モンテッラのカスターニャ(栗)の収穫祭に行ってきました

秋と言えば味覚の秋。夏が終わるとイタリア各地で秋の美味しい食材たちが顔をだします。
その代表格といえばイタリア語でカスターニャという栗です。栗はドルチェはもちろん、そのままローストしておやつ感覚で食べたり、食事の後にみんなで食べたりする、イタリアの秋には欠かせない食材です。
今回、カンパニア州のなかでも「栗の街」としても知られるアヴェッリーノ県、モンテッラ(Montella)の栗の収穫祭へ行ってきました。
モンテッラの栗について
カンパニア州の山地は栗の山地が多く、モンテッラ以外にも色々な地域で収穫されています。現在、カンパニア州のIGPに登録されている栗は5種類あり、そのうちのひとつがこのモンテッラの栗(Castagna di Montella)です。
500年代にはロンゴバルド族によりすでに栗の収穫が行われていたようで、昔から栗に適した土地であったことが伺えます。大きさは普通かやや小さめで、1キロあたり75~90個ほどの栗となることが規定されています。
小ぶりながら甘みのあるモンテッラの栗はお菓子作りに適していて、モンテッラ近郊では栗をつかったモンテ・ビアンコ(イタリア版モンブラン)や栗のケーキなどがよくつくられます。一番家庭的で手軽な食べ方はやはりローストして食べる食べ方で、ほどよい甘みがついパクパクと食べ過ぎてしまいます。
また、独自の加熱方法で燻製の香りがたまらないカスターニェ・デル・プレーテ(Castagne del Prete)もこのモンテッラの栗をつかうことが多いです。
モンテッラのカスターニャの収穫祭
2022年は11月の半ばの週末にモンテッラで収穫祭が開催されました。イベントは夜からで、街中が栗の香りに包まれる、栗の山地ならではのお祭りです。
街の入口でまず目に入ってくるのが栗の山!買う単位もキロ単位で、多くの人が5キロとか大量に買っていっていました。なかなか持って帰るのも大変そうなので、今回は収穫祭で栗を満喫して、生栗は買わないことに。

モンテッラはアヴェッリーノの山の中にある小さな街なので、収穫祭もこじんまりとしたものかなあと勝手に思っていましたが、街を上げての一大イベントという感じで、活気がすごい!
栗のローストのお店、ホイル焼き、栗のペーストやドルチェを売る街のパスティッチェリアなどの栗をつかったものはもちろん、旨味たっぷりのローカルなサルシッチャ(イタリアのソーセージ)を挟んだパニーノや、豚一頭分まるまるハーブなどでマリネして焼き上げたポルケッタなど、美味しいものがたくさんありました!


道には地元の人と、ナポリなどの近郊からやってくる人でかなり賑わっていて、ナポリのカンツォーネに合わせて踊ったり歌ったりのお祭り騒ぎ。まさにイタリアの田舎のお祭りといった感じですごくいい雰囲気でした。
そして食べ物も安い!
サルシッチャやポルケッタのパニーノでも4~5ユーロで、ワインは地元種赤ワインのアリアニコが1ユーロ!プラスチックのコップになみなみいれてくれるのですが、このチープな感じも好きだなあ..。
筆者たちは栗のロースト(Castagna Arrosto)、焼きたてのパンに溶かしたカチョカヴァロを塗ってトリュフオイルをたらしたブルスケッタ(Caciocavallo impiccato)、サルシッチャのパニーノなどを食べました。
どれも安くて絶品!お祭りムードの雰囲気もプラスして最高の夜となりました。収穫祭は地方の車がないとなかなか行けないところで開かれることが多いので、普通の観光ではなかなか行きにくいですが、チャンスがあればぜひ行ってもらいたいイベントです。
今度はもう近くに宿泊してしまって、遅くまで収穫祭を楽しみたいと思いました。







行き方
ナポリから公共交通手段でモンテッラへと行くには、まずSITA社のバスやFLIXバスをつかってアヴェッリーノへと行き、そこからモンテッラ行きのバス(Air Campaniaなど)に乗り換えてモンテッラへと向かいます。
ただ、本数はかなり少なく、一日に数本だと思うので、レンタカーなどで向かうのが最善策かと思います。