ナポリ人はイタリア語を話さない?「ナポリ語」の特徴を解説
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ナポリ語について

日本も各地に方言があるようにイタリアにも各州ごとに色々な方言が存在しています。ナポリの方言はシチリアやプーリアなどと並んでとても強いことで知られていて、ユネスコから「ナポリ語」というひとつの言語として認められているほど。

標準イタリア語が教育されてきたため、イタリア語を話せばもちろん通じますし、イタリア語で返してくれます。ただし、ナポリの人たちの間でナポリ語はそのまま生活の一部として残り、ナポリ語にかなりの愛着と誇りを持っています。

もともとギリシャの植民地だったナポリは古代イタリアで使われたオスク語やギリシャ語、ラテン語、スペイン語など様々な人種や民族の下、独自の言語として発達していきました。

もはやイタリア語とは違うもう一つの言語の域で、特にナポリ語を筆記することはとても難しく、ナポリ人の間でも統一されていません。

ここではいくつかのナポリ語の特徴をご紹介します。

ナポリ語の特徴① "p"は"ch"に変わる

全てではないですが、ナポリ語では"p"は"ch"に変わることがあります。

代表的な例は以下の通りです。

イタリア語読み方ナポリ方言読み方意味
pianoピアーノchianキアーヌゆっくり
pioveピオーヴェchiovキオーヴ雨が降る
piùピュchiùキュもっと
pienoピエーノchienキエーヌ満タンな

ナポリ語の特徴② "g"は"j"に変わる

"g"は表記上では"j"に変わることがあります。

"j"は実際には発音しない文字ですが、ニュアンス的には"y"に近いと思います。

イタリア語読み方ナポリ語読み方意味
giornoジョルノjuornヨォルヌ日にち
generoジェネロjennrイエンネル婿
getta!ジェッタ!jettヤェットゥ捨てて!
gattoガットjattヤットゥ

ナポリ語の特徴③ "d"は"r"に変わる

"d"の発音が"r"に代わることもよくあり、代表的なのが"見る"という意味のvedereです。

また会おうねという意味の"Ci vediamo"も"Ci verimm"となります。

イタリア語読み方ナポリ語読み方意味
vedereヴェデーレvere'ヴェレ見る
cadereカデーレcare'カレ落ちる
dopoドーポroppロップ後で

ナポリ語の特徴④ "i"と"e"はそれだけで一つの動詞

"i"は"andare(行く)"の動詞の原形です。
"e"は"dovere(しなければならない)"の二人称(devi)です。

例)
・そろそろ行きませんか?
ーCe ne vogliamo andare?(イタリア語)
 Ce ne vulimm i'?"(ナポリ語)

・やめさない!
ーLa devi finire!(イタリア語)
 L'e frnì!(ナポリ語)

ナポリ語の特徴⑤ ナポリ語の定冠詞

イタリア語の定冠詞「la」は「a'」に、「il」は「o'」に変わります。

例)
la pizza→ a' pizz(ピッツァ)
il sole→ o' sol(太陽)

絶対的な規則はない

ナポリ語には紹介したように、共通する規則らしいものもありますが全てにおいて当てはまるわけではなく、むしろ共通している規則はかなり少ないです。

ナポリ語をわかるようになるには、ナポリで暮らしながらだんだんと耳を慣らしていく他ありません。かくいう私も簡単なナポリ語の会話こそ聞き取れるものの、ナポリ人同士の方言の強い会話は半分も理解できません。

ナポリ人はジェスチャーの天才

そんなややこしいナポリ方言を分からずとも意思疎通ができるナポリ人の最大のコミュニケーションツール、それがジェスチャーです。

イタリア人は欧米の中でも際立ってジェスチャーの多い国です。サッカーの試合などでレフェリーに抗議している様子などでも見たことがあると思います。

そんなイタリアの中でも特にナポリはジェスチャーがすごい!!冗談抜きでしゃべらないで会話できるレベルです。言葉が分からない場合はジェスチャーも活用して話をしてみましょう!

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