人物紹介
アルフォンソ5世の庶子 ドン・フェランテ
"ドン・フェランテ"と呼ばれるトラスタマラ家のフェルディナンド1世はアルフォンソ5世の息子で、アルフォンソ5世が亡くなった1458年にナポリ王を継ぎました。
本妻のマリアとの間には子供がなかったアルフォンソ5世ですが、グエラルドナ・カルリーノというナポリの貴族の愛人との間に生まれた庶子がこのドン・フェランテでした。
1424年にバレンシアで生まれたドン・フェランテは幼いころから勇気のある少年で、若いうちから騎馬隊として戦場に立ち、レナート1世のアンジュー・ヴァロワ家との戦いでも活躍しました。
ジャン2世 ナポリ貴族との戦い
ナポリ王に即位して間もなく、ナポリ貴族との戦いを強いられます。アルフォンソ5世の死去で嫡出の子でないフェランテが王になったことや、重税をかけられたことに不満を持っていた貴族はドン・フェランテに反発します。
この頃のナポリの貴族は王を凌ぐほどの強い力を持っていて、さらにナポリをトラスタマラ家に獲られたアンジュー・ヴァロワ家のレナート1世の息子であるジャン2世も再びナポリ奪還に踏み出しました。そのため、ドン・フェランテはジャン2世とナポリ貴族を相手に、1459年から4年間に渡る戦いを繰り広げました。
ドン・フェランテは勢力では劣っていたものの、ミラノ公フランチェスコ・スフォルツァからの援軍の助けもあり、ナポリを守り、ジャン2世をナポリから追い出しました。
しかし、ナポリ貴族からは依然として嫌われていたドン・フェランテはその後も幾度となく命を狙われました。内部からの攻撃ならまだしも、1494年にフランス王シャルル8世がナポリの王位に目をつけると、ドン・フェランテのナポリ王の座もついにあやういものとなります。
ちょうどその年、シャルル8世のナポリ襲撃を目前にしてドン・フェランテはこの世を去り、ナポリは息子のアルフォンソ2世に託されます。
ナポリ王 | フェルディナンド1世 (ドン・フェランテ) |
家系 | トラスタマラ家 |
出生ー死去 | 1423年6月2日ー 1494年1月25日(70歳) |
両親 | アルフォンソ5世 (グエラルドナ・カルリーノ) |
妻 | イザベッラ・ディ・キアロモンテ ジョヴァンナ・ダラゴーナ |
子ども | アルフォンソ2世 エレオノーラ フェデリーコ1世 などイザベッラとの間に6人 ジョヴァンナ カルロ ジョヴァンナとの間に2人 |
主な功績
・カプアーナ門(Porta Capuana)