【アマルフィ】海洋都市として栄えた大人気のリゾート地の見どころと観光情報!

美しい海岸として世界的に有名なアマルフィ海岸。
アマルフィ海岸には断崖絶壁に点在する小さな港町がありますが、その中でも最も重要な街がアマルフィ(Amalfi)です。夏になると世界中からその街を一目見ようと多くの観光客が訪れます。
そんなアマルフィの見どころなどの観光情報をご紹介してきます。
アマルフィってどんな街?

アマルフィ(Amalfi)はソレント半島からサレルノにかけて続くアマルフィ海岸(Costiera Amalfitana)にある最も重要な街で、夏には多くの観光客が世界中から訪れる大人気のリゾート地です。
日本だと、映画「アマルフィ海岸 女神の報酬」の大ヒットによってアマルフィがクローズアップされ、その映画でアマルフィを知った人もいるのではないでしょうか。その知名度から大きな街を想像してしまうかもしれませんが、実際は小さな港町で、半日でも十分に楽しめます。
アマルフィの街はアマルフィ大聖堂(Duomo di Amalfi)のある広場を中心にメインストリートのロレンツォ・ダマルフィ通り(Via Lorenzo D'Amalfi)が上に向かって延びていて、道の両脇には可愛らしい陶器のお店や、イタリア感満載の涼しそうなリネンシャツのお店、お土産屋さんなどがズラッと並ぶショッピング通りとなっています。
メインストリートからは細い路地や小さな階段がいくつも存在していて、複雑で細いアマルフィの小道は住んでいる人でないと迷ってしまいそう。実際、この街のつくりは敵の侵入からの防御に役立ったようです。
アマルフィのおすすめ特産品

アマルフィの特産品といえばレモン!アマルフィのレモンはカンパニア州のIGPにも認定されていて、街中にはレモンをつかったジェラートやグラニータ、レモンのパスタ、レモン風味の塩など、レモンをつかったお土産も数多く売られています。
アマルフィのレモンは通常のレモンよりひと回り大きく、皮に含まれるオイル成分がとてもいい香り。海洋都市として栄えたアマルフィにとってレモンはきってもきれない農作物で、長い航海でビタミンCの欠如により発症する壊血病の特効薬としてレモン栽培が盛んに行われました。
その他にもアラブの国との貿易から、当時イタリア半島でも初となる製紙技術が持ち込まれ、手漉き紙がアマルフィの伝統的な産業となりました。アマルフィの手漉き紙はカルタ・ディ・アマルフィ(Carta di Amalfi)と呼ばれ、現在でも最高級の紙として知られています。
アマルフィの歴史

アマルフィの歴史は古く、その起源は古代ローマ時代から続きます。
アマルフィが最も栄えたのは9~10世紀、貿易を拠点に海洋都市・アマルフィ公国としてナポリから独立した国家となり、イタリアの四大海洋都市(ジェノヴァ、ピサ、ヴェネツィア、アマルフィ)のひとつとして地中海の覇権争いを繰り広げました。イタリアで初めて羅針盤を持ち込んだのも実はアマルフィ公国なんだとか。
貿易で栄えたアマルフィですが、所詮小さな港の国。11世紀になると上陸してきた大勢のノルマン人により征服され、それからは衰退の一途を辿ります。
再びアマルフィが注目されるようになったのは19世紀、当時ナポリを統治していたナポレオンの兄、ジュセッペ・ボナパルトがアマルフィ海岸の美しさに気付き、ナポリとの交通整備を進めました。これにより20世紀にはリゾート地として多くの人の憧れの地となりました。
アマルフィの見どころ!
アマルフィの街は小さく、観光のメインはショッピングや街の散策になるかと思います。素敵なショップや白い壁の入り組んだ小道は見て歩いているだけでもウキウキしてきます。
そんなアマルフィですが、観光名所ももちろんあり、なかでもアマルフィ大聖堂とその中にある天国の回廊は必見です。
アマルフィ大聖堂と広場(Duomo di Amalfi)

アマルフィの街に入るとすぐに大きなアマルフィ大聖堂(Duomo di Amalfi)と目の前にある賑やかな広場が目に飛び込んできます。大きな階段とその上にある大聖堂はかなりの迫力で、まさにアマルフィのシンボルと言えるでしょう。
大聖堂は10世紀頃、もともとあった9世紀の教会(Basilica del Crocifisso)のすぐ近くに、街の守護聖人でもある聖アンドレアを奉って建てられました。2つの教会はつなげられ、6つの身廊が教会を分けていましたが、その内の左側は「天国の回廊」をつくる際になくなり、その隣の2つの身廊も17世紀頃の改修でもとの教会のように戻る形で仕切られました。
この大聖堂の特徴はいくつもの異なったスタイルが混在しているところです。回廊や鐘楼のベース部分に見られるロマネスク様式、鐘楼上部や装飾にはイスラムやアラブの様式、大聖堂内部にはバロック、ロココ様式などが見られ、海洋都市ならではの色々な文化や歴史が反映されています。
ファサードは、1861年に襲った強風をきっかけに、19世紀にエッリーコ・アルヴィーノによって修復が行われました。マーブル模様の特徴的なファサードは、今でこそアマルフィのシンボル的な存在ですが、当時はオリジナルと違う仕上がりに不満の声もあがっていたようです。
大聖堂の地下にあるクリプタ(Cripta)には聖アンドレアの聖遺物が保管されており、その豪華な装飾は目を見張るほど。こんな豪華な装飾はなかなか見られるものではありません。聖アンドレアはアマルフィの守護聖人で街の至る所に見ることができ、例えば広場の噴水にある像も聖アンドレアです。


Duomo di Amalfi
住所: Piazza Duomo, 1, 84011 Amalfi SA
時間: 9:00-18:30
定休日: なし
料金: 無料
天国の回廊(Chiostro del Paradiso)

大聖堂の内部も豪華な装飾で見応えがありますが、有名なのは12世紀につくられた天国の回廊(Chiostro del Paradiso)と呼ばれる回廊です。9世紀に建てられた十字架の教会の1つの身廊部分を改築してつくられたこの回廊は、アマルフィ貴族のための墓地として利用されました。
白を基調とした美しい石柱で囲まれ、中庭の空から差し込む陽ざしがまさに天国を連想させます。教会近くに建てられた墓地ということもあり、天国の回廊というネーミングもうなづけます。
天国の回廊や十字架の教会、聖アンドレアのクリプタなどへは入場料として4ユーロがかかります。
Chiostro del Paradiso
住所: Via Salita Episcopio, 5, 84011 Amalfi SA
時間: 9:00-18:30
定休日: なし
料金: 4ユーロ
公式サイト: http://museodiocesanoamalfi.it/app/it/home-italian/
老舗パスティッチェリア・パンサ(Pasticceria Pansa)

アマルフィに来たらぜひ訪れてほしいのが、ドゥオーモ広場にある老舗パスティッチェリア、パンサ(Pansa)です。とても有名なパスティッチェリアなので、もはやアマルフィを代表する観光名所といえるほど。
1830年創業のアンドレア・パンサによってつくられたこの老舗お菓子屋さんに一歩足を踏み入れると、クラシックで伝統的な内装にズラッと美味しそうなお菓子がショーケースに並んでいます。席数は少なくコペルト料がかかりますが、店内に食べられるスペースもあります。
ソレントやアマルフィを代表するレモンのケーキ、デリツィア・アル・リモーネやパリパリ食感が美味しいイセエビの尾に見立てたコーダ・ディ・アラゴスタ、ナポリ菓子の代表ともいえるババなど美味しそうなドルチェが並びますが、おすすめなのはスコッツェッテ・ディ・リモーネ(Scozzette di Limone)とよばれるレモンの砂糖漬けです。
このレモンの砂糖漬けはアマルフィレモンの風味と香り、食感がくせになるほど美味しいです。


Pasticceria Pansa
住所: Piazza Duomo, 40, 84011 Amalfi SA
営業時間: 7:30-23:00
定休日: なし
料金: 1-20ユーロ(一人)
公式サイト: https://www.pasticceriapansa.it/
紙の博物館(Museo della Carta)

アマルフィの特産品でもあるアマルフィペーパーの歴史や製造工程を見学することができる紙の博物館(Museo della Carta)は、今や少なくなったアマルフィペーパーという伝統工芸品を守る意味でもとても重要な博物館です。
紙づくりに必要な清流や乾燥に適した洞窟などの、紙づくりに適した環境があったアマルフィにとって製紙技術はとても有効でした。また、ノルマン人に征服されてからは航海も制限されていたので、それもあってこうした製紙技術はどんどん発展していったと思われます。
博物館では実際に紙をつくる様子も見学できたり、中のショップでアマルフィーペーパーをつかったノートやハガキなどのグッズも買うことができます。文系のお友達のお土産にいかがでしょう。


Museo della Carta
住所: Via delle Cartiere, 23, 84011 Amalfi SA
時間: 10:00-19:00
定休日: なし
料金: 4.5ユーロ(ガイド付きは7ユーロ)
公式サイト: https://www.museodellacarta.it/
アルセナーレ(Arsenale della Repubblica di Amalfi)

アマルフィの海洋都市としての歴史に興味がある方にはぜひ行ってほしいのが、海洋都市として栄えたアマルフィのアルセナーレと呼ばれる造船所(Arsenale della Repubblica di Amalfi)です。
造船技術も高かったアマルフィは、当時主流だった手漕ぎのガレー船などをつくり、ビサンチン帝国から受注も受けていました。現在はアマルフィの博物館として、街の模型や羅針盤などが展示されています。
羅針盤をアマルフィに持ち込んだとされるフラヴィオ・ジョイア(Flavio Gioia)の胸像なども展示されています。ちなみにアマルフィの玄関口となる港にある噴水の像も彼です。


Arsenale della Repubblica di Amalfi
住所: Largo Cesareo Console, 4, 84011 Amalfi SA
時間: 10:00-20:00
定休日: なし
料金: 3ユーロ
公式サイト: https://www.arsenalediamalfi.it/
アマルフィのグルメ情報!
アマルフィで何を食べたらいいのかという声をよく聞きますが、ここで少しアマルフィ周辺の伝統的な料理をご紹介します。
アマルフィは海に面しているため、もちろん魚介料理が多く、なかでもシャラティエッリという卵無しのモチっとした生パスタと色々な種類の貝からでる出汁やエビと少しのミニトマトでつくるソースを合わせた、魚介のシャラティエッリ(Scialatielli allo Scoglio)はアマルフィ地方の名物料理といえるでしょう。
あとはアマルフィレモンの香りを生かしたシンプルなレモンのリゾット(Risotto al Limone)や、生クリームとレモンを合わせて爽やかなレモンのスパゲッティ(Spaghetti al Limone)などもアマルフィらしい料理です。
ドルチェもレモンをつかったデリツィア・アル・リモーネ(Delizia al Limone)はアマルフィでよく見られ、スポンジ生地の中のレモンクリームと外側の生クリームがリッチながらもさっぱりとしたお菓子となっています。
今ではほとんど提供しているお店などは少ないのですが、ナスのチョコレートがけ(Melanzane al Cioccolato)という一風変わったお菓子もアマルフィ海岸発祥のお菓子です。もし見つけたらぜひ挑戦してみてくださいね!
以下おすすめのお店です。
Trattoria dei Cartari

アマルフィのメイン通りを上に上がっていくと、プレゼーペのある特徴的な噴水(Fontana De Cape ‘e Ciucci)の小さな広場に出ます。その広場に面したところにあるのがトラットリア・デイ・カルターリ(Trattoria dei Cartari)です。
アマルフィの家庭的な食堂スタイルのお店で、接客も気さく、美味しいアマルフィ、カンパニア州の料理を楽しむことができます。アマルフィには高級なお店はあれど、こうした庶民的なお店で美味しいところはあまりないので、貴重なお店です。
前菜はサレルノ県の名物である水牛のモッツァレチーズ(Mozzarella di Bufala)と生ハムは間違いありません。パスタだと、上記で紹介したシャラティエッリや、娼婦風のプッタネスカなどもとても美味しいです。
お店はテラス席中心でそんなに席数が多くないので、あらかじめ予約の電話をいれておくことをおすすめします。
Trattoria dei Cartari
住所: P.zza dello Spirito Santo, 5, 84011 Amalfi SA
営業時間: 12:00-15:30, 19:00-22:30
定休日: 月曜日
料金: 20-30ユーロ(一人)
Marina Grande
もうひとつレストランを紹介するとすれば、港に面したとても良い立地にあるマリーナ・グランデ(Marina Grande)というレストランは、アマルフィの海を観ながら食事を楽しめるのでおすすめです。
料金は割と高めの設定ですが、グラニャーノ産のPasta Gentile(すごい美味しいパスタです)という工房のパスタをつかっていたり、素材にはこだわっています。
何より海辺のテラス席が気持ちよすぎるので、それだけでも行く価値の十分にあるレストランです。
Marina Grande
住所: Viale della Regione, 4, 84011 Amalfi SA
営業時間: 12:00-15:15, 18:30-21:45
定休日: 木曜日
料金: 30-50ユーロ(一人)
公式サイト: http://www.ristorantemarinagrande.com/
アマルフィへの行き方
魅力たっぷりなアマルフィですが、アマルフィ海岸は断崖絶壁にあり、交通アクセスがあまりよくないのが難点です。
主な手段は地上からバスで行くルート、海からフェリーで行くルートがあります。ここではそんなアマルフィへの主なアクセス方法を解説していきます。
SITA社バスでアクセス

アマルフィ海岸の断崖絶壁を移動する手段にSITA社が運営するバス(5070番)があります。このバスはソレント駅を出発し、ポジターノを通ってアマルフィへと向かいます。夏のハイシーズンには大体1時間に2~4本くらいの頻度で出ていて、乗車時にチケット購入(3.4ユーロ)が可能です。
ナポリからの場合は、ヴェズヴィオ周遊鉄道(Circumvesviana)で終点のソレント駅まで行き、ソレント駅からSITAバスが出ているので、バスに乗り換えて向かうかたちになります。
ただ夏はすごく混む路線なので、ソレントからアマルフィへ向かう行きは並べば乗れるからいいものの、帰りだったり、途中ポジターノで降りてからまた乗ろうとすると、すごい混雑で乗れずにバスを見送るなんてことも...。
料金は安いですが、そうした時間のロスがあるかもしれないデメリットはあります。特に大きな荷物がある場合は避けたい交通手段です。ナポリから直接アマルフィへと向かうバス(5020番)も一日数本ですが運行しています(日曜は運休)。
バス会社: SITA SUD
料金: 片道3.4ユーロ(ソレント~アマルフィ間)
所要時間: 約1時間40分
運行間隔: 約1時間に2~4本
路線: 5070番
※日曜・祝日は本数が減ったり時間が変更したりするので注意
SITA SUDの公式ホームページ
フェリーでアクセス

アマルフィは港町、数社ある船会社の運営するフェリーをつかってアクセスすることができます。発着する港はナポリ、ソレント、ポジターノ、サレルノなどで、夏のシーズン(4~9月)は結構な頻度で運行しています。逆に冬のシーズンは大幅に本数が減るか、運休となる線がほとんどなので、気を付けましょう。
混雑はするものの、バスに比べて時間通りに動いているし、長時間待ちぼうけということもないので、安心できる移動手段です。また、海からアマルフィ海岸を見渡せるので、絶景を楽しめるというのもポイントです。
筆者としてはポジターノ~アマルフィ間の移動、アマルフィからソレントへ戻る際は特にバスではなくフェリーをつかうことをおすすめします。
船会社: NLG社、Alilauro社など
料金: 片道約25ユーロ(ソレント~アマルフィ間)
所要時間: 約1時間~1時間半
運行間隔: 約1時間に1~2本
筆者がよく使う各船会社の時刻表検索サイト→
※ただし稀に正しくないことがあるので、乗りたい時間があったらその船会社のホームページで再度調べることをおすすめします。
専用車でアクセス

時間や交通手段の心配をしたくない!という方におすすめなのが、現地ドライバーが運転する専用車(NCC)による送迎サービスです。アマルフィ海岸はその地形の特質上、こうした専用車のサービスがすごく使いやすく、簡単に申し込むことが可能です。
専用車をつかえば行きたいアマルフィ海岸の街にもストレスなくアクセスでき、時間に縛られることなくアマルフィ海岸を楽しめることができます。料金は上記2つに比べて高くなりますが、旅行時はまさに「時は金なり」ですので、専用車をつかうのは全然アリだと思います。
そんなアマルフィ海岸の観光におすすめなのがベルトラ(Veltra)の企画するアマルフィ海岸のツアー。
ナポリから専用車に乗ってアマルフィ海岸へとアクセスする個人ツアーなので、バスの待ち時間などを大幅に短縮することができ、スムーズに観光することができます。さらに日本語対応の現地スタッフは、ローカルな情報やグルメ情報なども教えてくれ、その後の旅行にもきっと役にたつと思います。
ベルトラのアマルフィ海岸ツアー、おすすめです!