プレゼーペって何?キリストの誕生を再現したナポリの伝統工芸 -Presepe Napoletano-

イタリアといえばバチカン市国を中心に、人口の約80%がキリスト教カトリックを信仰しているカトリック大国です。カルネヴァーレや、パスクワ、クリスマスなどに代表される一年間の行事・イベントもそのほとんどがキリスト教にまつわるもので、イタリア人の生活と密接に関わっています。

今回ご紹介するのは、イタリアのクリスマスに欠かせないプレゼーペについて紹介します。

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プレゼーペとは

プレゼーペとは、イエス・キリストの誕生の様子を表現した模型で、クリスマスのシーズンにはイタリアの各家庭や、教会などに飾られ、救い主がこの世に現れたことをおぼえる目的があります。

プレゼーペの特徴はただの模型ではなく、自然な素材をつかって作り上げるところ。ちょうどいいサイズの木やおがくず、コケ、落ち葉などを拾ってきて、非常にリアルに再現されます。また、細かなところまですごく凝ってつくられていて、キリストの誕生をより身近なものに感じさせます。

日本語表記ではプレゼピオとされることが多いですが、イタリアではプレゼーペ(Presepe)、またはプレゼーピオ(Presepio)と発音されるのが普通です。

プレゼーペの歴史

今となっては世界的にも有名になり、広がりをみせているプレゼーペですが、いつ頃からつくられるようになったのしょうか。プレゼーペの歴史を見ていきましょう。

プレゼーペの起源

キリストの誕生の様子はイエスの弟子であったマタイやルカを中心に伝えられました。古代ローマ時代、まだキリスト教が迫害されていた時代には、カタコンベと呼ばれる地下礼拝堂にキリスト教徒たちは集まり、集会が行われていました。そのカタコンベの壁などには幼いイエスやマリアなどの描写が発見されています。

その後中世になるとキリスト教は大きく布教して、ジョット、カラバッジョなど多くの画家の手によってキリストの誕生の様子は描かれていきました。

世界初のプレゼーペ

一番最初につくられたプレゼーペはアッシジのサンフランチェスコによるものだと言われています。

1223年、イエスが生まれたベツレヘムやパレスチナの聖地巡礼で、強く心を打たれたサンフランチェスコは、多くの人にイエスの誕生を伝道するため、ウンブリア州とラツィオ州の境にある小さなグレッチョ(Greccio)という街へと移りました。

その年のクリスマス、サンフランチェスコはグレッチョの洞窟にわらの入った飼い葉おけ、ロバと牛を連れてくると、イエスの誕生のシーンを再現しました。文字の読み書きができない人たちもその洞窟を見ることでイエスの誕生の様子をはっきりとイメージすることができたといいます。

サンフランチェスコのアイデアによってつくられたプレゼーペは市民にとっても分かりやすく、カトリック教会でも福音伝道の目的で大いに取り入れられました。グレッチョを中心として13世紀から17世紀にかけてイタリア全土へと広まっていきます。

アッシジ
アッシジにあるサンフランチェスコ大聖堂
フランチェスコ
生涯を伝道に捧げたサン・フランチェスコ

プレゼーペ・ナポレターノ

イタリア全土に広まったプレゼーペですが、その形はナポリでさらに発展を遂げます。17世紀頃になると、すでにイエスやマリア、ヨセフなどの人形も作られ、フィグリナーイオ(Figurinaio)と呼ばれる人形を専門につくる職人も増え始めました。

ナポリの職人たちはそれまではイエス、マリア、ヨセフとロバ、牛のみの誕生シーンだけであったプレゼーペに、日常生活の人物を取り入れるようになります。魚屋に八百屋や肉屋、イエスの誕生を賛美する人に、知らせを聞いて駆け付けている人。さらに人物だけでなく、坂道や木々などの自然の様子、周囲の家屋や宿屋の内部のつくりまで非常に凝ったものがつくられるようになりました。

18世紀、芸術を好むブルボン家カルロ3世統治の下、プレゼーペは教会だけでなく王宮や貴族の家でも楽しまれるようになり、精巧につくられた「プレゼーペ・ナポレターノ」は非常に価値が高く、自分の家に立派なプレゼーペを持つことがナポリの貴族たちの誇りでした。

一般市民の間で普及し始めたのは18世紀の終わりから19世紀にかけて。ナポリの歴史地区エリアにあるサン グレゴリオ アルメーノ通りには現在も多くのプレゼーペ職人たちの工房があり、世界中から一目見ようと観光客が訪れます。

プレゼーペ
精巧につくられた食べ物たち!本物みたいに美味しそう!
プレゼーペ
とてもリアルな台所。炎もライトの明かりで再現されています

ナポリの家庭でのプレゼーペ

12月8日、フェスタ・デッラ・インマコラータ(無原罪の御宿り)を迎えると一気にイタリアの街はクリスマスムードが高まり、この日を境に各家庭ではイルミネーションの飾りつけをしたり、クリスマスツリーをだしたり、ドルチェを焼き始めたりと、クリスマスへの準備が行われます。

プレゼーペも同じで、ナポリのクリスチャンの家庭には必ずといっていいほどプレゼーペが飾られます。小さなものや大きなものまで様々ですが、このプレゼーペを見ながらクリスマスの訪れを待ちわびるのです。

24日のクリスマスイブの時点では、イエスが誕生するはずの飼い葉おけは空にしておきます。25日になると同時に家族みんなで飼い葉おけにイエスの人形を置き、賛美をしてお祝いします。

プレゼーペ
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