも恐らく一番の侮辱を表す言葉として君臨するのが、こちらのキテムオルト。相手の亡くなった親族を侮辱する意味があり、これを言われたら誰でも激怒します。意味を和らげるために、これから亡くなる親族を侮辱するキテヴィーヴィ(Chitevivi)というバリエーションもあります。さらに強くなるとキテストラムオルト(Chitestramuort)なんてのもありますが、これはダメですね。
●16. スファッチンマ/Sfaccimma
精子を意味するスファッチンマですが、「ちきしょう!しまった!」といった意味で使われることがほとんどです。何か想像していたことと違ったことが起きてしまった時などに発せられます。
●17. スカッサカッツォ/Scassacazz
何度も何度もしつこくしてくる相手に対してのスラングがこのスカッサカッツォ。イタリア語ではロンピスカートレ(Rompi scatole)やロンピパッレ(Rompi palle)と同じ意味で、男性器が壊れるくらい面倒くさい様子を表しています。
●18. スコルナッキアート/Scornacchiato
イタリア語で相手のパートナーに浮気されているぞ!と馬鹿にするコルヌート(Cornuto)というスラングがありますが、そのさらにひどいのがコチラのスコルナッキアート。このスコルナッキアートは浮気されているのにも関わらずそのことに対して恥を持たない人のことで、非常にダメな人間をさします。
おわりに
いかがでしょうか。ナポリ方言のスラングいっぱいありますね。
上記に紹介した以外にもスラングはたくさんあって、僕も分からないスラングがまだまだあります。もちろんケンカの時に使ったり、悪口に使ったりもしますが、ナポリの人にとってこういったパロラッチャを冗談として使うことがよくあります。
そしてそのパロラッチャを使う時の彼らの嬉しそうな顔。笑
もし、仲が良くなったナポリ出身の友だちがいたらちょっと使ってみてください。きっと怒るどころか笑ってくれるはずです。