これだけは知っておきたい!イタリアンのコースの構成と順番

イタリア料理のお店に行ったけど、料理を頼む順番に迷ったことはありますか?

メニューには前菜やパスタ、メイン料理などがあるけれど、実際どの順番で頼んだらいいのか分からなくなることもありますよね。今回はそんなイタリアンのコース構成や順番について解説していきます。

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イタリアンのコースの順番

イタリア料理は一度にすべての料理がテーブルに並ぶのではなく、順を追って料理が運ばれてきます。

格式の高いリストランテに行けばそれはより顕著となりますが、一般的なトラットリアや家庭での食事に関しても、この料理の順番はまさにイタリア料理の基本となっています。

そんなイタリア料理の構成と順番についてみていきましょう。

1
アペリティーヴォ 食前酒 Aperitivo

食事が大好きなイタリア人らしい習慣で、イタリア料理には夕食前にドリンクとおつまみを食べるアペリティーヴォという習慣があります。

夕食前の17時~19時頃にかけて、バールにはアッフェッタートミスト(ハムの盛り合わせ)やオリーブ、チーズやピッツェッタ(小さいサイズのピッツァ)などが用意され、基本的にワンドリンク頼めばこれらのおつまみはサービスとして食べれます。ただ、あくまでドリンクの"あて"ですので、ここでお腹いっぱいになって夕食が食べられなくなっては本末転倒です。

アペリティーヴォではスプマンテやカンパリ、アペロールなどのドリンクが定番で、胃を刺激して食欲をかきたてる効果があります。

アペリティーヴォ
これはちょっとハム盛りすぎだな...。

2
アンティパスト 前菜 Antipasto

イタリア料理はまずアンティパストからはじまり、それぞれの地域や季節、お店ごとにバリエーションに富んだものとなっています。

"アンティ"とはラテン語で"前"を意味し、"パスト"は"食事"を意味します。食事の前の一皿という言葉の意味からもわかるように、基本的にはこの後のプリモやセコンドの前に食べる前菜という位置づけで、量もそこまで多くないです。

一部のイタリア人は前菜からセコンドまで魚介なら魚介、肉なら肉と統一することにこだわりを持った人もいて、例えばイワシのマリネを前菜で食べたら、その後のパスタでパンチェッタとチーズたっぷりのカルボナーラはあまり良い組み合わせではないかもしれません。

代表的なアンティパストには生ハムメロンやブルスケッタ、タコのサラダ、ムール貝の白ワイン蒸し、野菜のフリットミストなどがあります。

アンティパスト
アンティパストは軽めのサラダなどがぴったり

3
プリモピアット Primo piatto

"第一の皿"という意味のプリモピアット。

パスタやリゾット、スープもこのプリモピアットにあたります。フランス料理などとも違うイタリア料理の最大の特徴がこのプリモピアットで、300種類以上とも言われるパスタはイタリア料理の代名詞ともいえる存在です。

伝統的には北イタリアではチーズやバター、生クリームを使ったリッチなもの、南イタリアではオリーブ油、にんにく、トマトなどを使ったシンプルなものが特徴とされています。現在でも地域色は色濃く残っており、それがイタリア料理の魅力でもあります。

注意!

魚介系のパスタにパルミジャーノなどのチーズ系はNGです!
南イタリアではカルボナーラに生クリームを入れることもナンセンスです!

プリモピアット
イタリアといえば絶品のパスタ!

4
セコンドピアット Secondo piatto

"第二の皿"という意味のセコンドピアット。

いわゆるメインディッシュにあたります。セコンドも他の料理と同じく地域色が色濃くでます。高級なリストランテに行けば話は別ですが、イタリア料理一般としてセコンドピアットはシンプルなものが多いです。

例えば牛肉のグリル(Tagliata di Manzo)やエビの炭火焼(Gamberi alla Brace)、魚介のフリットミスト(Frittura di Mare)など、その素材の美味しさ引き出せるようなシンプルな調理法で楽しみます。伝統的には味付けもソースなどではなく、シンプルに塩、レモン、コショウ、ハーブといった最小限のものが使われます。

セコンドピアット
イタリアのメイン料理はシンプルで豪快!

~コントルノ 付け合わせ Contorno~

セコンドピアットのメイン料理の付け合わせコントルノといいます。

コントルノは主に野菜で、サラダ(Insalata)、ズッキーニのグリル(Zucchine alla Griglia)、ポテトフライ(Patate Fritto)、キノコのソテー(Funghi Saltato)などがあります。

イタリアでは別でコントルノを頼むのが基本ですが、セコンドピアットにふくまれているケースもあります。

5
ドルチェ Dolce

日本でも馴染みのある単語 ドルチェ

ティラミスやパンナコッタなど日本でも人気のあるイタリアのドルチェですが、フランス菓子に比べて素朴なお菓子が多いです。また実際には、ドルチェは特別な祭日や記念日に食べられることが多く、普段の食後はフルーツが主流です。

ドルチェ
ドルチェは別腹なんです。

6
コーヒー 食後酒 Caffé Digestivo

甘いドルチェを堪能したあとは、コーヒーが欠かせません。イタリアのコーヒーといえば圧力をかけて抽出された濃いエスプレッソですが、本場のイタリアではドルチェと同じタイミングではなく、ドルチェを食べ終わったあとに飲まれます。

これはイタリアで飲まれるエスプレッソが、日本で飲まれているドリップコーヒーのようにドルチェとの甘さをコーヒーの苦みで調和させるものではなく、最後の締めとしてのものだからです。

ちなみにエスプレッソに泡立ったミルクを注いだカプチーノはとても美味しいのですが、食後のコーヒーとしては向いてません...。イタリア人からすると、カプチーノは朝食に飲むものなので、お腹いっぱいの状態で飲むものではないとのことです。

カフェの他にもブドウの搾りかすからつくられたグラッパ(Grappa)や南イタリアの特産リモンチェッロ(Limoncello)、薬草のリキュール・サンブーカ(Sanbuca)などのディジェスティーヴォ(Digestivo)と呼ばれる食後酒も食事の締めとして飲まれます。

ディジェスティーヴォはアルコール度数の高いお酒が多く、食べ過ぎたお腹の消化を助けるといわれています。

エスプレッソ
食後は黙ってエスプレッソ!

レストランでの頼み方

イタリア料理の構成と順番は分かりましたが、次はレストランでの頼み方について。

実際にレストランで注文する際の疑問やおすすめについて紹介していきます。

順番通りに頼まないとだめ?

イタリア料理は基本的にこういった構成になっていますが、あくまでイタリア料理のスタイルですので、この順番通りに全て食べなければいけないわけではもちろんありません

イタリア料理では基本的にはプリモピアットやセコンドピアットは一人一皿注文するものですが、アラカルトメニューの場合はひとつの料理のボリュームもしっかりあるので、二人でシェアしながら食べるくらいがちょうどいいと思います。

二人の場合で例えると、前菜一皿をシェア、パスタをそれぞれ注文して、メイン一皿もシェアすれば、色んな種類も食べられるのでオススメです。

コースメニューがある場合

レストランによってはコースメニューが用意されているところもあります。もし、コースメニューがある場合はコースを選べば安心です。

前菜からドルチェまで全て楽しめますし、量もコース用に調節されて提供されますので、お腹いっぱいで食べられなくなる心配もありません。苦手なもの、アレルギーがある場合は注文の際に伝えておきましょう。

イタリア語ではコース料理のことをイル メヌー(il menù)、デグスタツィオーネ(degustazione)などと呼びます。また、テッラ(terra)は肉料理メイン、マーレ(mare)は魚介料理メインですので、例えば デグスタツィオーネ ディ マーレ(degustazione di mare)で、魚介料理メインのコースとなります。

コース
ちょうどいい量で色々な料理を楽しめるコースは最高!

ピッツェリアでの頼み方

ピッツェリアではピッツァだけ、もしくはコロッケやアランチーニ(お米のフリット)などの揚げ物を前菜として食べてからピッツァを食べるのが主流です。

ピッツァはこのイタリア料理のメニュー構成の中で番外編のようなもので、プリモでもなければ、セコンドでもありません。ピッツァはピッツァで完結するものなのです。

ピッツァもやはりシェアするものではないので、一人一枚頼むのが基本です。郷に入っては郷に従え" その土地にはその土地の食文化があります。それも含めてイタリア料理を楽しめるといいですね。

そしてなによりイタリア人は食事を"楽しむ"のが大好き。それは美味しい料理を食べたり、上等なワインを飲むことだけではなく、その場にいる人たちとおしゃべりをしながらゆっくりとその時間を"楽しむ"のです。

だからといって、決してでてきたパスタをゆっくり食べるという意味ではなくて(むしろ食べるペースははやい)、一皿と一皿の間の間隔が長く、余韻に浸る感覚です。

ピッツァ
一人一枚!誰にも渡さないー!
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