【ヴィッラ チンブローネ】天空のテラスとも称されるラヴェッロの美しすぎる庭園 -Villa Cimbrone-

ラヴェッロを代表する観光名所にヴィッラ チンブローネ(Villa Cimbrone)があります。

ヴィッラチンブローネには天空のテラスとも呼ばれる素晴らしい眺望のテラスをはじめ、きれいに整えられた花や草木などが生い茂る素晴らしい庭園やいくつもの貴重なブロンズ像、美しいパビリオンなどの建造物など見どころが盛りだくさんです!

時間を忘れて、ヴィッラ チンブローネの開放的な空間に夢中になること間違いありません。

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ヴィッラ チンブローネの歴史

ヴィッラ チンブローネのある土地は、広大な敷地と植物に適した土質を有していて、古代ローマ時代の終わりごろには造船のための貴重な材木などがこの土地から伐採されていました。チンブローネという名前もラテン語で"広大で豊かな土地"を意味する"Cimbronium(チンブロ二ウム)"からきています。

11世紀にはラヴェッロの貴族であったアッコンチャヨコ家(Acconciajoco)の所有物となり、続いてフスコ家(Fusco)の所有物となりました。フスコ家は貴族の中でもかなり裕福で、フィレンツェのピッティ家やナポリのアンジュー家とも縁続きにあたります。また、フスコ家からはキリスト教に携わる聖職者が多く出ていて、特に1570~1587年の間にラヴェッロの司教でもあったパオロ・フスコ司教(Paolo Fusco)は、誰からも好かれる人徳のある人であったと言われています。

チンブロ二ウムは他のラヴェッロのエリアがゴツゴツとした岩場が多かったのに対し、平らで豊かな土壌で植物の栽培が可能でした。そして何より他の土地よりも高く、戦術的にも優れた場所であったため、ラヴェッロの歴史上でも重要な土地となります。

イギリス人貴族によるヴィッラの再利用

19世紀の終わり頃、かつてのチンブロ二ウムの影はなくなり、所有者のいない空き地となっていました。そんな中この土地を購入したのはイギリス人の貴族、エルネスト・ベケット(Ernest William Beckett)でした

。彼はイギリスからの"グランドツアー"に帯同した際にラヴェッロを訪れ、ラヴェッロの美しさに強く感動したといいます。当時彼は最愛の若き妻を失ったばかりで、精神の病に侵されその容態は急速に悪化していましたが、ラヴェッロで過ごすうちに奇蹟的に病状は回復し、イギリスで出会ったラヴェッロ出身の二コラ・マンシ(Nicola Mansi)の協力を得て1904年にチンブロ二ウムの地を購入しました。

エルネストはこの土地を"世界で一番美しい場所"にすることを夢見て、以前フスコ家の時代につくられた中央に通る道(il viale dell'immenso)などやいくつかの庭は残しつつ、イギリス式とイタリア式を融合させたような素晴らしい庭をつくりだしました。

庭の中には豊富な種類の植物やエキゾチックな花々などが植えられ、数々の価値ある噴水、ニンフェウム、パビリオンなどの古代ローマの"ヴィッラ"をイメージさせる装飾も施されています。

ヴィッラ チンブローネの見どころ

回廊 Il Chiostro

16世紀頃につくられたとされる立派な門をくぐってすぐ左手に見えるのはアラブーシチリアーノルマン様式でつくられた回廊です。11世紀頃にシチリアから南イタリア全土を支配下に治めたノルマン人の手によってつくられたもので、ラヴェッロの街のいたるとこに彼らの跡を見ることができます。

回廊
入口門近くの回廊

ケレス像 La Statua di Cerere

農業の女神とされるケレス像。美しい丸天井のパビリオンをくぐれば絶景の眺望テラスへと続きます。まるで無限に広がる世界の入口のように神秘的な空気を醸し出すケレス像のあるパビリオンは、別名"太陽の門(Porta del Sole)"ともよばれます。

ケレス像
テラスへの神秘的な入り口

天空のテラス Terrazza del Infinito

ヴィッラ チンブローネ最大の魅力ともいえるのは、直訳すると"無限のテラス"という意味の眺望テラスです。下を覗けばまるで大自然の中へ吸い込まれるような感覚に陥ります。テラスには18世紀頃につくられた胸像が飾られ、連なるチレント山脈とそこにくっつくように生活する人の家々、天と海の境目がないかのような素晴らしい絶景が広がり、どんな言葉をもっても表せないほどの美しさがあります。

天空のテラス
絶壁のテラスに並ぶ胸像
天空のテラス
空に浮かんでいるようなテラス

インメンソ通り Il Viale dell'Immenso

庭園の中心を通る一本の大きな道はインメンソ通りと呼ばれ、"無限に広がる道"といった意味があります。17世紀の前半、フスコ家によって形作られたこの道の上にはブドウの木がつるされていて、実がなる時期にはブドウの甘く、いい香りが道を包みます。

インメンソ通り
映画のワンシーンのような美しい緑の道

ティールーム Tea Room

ティールームとよばれる庭園には中央にはアンティークなバラが植えられた美しい花壇、小さな井戸、子どものレリーフが際立つ大理石でできた噴水、愛らしい表情の小鹿のブロンズ像などが見られます。また4本の美しい円柱は古代ローマ時代のものといわれています。

ティールーム
ティールーム
ティールーム
かわいらしい小鹿の像

その他

この他にも、ワインの神とされるバッコの像とそれを囲むドリス様式の寺院が特徴的なバッコの寺院(Il Tempietto di Bacco)やアントニオ・カノーヴァの弟子、アダモ・タドリーニ(Adamo Tadolini)による作品で、柔らかい質感が見事なエヴァと神秘的な空間が醸し出すエヴァの洞窟(La Grotta di Eva)、ゴリヤテを討ち取った少年ダビデ像(Il Davide)、アジサイの花が美しいアジサイの道(Il Viale delle Ortensie)バラの庭園(Il Terrazzo delle Rose)などなど魅力がたっぷりです。

Villa Cimbrone

住所: Via Santa Chiara, 26, 84010 Ravello SA
営業時間: 9:30-夕暮れまで (夏は19:30~20:00まで)
定休日: なし
料金: 7ユーロ
最寄り駅: ラヴェッロのドゥオーモから徒歩10分
公式サイト: https://www.hotelvillacimbrone.com/

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