英語では語尾に「s」をつけたりして複数形を表しますが、イタリア語では語尾の母音を変化させることで、複数形の形をとります。イタリア語の名詞は大きく分けて、
-a で終わるもの(rosa バラ)
-o で終わるもの(piatto 皿)
-e で終わるもの(fiore 花)
があることは前回の記事で書きました。今回はその名詞を複数形にするときにどんな形に変化するかをご紹介していきます。ルールを覚えてしまえばあとは慣れるだけでそれほど難しくありません。
実際にはこの後に出てくる不定冠詞・定冠詞とセットで変化することになりますが、イメージしやすいように複数形にした際のどんな形に名詞が変わるかをみていきましょう!
-a で終わる名詞の複数形
・-a で終わるほとんどの女性名詞の複数形は、-e で終わるように語尾の母音を変化させることで複数形となります。ただし、-a で終わる男性名詞の場合は -i で終わるように変化させることに注意が必要です。
例)
rosa→rose(バラ)
sedia→sedie(椅子)
porta→porte(ドア)
maglia→maglie(Tシャツ)
problema→problemi(問題)
stemma→stemmi(紋章)
・-ca または -ga で終わる女性名詞の場合は「h」を加えて語尾が -che, -gheと変化します。男性名詞で -ca, -gaで語尾が終わるものも同じように「h」を加えて -chi, -ghiと変化します。
例)
amica→amiche(女友達)
barca→barche(船)
acciuga→acciughe(アンチョビ)
monarca→monarchi(君主)
collega→colleghi(同僚)
・-cia または -gia で終わる女性名詞の場合は -cie, -gie で終わるものが多いですが、-ce, -geで終わるものもあります。
例)
camicia→camicie(シャツ)
buccia→buccie(皮)
farmacia→farmacie(薬局)
doccia→docce(シャワー)
spiaggia→spiagge(ビーチ)
-o で終わる名詞の複数形
・-o で終わるほとんどの名詞の複数形は、-i で終わるように語尾の母音を変化させることで複数形となります。これは -o で終わる女性名詞でも同じことです。
例)
libro→libri(本)
cesto→cesti(かご)
giardino→giardini(庭)
mano→mani(手)
・-co または -go で終わる男性名詞の場合は「h」を加えて語尾が -chi, -ghi と変化するものと、-ci, -giと変化するものがあります。
例)
succo→succhi(ジュース)
buco→buchi(穴)
cuoco→cuochi(コック)
amico→amici(友達)
comico→comici(コメディ)
medico→medici(医者)
・-cio または -gio で終わる男性名詞のように、-oの前がすでに「i」の場合は語尾が -iiとならずに、「o」を消すだけの形となります。
例)
secchio→secchi(バケツ)
ufficio→uffici(事務所)
formaggio→formaggi(チーズ)
-e で終わる名詞の複数形
-e で終わる名詞の複数形は、-i で終わるように語尾の母音を変化させることで複数形となります。これは男性名詞でも女性名詞でも同じことです。
例)
fiore→fiori(花)
canzone→canzoni(楽曲)
luce→luci(光)
automobile→automobili(車)
特殊な変化をする名詞
上で紹介した変化の他にも、中には不規則な特殊な変化をする名詞があります。
・単数形は男性名詞の語尾「-o」のかたちをとり、複数形のなるときに女性名詞の語尾「-a」というかたちをとる名詞。体の一部分の名称などが多くあります。
例)
uovo→uova(卵)
lenzuolo→lenzuola(シーツ)
corno→corna(角)
braccio→braccia(腕)
ginocchio→ginocchia(ひざ)
・単数形と複数形で全く別の形をとる名詞も存在します。
例)
uomo→uomini(男)
dio→dei(神)
tempio→templi(寺院)
bue→buoi(牛)
・複数形であっても形が変わらずに、その前にくる不定冠詞、定冠詞の変化によって複数形のかたちをとるものがあります。外来語も基本的にこれにあたります。
例)
la specie→le specie(種類)
il re→ i re(王)
il sushi→ i sushi(寿司)
il film→ i film(映画)
・最後にアクセントがくる名詞は複数系も同じかたちをとります。
例)
città(町)
caffè(カフェ)
virtù(美徳)
università(大学)
・複数形の形がそもそもない名詞
例)
acqua(水)
latte(牛乳)
aria(空気)
おわりに
名詞の複数形は実際のシーンでは不定冠詞や、定冠詞とセットで使います。イタリア語の文章をみていくにつれてだんだんと頭に入ってくるので、すぐに全部覚えなくても大丈夫です!一度にたくさん覚えるよりもコツコツ・継続することが大事だと思います。
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