
ナポリのスパッカナポリを歩いていると目に飛び込んでくるのがサンタキアラ教会。
ジェズー広場(Piazza del Gesù)のすぐ近くに位置するサンタキアラ教会は、ナポリにあるゴシック様式の教会の中で最も大きく、教会の敷地内にある美しい回廊・キオストロは必見です。
サンタキアラ教会の歴史
アンジュー家のロベルト1世
アンジュー家のロベルト1世(Roberto d'Angiò)は1310年から1328年にかけて、妻のサンチャ・ディ・マヨルカ(Sancha di Maiorca)のためにサンタキアラ教会を建てました。
アンジュー家は以前はシチリア王国の一部だったナポリを、結果的にナポリ王国として一つの国に築き上げた家系です。ロベルト1世はアラゴン家のヨランダと結婚し、2男をもうけましたが、ヨランダはロベルト1世が王位を継承する前に死亡。その後1304年にサンチャ・ディ・マヨルカと再婚していました。
度重なる改修工事
教会はゴシック様式で建てられましたが、18世紀後半にドメニコ・ヴァッカロ(Domenico Antonio Vaccaro)などのナポリの建築・彫刻家によりバロック様式へと改修されました。
第二次世界大戦中の1943年8月4日の爆弾投下により、サンタキアラ教会は壊滅的なダメージを受けます。屋根は全焼し、火事は2日間にわたって燃え続けたと言います。
教会は約10年間かけてもともとのオリジナルであるゴシック様式にて修復されました。
内部の見どころ
●アンジュー家、ブルボン家の王族の墓
祭壇の後ろにはロベルト1世をはじめとする、その息子のカラブリア公カルロ(Duca di Carabria)や妻のヴァロア家のマリア(Maria di Valois)、ふたりの娘であるマリア(Maria di Durazzo)などのアンジュー家のお墓を見ることができます。
また教会入口からみて右奥にはブルボン家のお墓もあり、ナポリとシチリアの両シチリア国初の王となったフェルディナンド1世(FerdinandoⅠdelle Due Sicilie)もここに葬られています。
●ジョットのフレスコ画
第二次世界大戦による火事でイタリア絵画の巨匠ともされるジョット(Giotto)によって描かれた数多くのフレスコ画は焼失してしまいましたが、いくつかの作品は現在でも祭壇背後にある修道女のクワイヤ(Coro delle Monache)に見ることができます。
マヨリカ様式の回廊
鮮やかなマヨリカタイルが美しい癒しの空間
サンタキアラ教会内にあるマヨリカ様式の回廊(Chiostro Maiolicato)は、一歩足を踏み入れるとナポリの街の喧騒を忘れされるほど、穏やかで美しい癒しの空間となっています。
この回廊はもともと中世の時代からあった庭に、1739年から1769年にかけて建築家ドメニコ・ヴァッカロ(Domenico Vaccaro)によって手が加えられました。
回廊の中心には2つの広い道が通り、クラシカルな回廊と同じく4つの区域に分けられています。その内2つの区域はイタリア式の庭、残りの2つは柑橘系の樹木が植えられています。
回廊には64本の美しいマヨリカ様式の八角形の柱が並び、柱と柱の間にあるベンチにはナポリの人々の生活の様子や、田園、海、果実、神話などが描かれています。また回廊を囲む4つの壁には旧約聖書のシーンを描いたフレスコ画もみることができます。


ヴァッカロが手掛けた

基本情報
オススメ度 | ★★★★★ |
名称 | サンタキアラの回廊(Chiostro di Santa Chiara) |
住所 | Via Santa Chiara, 49/C, 80134 Napoli NA |
最寄駅 | ダンテ駅(Dante, linea1)から徒歩約5分 |
料金 | 6ユーロ(教会は無料) |
定休日 | なし |
営業時間 | 9:30-17:30 (月~土曜日)、10:00-14:30(日曜日) |
公式サイト | https://www.monasterodisantachiara.it/ |
アルテカード | アルテカード利用で4.5ユーロ |