
春が近づき、復活祭の頃になるとカンパニア州ではカルチョーフィの収穫祭が各地で行われます。
カンパニア州全土で栽培されるカルチョーフィですが、特にベネヴェントのピエトレルチーナや、パエストゥム、チレント地方のカルチョーフィなどは質の良いカルチョーフィがとれることで有名です。
今回はそんなカンパニア州の特産カルチョーフィのひとつ、アウレッタ周辺でつくられるカルチョーフォ・ビアンコ・デル・タナグロの収穫祭に行ってきました。
サレルノのチレント地方にあるアウレッタという小さな街付近でつくられるカルチョーフィは、カルチョーフォ・ビアンコ・デル・タナグロ(Carciofo bianco del Tanagro)、またはカルチョーフォ・ビアンコ・ディ・ペルトーザ(Carciofo bianco di Pertosa)と呼ばれ、間もなくカンパニア州指定の保護指定地域IGPにも登録されるようです。
ビアンコという名前にあるように、このカルチョーフィは白いカルチョーフィとして知られ、つぼみのガク部分も通常の紫色っぽい色もなくきれいな薄緑色をしています。
最大の特徴は食べやすさ。
やわらかい身質とクセやアクの少なさから、カルチョーフィがあまり好きではない人でもパクパク食べてしまえるほど。どんな料理にも合わせやすいカルチョーフィといえます。
2025年は4月の終わりと5月のはじめの週の週末に開催されたアウレッタのカルチョーフィ収穫祭。
アウレッタはサレルノから車で約45分ほどの小さな街ですが、この収穫祭の時期は各地方から多くの人が街を訪れます。
隣町のペルトーザとともにカルチョーフィが有名なこの街にとって収穫祭は街のメインイベント、街をあげて盛り上げようとしているのが伝わってきます。

ナポリから車を走らせ約1時間半、サレルノのチレント地方の山の中にあるアウレッタへと到着。
街が小さく駐車スペースがあまりないことから、街の中心地に入る一歩手前の野原が駐車場になっていて、そこに車を停めました。
野原からはシャトルバスがやんわり運行していて、バスにのって数分で中心地へと着くことができます。収穫祭となると小さな街に多くの人が押し寄せるので、こうした駐車場を準備してくれていると助かるんです。
さて、いよいよ収穫祭の入り口に到着!
収穫祭の入り口にはイベントのパンフレットやカルチョーフィが飾られていて、一気に気分も上がります。
飾られているカルチョーフォ・ビアンコが綺麗すぎてまるでつくりもの!

入口付近にあったジェラテリアで早速、カルチョーフィのドルチェがあるのを発見!
面白そうなので食べてみました。うーん、美味しいけどあまりカルチョーフィ感はありませんでした。笑

収穫祭の入り口から街の中心にかけてズラッと売店が並んでいます。
カルチョーフィ料理を楽しむのはもちろんですが、収穫祭のもうひとつの醍醐味がこうした小さな生産者が直売している売店です。
今回の収穫祭にはチレント地方のオリーブオイル農家の方や、サレルノの山周辺でつくられるヘーゼルナッツをつかったクリームやペースト(これがすごい美味しかった!)を販売している方、新鮮なカルチョーフィやオイル漬け、ペーストなどを販売するカルチョーフィの農家の方、チレント地方特有の丸い白インゲン豆を販売する農家の方など、面白い売店がたくさんでした。
値段はまあまあ高めなんですが、生産者の方と話しているとついつい買ってしまうんですよね...。


街の中心まで歩いていくと、収穫祭のメインであるカルチョーフィ料理の出店がズラリ!色々なお店が出店していて、各店で違う調理方法でつくられたカルチョーフィを楽しむことができます。
値段もお祭りなだけあってかなり割安。
炭火焼きのカルチョーフィロースト5ユーロ、カルチョーフィのカルパッチョ、パンチェッタのブルスケッタ、ペコリーノチーズ5ユーロ、詰め物をしたカルチョーフィのリピエノ5ユーロ、カルチョーフィのフリット4ユーロ、カルチョーフィのリゾット6ユーロなどなど。
メニューコンプレート(Menu Completo)19ユーロを頼むと、コース感覚でカルチョーフィの前菜盛り合わせ、パスタorリゾット、カルチョーフィのメイン1品、カルチョーフィとイチゴのタルトを食べれてとてもお得です。
せっかくなのでメニューコンプレートを頼み、他にもフリットやカルパッチョなども注文してみました。どれもシンプルですがカルチョーフィの美味しさをダイレクトに感じられて美味しいものばかり。
1杯1ユーロのお祭り価格のワインとも相性抜群です。






街の中心にある広場には地元の人や、観光客がベンチに座ってカルチョーフィ料理を食べながらおしゃべりしています。
昔ながらのレトロなおもちゃも展示されていて、おじいちゃんが孫と一緒に遊んだりしているのが印象的でした。こうした和やかな雰囲気があるのは田舎ならではな気がしますね。

全体的に小さな街の収穫祭といった感じで、規模は小さいながらもかわいらしい収穫祭でした。
アウレッタ近くのペルトーザでも同じ時期に収穫祭をやっているようなので、次回はそっちにも行ってみたいと思います。
アウレッタへはサレルノからバスが出ています。本数がかなり限られていて、一日に2~3本しか出ていないので気をつけましょう。もし収穫祭に訪れる場合は、アウレッタで一泊してしまうのがいいでしょう。
車で収穫祭に行く場合には、街の少し手前に大きな駐車場があり、そこから街の収穫祭入口までシャトルバスがでていました。シャトルバスにのって数分で街に着くことができます。
サレルノからアウレッタへ
バス会社: SITA SUD
チケット: タバッキにて購入(AC7)
料金: 片道5.3ユーロ
所要時間: 約1時間40分
運行間隔: 一日2~3本
※日曜・祝日は本数が減ったり時間が変更したりするので注意
SITA SUDの公式ホームページ