【La Buca dei Ladroni】週末のみ!ベネヴェントの山奥にある隠れ家的オステリア

2025年4月訪問
イタリアではパスクワ(Pasqua)と呼ばれるキリストの復活祭には、家族や親せきが集まって食事をする習慣があり、クリスマスと同じくらい大事なイベントです。
そのパスクワの翌日はパスクエッタ(Pasquetta)といい、伝統的にはピクニックなどに出かけたりするのですが、今年はレストランでパスクエッタ・ランチをしてきました。
訪れたのは、ベネヴェントのチェッパローニ(Ceppoloni)という小さな村にあるオステリア、ラ・ブーカ・デイ・ラドローニ(La Buca dei Ladroni)です。スローフード協会の本に載っていて、ちょうどパスクエッタも営業しているとのことでここに決めました。


「泥棒の隠れ家」といった意味の店名らしく、山の中を進んでいったところにあります。
お店の外には自然豊かな庭が広がり、店内は木を基調としたアットホームな印象で、スタッフの方もみんな気さくにサービスしています。なんと営業は週末の金・土・日曜のみというまさにイタリアの村のレストランといった感じです。
料理はパスクエッタのコース料理でお願いしました。まずどんどんと運ばれてくる前菜たち。




どれもシンプルで素材の良さが分かる美味しい前菜でした。
羊のリコッタチーズはクリーミーで濃厚な口当たり。蜂蜜がかかっていて、デザートでも食べたくなるような一品でした。パンやラルドとの相性も抜群、あー美味しかった。
フリッタータも旬のチポッロット(玉ねぎと長ネギの間のようなネギ)とアスパラガスが入っていて、地味な見た目からは想像できない美味しさ。
特に白インゲン豆のスープは、オレガノの良い香りがして、トロリと煮込んだ白インゲン豆が絶品でした。こういう田舎っぽい料理こそ一番好きなんです。もうこれとパンだけでいいくらい。
大満足の前菜のあとはパスタ。2種類から選べて、筆者は手打ちシャラティエッリのサルシッチャのトマトソース、相方はこちらも手打ちブジアーテのズッキーニとグアンチャーレのパスタにしました。


このシャラティエッリをつかったトマトソースのパスタはこのお店の看板メニューで、極太コシのあるシャラティエッリにサルシッチャの旨味が凝縮されたトマトソースがとても美味しいパスタでした。つかうサルシッチャはペッツェンテ(Pezzente)というこの地域独自の辛いサルシッチャで、腸詰後に乾燥させてサラミのようにしてつかうため、これだけ旨味の凝縮した風味がでるのです。
ズッキーニのパスタは塩が少し足らなかったようですが、これまた気取らないイタリア料理ならではの素材を生かした仕上がりでした。
メイン料理は豚肉のアリスタ。アリスタとは肩ロースをハーブでマリネし、ローストしたり煮込んだりする料理です。ここのアリスタはカンパニア州の名産リンゴ・メランヌルカとともに赤ワイン・アリアニコで煮込んだ一品。



お肉はやわかく煮込むというよりも、しっかり噛んで肉とソースの味わいを楽しむスタイル。赤ワインとローズマリーの風味がとても美味しく、丸ごと入ったメランヌルカの酸味がいいアクセントになっていました。
お肉だけでなく、コントルノの盛り合わせまで。さすがにこれだけ食べてさらにこの量のコントルノはきつかったですが、これまた美味しい野菜の付け合わせたちでした。
締めのイチゴのタルトも家庭的で美味しい。これで一人40ユーロとコスパも最強、すごく居心地の良い最高のパスクエッタランチとなりました。
La Buca Dei Ladroni
住所: Via Olivella, 15, 82010 Beltiglio-San Giovanni BN
営業時間: 20:00-0:00(日曜はランチ営業)
定休日: 月・火・水・木
料金: 20-40ユーロ(一人)
公式サイト: https://www.facebook.com/La-Buca-Dei-Ladroni-126857324667819/