【コラトゥーラ】南イタリアの小さな漁師町チェターラでつくられる魚醤とは -Colatura di Alici-

アマルフィ海岸にある小さな港町、チェターラ。この小さな町でつくられるコラトゥーラと呼ばれる魚醤は、南イタリア屈指の特産品として知られ、イタリアのみならず世界的にも注目されています。

古くから伝わる伝統的な手法でつくられるチェターラのコラトゥーラについて紹介します。

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コラトゥーラの歴史

コラトゥーラのような魚醤の起源は古代ローマ時代にまで遡ります。古代ローマでは色々な種類の魚の内臓を塩漬けにし、発酵させてつくられていた"ガルム"という調味料がよく使われており、魚料理はもちろん野菜や仔牛などの料理全般の味付けとして好まれていました。

ガルムは魚の種類や品質によって等級が決められ、高品質のガルムはかなり高価なものとして扱われていたといいます。しかしローマが滅ぶと、次第とガルムもその姿を消していきました。

チェターラでコラトゥーラが生まれたのはおよそ13世紀頃、偶然的なものといわれています。チェターラの漁師たちは春から夏に獲れるアリーチと呼ばれるカタクチイワシを冬場まで保存する目的で、獲れたアリーチの一部を頭、内臓をとって樽に塩漬けして保存していました。ですがその樽がひとつ隅に忘れられていて、1年以上の間放置されてしまいました。樽をのぞくと上澄みに液体が溜まっていて、おそるおそる味見をしてみるとアリーチのコクと塩気が凝縮されていてとても驚いたといいます。

こうしてチェターラではコラトゥーラの生産が始まりました。

コラトゥーラができるまで

チェターラのコラトゥーラはDOP(原産地呼称保護)にも指定されているカンパニア州の特産品です。現在でも昔ながらの伝統的な手作業でつくられています。

夜中に水揚げされたアリーチは早朝、港へと到着します。港に運ばれたアリーチはまず頭と内臓を手で丁寧に取り除かれ、大きな容器の中に塩とともに入れられ24時間そこで魚の脱水と第一段階の塩漬けが行われます。

第一段階をおえたアリーチは、"普通の樽の1/3"を意味するテルツィンニョ(Terzigno)とよばれる栗の木でできた小樽の中に、アリーチ、塩と交互にきれいに敷き詰められていきます。樽いっぱいまで敷き詰められたら、蓋をし、石などの重しを置き数か月、長いもので1年以上の間熟成させます。

熟成を終えたアリーチの入った樽の蓋の上にはコラトゥーラが浮かびあがってきていて、それがサインとなります。テルツィンニョの底にヴリアーレ(vriale)と呼ばれるネジのようなもので小さな穴を開け、上に溜まっていたコラトゥーラが熟成したアリーチの層を通り、ポタポタと抽出されていきます。ゆっくりと抽出されたコラトゥーラは澄んだ赤褐色をしています。

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コラトゥーラの使い方

長い年月を経てつくられるコラトゥーラですが、どのように料理につかうのでしょう。コラトゥーラは隠し味として使われることで料理に深みをだすため、魚介のサラダやマリネなどに塩の代わり使ったりすることがよくあります。

ですが、チェターラの人たちはコラトゥーラをメインにしたスパゲッティが大好物。すごくシンプルですが、コラトゥーラの旨味をダイレクトに楽しむにはやっぱりスパゲッティにして食べるのが一番みたいですね。ちなみに地元の人のこだわりはコラトゥーラに熱を加えないこと。熱を加えてしまうとせっかくのコラトゥーラの風味や旨味が飛んでしまうのだとか。

チェターラの地元民の大好物のスパゲッティのレシピはコチラ↓

コラトゥーラのスパゲッティレシピ(1人分)

・スパゲッティ 80g

・オリーブオイル 大さじ2
・コラトゥーラ 小さじ1
・ゆで汁(塩分少なめ) 大さじ1
・にんにく ひとかけ
・イタリアンパセリ 適量

ボウルに全ての材料を合わせておき、ゆであがったパスタを加えてあえるだけ!熱が加わってないのでコラトゥーラの風味とオリーブオイルの香りがたまりません!簡単なのでぜひチャレンジを!

今では日本のアマゾンや楽天からも入手できるので、ぜひ試してみてください!

きっといつものスパゲッティが一段階レベルアップするはず!?

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