イタリアでチップは渡すべき?現地でのリアルなチップ事情を徹底検証!

海外旅行に行くとなると、気になるのがチップへの考え方。

普段、日本にいてほとんど意識することがないチップですが、イタリアではどうのような認識なのでしょうか。現地で慌ててチップをあげすぎたり、逆にスマートにあげられなかったり、なんてことがないように現地のチップ事情をみていきましょう!

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イタリアでのチップの必要性

イタリアではチップのことをマンチャ(Mancia)とよびます。

基本的にはイタリアにはアメリカほどのチップの文化はありません。レストランのレシートにはサービス料(Servizio)や席料(Coperto)が含まれているので、あえてチップを払う必要はありません

それでも、いくつかのシーンではチップをあげるのが習慣化していたり、スマートな対応だったりすることもあります。サービススタッフもチップをもらうのが一種のモチベーションとなっている部分があります。

どんな時にチップを渡す?

実際にイタリアでチップを渡すシーンとはどんな時でしょう。

イタリアでは感謝の気持ちを表したり、良いサービスを受けて満足した気持ちを表すためにチップを渡すことが多いです。感謝の気持ちをチップという形にして表せるので、最初は慣れないかもしれませんが、実は意外と便利だなと思うことも多いです。

いくつか例を見てみましょう。

  • 知人が働いているレストランに行って良いサービスをしてもらった
  • 通常はボトルでしか頼めないワインをグラスでいれてもらった
  • ピッツェリアに電話で注文して家まで宅配してもらった
  • 美容院でいつも思った通りの髪型にしてくれる

このように通常のサービス以上のもの、期待以上のものをしてもらった場合はチップをあげるケースが多く感じます。個人によって様々なのでもちろん絶対あげなければいけないものではありません。

僕の友人でもレストランでいつも3~5ユーロの小銭のお釣りは置いていく人もいれば、全く置いていかない人もいます。あくまで感謝の気持ちです。

チップというか賄賂?

黒いお金

イタリアという国はかなりのコネ社会で、医者に診てもらうにも、知り合いを通すだけで1カ月待ちだったのが明日には診察してもらえたり、なかなか手続きが上手くいかない場合でも知り合いの弁護士に頼んだら数分で完成したりするなんて日常茶飯事なんです。

そんなイタリアでは表向きにはチップが存在してなくても、裏向きの、一種の賄賂的な使い方をすることが現実的にはよくあるんです。

観光している分にはそんなチップの使い方をすることはないと思いますが、なにか問題が起きた時にはチップを渡して解決できることもあるということは頭に入れておいてもいいかも。

シーン別にみるイタリアのチップ事情

イタリアではチップは払わなくてもいいということですが、状況によって変わってくることもしばしばありますよね。

ここでは旅行中に出くわすシーンごとにチップ事情を見ていきましょう。

ホテルでのチップ

イタリアでの滞在でB&Bやホテルに泊まる際にチップは払うものなのでしょうか。イタリアでは基本的にチップは残さなくて大丈夫です。よくベッドの近くに枕銭として残すものと思いがちですが、そういった習慣はなく、むしろ残しておいても清掃員の方たちは持っていきません。

ホテルのオーナーからも客室に置いてあるものは持っていかないことが徹底されているので、もし清掃員の方にチップを残しておきたい場合は、紙などに一言書いてあげるといいでしょう。

あとは大きな荷物を部屋まで持っていってもらった時やタクシーを呼んでもらっと時などに気持ちとしてチップを渡す人もいるようですが、特に必要はないと思います。

ホテル
ホテルの清掃のためには特にチップ必要なし

タクシーでのチップ

タクシー運転手へのチップも渡した方がいいのか悩むと思います。この場合も特に必要はなく、ちょうどのお金を渡しても全く問題ありません。

チップをわざわざ渡すというよりは端数をチップとして渡すことはあります(それを狙ってかお釣りを持っていないパターンもよくあります)。イタリアの道路は渋滞が多くてイライラするし、近年はガソリンも高騰していて大変だろうなと思うと、コーヒー代くらいは残してあげてもいいでしょうか。

タクシー
評判の良くないイタリアのタクシー、誠意のあるドライバーにはぜひチップを

レストランでのチップ

レストランには席に座るお店の場合はコペルト(Coperto)と呼ばれる席料が自動的に加算されます。このコペルとはお店によって違っていて、一人当たり1~3ユーロが相場だと思います。コペルとにはフォークやナイフなどのシルバーや、ナプキン、コップなどが含まれると思ってください。

イタリアのレストランで食事する場合、このコペルトで十分なので、余計にチップを払う必要はありません。ただし他のシーンと同様に、料理を取り分けてもらったり、ちょっと特別なメニューを作ってくれたり、好みのワインを選んでくれたりなどして、サービスに満足したらチップを渡してあげるとレストランのスタッフも喜びます。

チップの渡し方は、テーブルの上に置いておいてもいいですし、直接レジでお会計した際に、「あなたたちへです(E' per voi)」と言って渡してあげましょう。チップの相場は1~10ユーロといったところです。

レストランスタッフ
頑張っているスタッフにはチップあげたくなるんです

バールでのチップ

習慣的にチップを払う場面の代表的なものが、カフェを飲むバールです。バール、カフェテリアでの支払いには暗黙のルール的なものがあります。

例えばナポリにおけるカフェの値段は一杯0.9ユーロというところがほとんど。イタリアの他の地域に比べても安く、それでいてイタリアで一番カフェが美味しいと言われていることでも知られています。

そんなナポリでカフェを飲み、1ユーロを支払うと当然おつりで0.10ユーロ(10セント)をもらうわけですが、ほとんどの人がこの10セントをバリスタへのチップとしてカフェを飲むバンコ、カウンターの上に置いていきます。

置いていかなかったからといって何か問題あるわけではありませんが、バリスタのお給料もこのチップを計算して低く設定してあるケースが多いので、チップとしてあげるのがスマートです。

バリスタ
バリスタへのチップは10~20セントが相場
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悪質なレストランに要注意!

バールマン

最近イタリアの、特にヴェネツィアやローマのレストランで日本人観光客に対するボッタくりが多発しており、イタリアでもニュースになっていました。

ボッタくりがあったレストランの特徴としては魚料理がメインのところが多く、メニューに魚の料金がキログラム(kg)またはグラム(g)単位で小さく記されている時は要注意です。もちろん新鮮な魚介を扱う高級レストランでは時価を設定しているお店もありますが、ヴェネツィアなどの観光客向けのレストランでそういった記載がある場合は、その料理は頼まない方が無難です。

また、メニューを持ってこないで口頭で説明されるという手段もよくあります。イタリアの小さな地元客で賑わうようなトラットリアだと、メニューがなくてしかも美味しく、料金も安いこともよくあるんですが、観光地のレストランでメニューを持ってこないのは怪しいです。「俺が美味しいもの持ってくるからまかせとけ!」なんて言われても信じない方がいいです。

レシートに堂々と「Mancia(チップ) 50€」なんて書いてあったりするケースもあるみたいで、その場合には払う必要はありません。もし払ってしまったとしてもそのレシートを持って警察に行きましょう。

実際に現地で働いてみてわかったチップの価値観

僕はナポリのピッツェリアやトラットリア数店舗で働きました。

当時、毎週末スタッフで分けられるチップに経済的に助けられたのも事実です。というのも、イタリア、特にナポリではレストランで働くホールスタッフ、コックともに給料が低く、お客さんからもらったチップが結構重要な生活の足しになっていました。

スタッフ全員で分けて週に一人当たり20ユーロほどでしたが、1か月にしたら100ユーロ近くになり、イタリア生活において100ユーロはとても貴重な収入です。スタッフ達もいつもチップを置いて行ってくれる人には自然とよりよいサービスをしようと心がけますし、メニューにない料理なんかも作ったりします。

なんとも薄情な感じもしますが、お客さんとしては公にサービスに対してのお礼を表せますし、スタッフとしてもサービスに対しての頑張りがチップという形として評価されるので、個人的にはいいシステムだなと思います。

(日本はチップというシステムが無くても、高いサービスが当たり前のように受けられるので、それは本当に尊重されるべきことだと思います。)

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