【ナポリソッテラネア】地下40mに広がるナポリのもう一つの顔 -Napoli Sotterranea-
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ナポリソッテラネア 地下都市

ナポリといえば、美しい海やピッツァなどが有名ですが、その他にも見どころはたくさんあります。その内の一つがナポリの地下空間を見学できるナポリソッテラネア(Napoli Sotterranea)です。

ナポリソッテラネアとは深さ約40mの地下にある一種の地下都市のような空間で、その起源は紀元前5世紀にも遡ります。時代によって様々な用途に使われてた、普段は目にすることのないもう一つのナポリ。

ナポリ歴史地区のトリブナーレ通りにあるサンガエターノ広場近くの入口から入場することができます。プレビシート広場近くにもブルボン家によってつかわれた地下空間・ガッレリアボルボニコがありますが、規模の大きさや古代ギリシャ・ローマ時代の劇場も見学できるので、初めての方には歴史地区のナポリソッテラネアがオススメです。

ソッテラネアの歴史

ギリシャ人による採掘

ナポリの地下が本格的に採掘されるようになったのは今から約2400年も前のこと。

当時ネアポリスとしてナポリの土地を開拓していたギリシャ人は壁や寺院の建設のために、もともと火山質だった土地から加工のしやすい凝灰岩のブロックを掘りおこし、地下へと進んでいきました。

古代ローマによる水道建設

古代ローマによる水道技術は素晴らしく、ナポリでも初代ローマ皇帝アウグストゥスによって水道設備が整えられました。ギリシャ人が掘り起こした地下のトンネルを利用しつつ、ナポリから約70kmも離れたアヴェッリーノ県のセリーノ(serino)から水を運んでいました。

第二次世界大戦中

世界第二次世界大戦中には市民の防空壕としても利用されました。ナポリはイタリアの中で最も被爆されたにも関わらずこの地下空間のおかげで死者の数は最小限に食い止められ、結果多くの命を救いました。

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ナポリソッテラネアの見どころ!

✔ 古代ローマの水道と防空壕

上記のソッテラニアの歴史でも書いたように、この見学ではローマ時代に造られた水道の様子や第二次世界大戦中に使われた防空壕跡を見学できます。

今から2000年も前に造られたとは思えない古代ローマの水道技術の高さや、実際に戦時中に防空壕として利用されていた地下の空間からは、暗闇と寒さの中、戦争に耐えていたナポリ市民の実情もかいまみれます。

実は近年までナポリではゴミ問題が深刻化していて、行き場のなくなったゴミが地下に投げ捨てられるということもありました。良くも悪くも、その時代ごとに色々な用途に変化していくのは、ナポリの人々特有の臨機応変さによるものがとても大きいと思います。

水道
ローマ時代につくられた水道
戦時下
爆弾によってこわれた子供のおもちゃ
戦車
当時の戦争を思い起こさせます

✔ ロウソク一本で洞窟を進む探検気分

途中から道はどんどん深く、細くなってきます。
照明のない道には一人ひとつロウソクが渡され、ロウソクの火をたよりに歩くことになります。

実際に電気の通っていなかった時代を体験できるとてもいい機会で、なんだかタイムスリップしているかのような感覚に!当時はこんな暗いく狭いところに大勢の市民が避難し、生活していたかと思うとあらためて戦時中の状況の過酷さが感じられます。

結構壁すれすれの狭い道を通ったり、暗いところを通るので、そういった場所が苦手な人にはあまりオススメできません。

ロウソク
ロウソクを片手に探検開始!
ロウソク
暗い洞窟ではロウソクの明かりが頼り
画像引用: ナポリソッテラネア公式ホームページ
ソッテラネア
狭い道もあればこんな広い空間もあります

✔ 古代ギリシャ・ローマ時代の劇場

ナポリの地下の見学が終わると、次は近くのチンクエ・サンティ通り(Vico Cinque Santi)にある民家に移動となります。

その民家にあるベッドをずらすと、なんとその下には地下へと続く階段が...!?
階段を降りていくと、そこには古代ギリシャ・ローマ時代に造られたとされると劇場が現れます!修復され、綺麗に当時の様子を再現した劇場は何とも迫力があります。大昔にこんな場所をつくるなんて、古代ギリシャ・ローマ人おそるべし。

有名なローマ皇帝ネロもここの劇場で演奏や独唱などを行っていたと言われています。(ただし、ネロのコンサートの評判は散々だったようです 笑)

地下室
ベッドの下に隠し階段登場!
地下室
降りていきます...
地下室
地下に広がるのは古代ローマ時代の劇場!
画像引用: ナポリソッテラネア公式ホームページ

見学時の服装には要注意!!

見学時間は約2時間ほどで、入場は時間制となっています。見学には必ずイタリア語か英語のガイドがつき、ナポリの地下を案内してくれます。残念ながら日本語でのガイドはありませんが、想像しながら見学するだけでも見応えはあると思います。

地下40mの空間は夏でも冷え込むので、なにか羽織れるものを持って行った方がいいでしょう。また、かなり狭い暗闇の道をロウソク一本をたよりに進んだり、足元が水で濡れていますので、動きやすい服装、スニーカーが必須です。

Napoli Sotterranea

住所: Piazza San Gaetano, 68, 80138 Napoli NA
最寄り駅: ダンテ駅(dante, linea1)から徒歩約7分
営業時間: 10:00~18:00(イタリア語ガイド1時間に1回、英語ガイド2時間に1回)
定休日: 祝日
料金: 10ユーロ
公式サイト: https://www.napolisotterranea.org/

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