ナポレターノが愛する料理というと、魚介をふんだんに使ったパスタやナポリピッツァなどがすぐに思い浮かびますが、実は彼ら大の野菜好きなんです。中でもいわゆる菜っ葉、青野菜は好まれ、ピッツァの具材としても使われます。
そんなナポリの菜っ葉を代表するのが「フリアリエッリ(Friarielli)」。今回はそんなフリアリエッリについてご紹介したいと思います。
フリアリエッリってどんな野菜?
フリアリエッリとは主にナポリをはじめとする南イタリアを中心に栽培される菜の花の一種です。南イタリアでは地域ごとにそれぞれ呼び方があり、プーリアではチーマ・ディ・ラーパ(Cima di Rapa)、ローマではブロッコレッティ(Broccoletti)と呼ばれることが多いようです。
これらの野菜は植物学上は全て同じものですが、地域によって微妙に特徴に違いがあり、味も異なります。ナポリのフリアリエッリはプーリアのチーマ・ディ・ラーパに比べると茎部分が細くてやわらかい印象で、味も苦さと強さをより感じやすい気がします。
種まきの時期は夏から夏の終わりにかけて行われ、気温が低くなってきた冬に収穫されます。収穫のタイミングはちょうど花が出てきたタイミングで、花が黄色に咲き始める前の、まだ色が緑色の状態で収穫するのが最適のタイミングです。
フリアリエッリは冬に収穫されるにもかかわらず、寒さには弱いことから、北イタリアではあまり積極的に栽培されていないようです。
フリアリエッリのそうじの仕方
フリアリエッリは基本的に葉と緑の花の部分を使うため、茎からそれぞれをちぎり離します。
たくさんの量にみえても、そうじ後はグッと量が減り、加熱するとさらにググッと量が減ります。日本ではなかなか生のフリアリエッリは手に入りにくいかと思いますが(今ではフリアリエッリを栽培している日本の農家さんもいらっしゃいます)、ナポリに旅行へ来て料理をする際などの参考になればと思います。
①根に近い部分は茎が太いので、葉のみをしごいていきます。根に近い部分から上に向かってしごくと、スッと自然に葉のみがとれます。
②緑の花がある葉先の部分は、茎も細くてやわらかいので、プツッと茎ごと折ります。
※黄色の花が咲いてしまってしまっている場合は花を取り除きます。
③手前がそうじをした後に残ったフリアリエッリの茎。もったいなく感じる場合は、ブロードの出汁として使ったり、やわらかくゆでてスープやソースとしても使えます。
④たっぷりの水を大きな容器に入れ、その中でよく洗います。ザルにあけて水気をきったら調理準備完了。
ナポリで絶対食べたいフリアリエッリ
ナポリに行ったらぜひ食べていただきたいフリアリエッリ。
最もメジャーな食べ方がイタリアのソーセージ、サルシッチャの付け合わせとして食べるパターンです。豚肉の旨味がダイレクトに感じれるサルシッチャと、その旨味を吸収したほろ苦いフリアリエッリの相性は抜群!
セコンドピアットと呼ばれるメイン料理の位置づけですが、ピッツェリアに行けばほとんどのお店で「Pizza Salsciccia e Friarielli」というサルシッチャとフリアリエッリを使ったピッツァがあるので、そちらもオススメです!
日本でフリアリエッリを味わうには瓶詰めになっている調理済みのフリアリエッリがとても便利。サルシッチャをはじめ、肉料理の付け合わせとしても使えますし、これを使ってピッツァなんかも最高です。
サルシッチャとフリアリエッリを使った家庭でも作れるピッツァはまた近いうちに紹介できたらと思います。