南のバローロ・タウラージのワイン祭へ行ってきました!

カンパニア州には、他のイタリアの州同様多くの土着品種のワインがあり、イタリア人にとってワインはきってもきれない食文化のひとつとなっています。
そんなカンパニア州のワインの代表格ともいえるのが、タウラージ(Taurasi)。
今回、夏場にタウラージの村で毎年行われるタウラージ・ワイン祭に行ってきました。
タウラージのワインについて
カンパニア州には下記の4つのDOCG(統制保証原産地呼称ワイン)に認定されたワインがあります。
- タウラージ(Taurasi)
- グレコ・ディ・トゥーフォ(Greco di Tufo)
- フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ(Fiano di Avellino)
- アリアニコ・デル・タブルノ(Aglianico del Taburno)
タウラージはアヴェッリーノ県イルピニアで生産されるワインで、しばしば「南イタリアのバローロ」と呼ばれるほど、イタリア全土でみても重要なワインです。最低3年、内1年はオーク樽で熟成させることが定められていて、リセルヴァ(Riserva)になると最低4年、内1年半の樽熟成が必要となります。
しっかりとした重厚なボディのワインで、アリアニコの特徴であるチェリーやプルーンのような果実感をもちながら、胡椒やタバコのようなスパイシーなニュアンスもあります。

タウラージのワイン祭
毎年8月にタウラージ(Taurasi)で開催されるワイン祭へと行ってきました。普段は静かなこの村も、このワイン祭が開催される数日間は、多くのワイン好きで街がいっぱいになるほどです。
タウラージはアヴェッリーノ県にある村で、当然ワイン祭で遅くまで飲むとなるとナポリまで帰るわけにはいかず、近くのパテルノーポリ(Paternopoli)という街に宿をとりました。本当はタウラージに泊まれれば一番よかったのですが、そもそも数が少ないのと、この数日間はどこもいっぱいになります。実際、宿泊施設を探し始めた頃にはどこもいっぱいで予約とれませんでした。
タウラージには夕方の18時過ぎに到着。

ただ誰もいない...笑。
本当にワイン祭があるのか心配になりながらも、広場に並べられたベンチを見て、一応安心。ワインのイベントということもあり、始まりは結構遅めのようです。
今のうちにステンドにあるメニューをチェック。
アリアニコやフィアーノなどのカンパニア州のワインはグラス5ユーロ、タウラージDOCGは7ユーロで、ワイングラスがない場合はプラスチックのコップに入れて提供されます。別で首にぶら下げられるエノバッグというグラス入れとワイングラス(5ユーロ)を購入すれば、グラスに注いでくれるシステムです。

まだワイン祭まで時間があるようなので、タウラージの街をぶらぶら。
街自体は本当に小さくてロザリオ教会(Chiesa del Rosario)、市役所(Municipio)に面したコンヴェント通り(Via del Convento)付近がメイン会場となっていて、奥の階段を上がったところにはロンゴバルド人が建設し、ノルマン人によって改築されたタウラージの城(Castello Marchionale)があります。
このタウラージの城内も見学ができ、ちょうど時間もあったので、中に入って見学してみました。
時代ごとに貴族のプライベートの所有地としてつかわれましたが、今はタウラージ市所有で、州の運営するエノテカ(Enoteca Regionale)がはいっています。

週末などにワインに関するイベントも開催しているっぽいです。
見学の最後にお城の屋上部分へ行くことができ、ここからのタウラージの眺めがとてもきれい!!
山の自然に囲まれたオレンジ色の屋根のタウラージの街並みはのどかなイタリアの田舎街といった感じでとてもいい雰囲気。こんなところにのほほんと暮らしたいですね...。

この城の先にある細道を進むと、これまた絶景なパノラマスポットがあります。
ちょうど日が沈むところで、とても良い景色。8月の半ばでさえ、夜が近づくにつれ涼しくなっていきます。この気温がタウラージのワイン造りにおいて大きなポイントになるそうです。

さて、日もおちて、ぞくぞくと人が街に出てきて、お祭りムードになってきました。お腹もすいてきたので何か食べようと歩いていると、豚さん一頭丸焼きを発見!
すごい迫力、、これは食べるしかないということで早速豚丸焼きを頼みました。開いたばかりで人も少なくラッキー。炭火の遠火でじっくり焼かれた豚肉はめちゃくちゃうまい!付け合わせのじゃがいもすごい美味しかったです。これぞイタリアのお祭りですね。



さらに城に戻ったところに、お祭り定番のカチョカヴァロの吊るし焼き(Caciocavallo Impiccato)も発見し、こちらもゲット。カリッと焼いたパンの上に香ばしくトロリと焼いたチーズがうますぎる。赤ワインとの相性ももちろん抜群で、ワインがすすみます。
このカチョカヴァロは日本のお祭りの屋台でいうとたこ焼きや焼きそばのような位置づけで、お祭りにはかかせない一品です。

その後メインの広場に戻るとすごい数の人でいっぱいになっていました。
広場にはワインに合う色々な料理のステンドが並び、特設ステージではバンドの生演奏も行われ、かなりの盛り上がり。ワインはタウラージの数ある生産者のボトル売りもされていて、むしろ友達同士でボトルで買って飲んでいる人たちの方が多かった印象です。
その後もお祭りは夜遅くまで続き、最高の夏の1日になりました。


行き方
タウラージへのアクセスはなかなかハードで、アヴェッリーノから出ているAirCampania社運営のバスに乗っていくのが唯一の手段かと思います。アヴェッリーノまではFlixバスなどの直通バスがナポリ中央駅近くから出ています。
アヴェッリーノ~タウラージ間を走っているのはAirCampania社のバスの26番で、一日に数本しか走っていないので注意が必要です。
一番いいのはレンタカーで自分で行ってしまう方法です。筆者自身、車で訪れたのですが、車ならナポリから50分ほどで着きますし、時間にしばられることなくタウラージの街を楽しめるでしょう。