フニクリフニクラ

キャッチーなメロディーで世界中に知られるナポリで生まれた名曲フニクリフニクラ(Funiculì funiculà)

日本でも「鬼のパンツ」としていう替え歌で広く知られているこの曲ですが、実はコマーシャルソングとしてつくられた楽曲なんです。他のナポリ民謡とは少し違った面白い背景を持っているフニクリフニクラについてみていきましょう。

スポンサーリンク

フニクリフニクラの誕生ストーリー

経営難のケーブルカー

フニクリフニクラという楽曲が生まれたのは1880年、ヴェズヴィオ火山の麓から火口までをつなぐフニコラーレ・ヴェズヴィアーナ(Funicolare Vesuviana)と呼ばれるケーブルカーの開通が大きく関係しています。

当時のヴェズヴィオ火山は世界的にも有名な観光名所で、多くの観光客がヴェズヴィオ火山に登ろうとその地を訪れていました。当時は主に徒歩やロバをつかっての登山が主流でしたが、ケーブルカーの開通によってより便利にたくさんの観光客を運ぶことが狙いでした。

しかし実際には、ケーブルカーに対する不安やゴミ問題なども影響し、観光客の多くはケーブルカーではなく依然として徒歩を選ぶ人が多数を占めていました。見込んでいた売り上げが全く立たず、その打開策としてコマーシャルソングの制作にふみきったのです。

フニコラーレ・ヴェズヴィアーナ
実際に1900年頃に走っていたケーブルカー
画像引用 : wikipedia

コマーシャルソング制作

この依頼を受けたのはナポリ出身のジャーナリスト、ジュセッペ・トゥルコ(Giuseppe Turco)でした。

ジュセッペ・トゥルコはバカンスのためローマからポンペイ近くの町、カステッランマーレ・ディ・スタービア(Castellammare di Stabia)へと向かいます。そこで同町出身の作曲家ルイージ・デンツァ(Luigi Denza)と出会います。トゥルコが作詞、デンツァが作曲を主に担当して楽曲制作に取り掛かり、わずか数時間で完成されたといわれています。

完成された曲は「フニクリフニクラ」と名付けられてナポリの音楽祭であるピエディグロッタ音楽祭で披露され、大好評。1年で100万枚売り上げるなどかつてないほどの人気ととなりました。ただのコマーシャルソングからナポリ民謡の代表作とさえいわれるようになったというのは面白いですよね。

ちなみに度重なるヴェズヴィオ火山の火山活動などから1944年にケーブルカーは廃線となっています。

フニクリフニクラを聴いてみよう!

世界各地で歌われているフニクリフニクラ。

歌い方や雰囲気、歌詞によって色々な表情に変わるフニクリフニクラを聴いてみましょう。

アンドレア・ボチェッリのフニクリフニクラ

盲目というハンディギャップを抱えながら世界最高峰のテノール歌手と評価されるアンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)によるフニクリフニクラです。ローマのコロッセオで行われたコンサートの様子は圧巻。

デュエットのフニクリフニクラ

ナポリ出身のテノール歌手、パスクワーレ・エスポージト(Pasquale Esposito)とレバノン共和国出身のメイサ・カラア(Mayssa karaa)によるフニクリフニクラです。

ソレント半島近くのヴィーコ・エクエンセ(Vico Equense)で行われたコンサートで、ふたりの掛け合いの感じだったり聞き取りとりやすくて、個人的に大好きです。

鬼のパンツ(替え歌)

日本人にはこちらの替え歌バージョンの方が馴染みがあるかもしれません!

鬼のパンツの歌詞は作者不詳とされることが多いですが、初代うたのおにいさんとして活躍した田中星児さんによるものいう説が有力のようです。キャッチーナリズムなのでその他にもCMやテーマソングとしてもよく使われています。

オリジナルのフニクリフニクラを聴いた後に鬼のパンツを聴くとなんとも変な感じがしますね(笑)

フニクリフニクラの歌詞と対訳

フニクリフニクラの歌詞を自分なりに対訳してみました。

ヴェズヴィオ火山を舞台にした熱いラブソング!といいたいところですが、訳してみて分かったのはやっぱりケーブルカーの特徴やメリットを謳っているコマーシャルソングだなということ(笑)

それでも、コマーシャルソングにでさえ恋を忘れないあたりがなんともナポリの楽曲らしいといったところですね!

Aieressera, Nanninè, me ne sagliette,
tu saie addó?
Addó 'stu core 'ngrato cchiù dispiette farme nun pò!
Addó lo fuoco coce, ma si fuje
te lassa stà!
E nun te corre appriesso, nun te struje, 'ncielo a guardà!…
Jammo, jammo, 'ncoppa, jammo ja',
funiculì, funiculà!

Ne'… jammo da la terra a la montagna!
no passo nc'e'!
Se vede Francia, Proceta e la Spagna…
Io veco a tte!
Tirate co la fune, ditto 'nfatto,
'ncielo se va.
Se va comm' a lu viento a l'intrasatto, gue', saglie sa'!
Jammo, jammo 'ncoppa, jammo ja',
funiculì, funiculà!

Se n'è sagliuta, oi Nè, se n'è sagliuta
la capa già!
È gghiuta, po' è turnata, po' è venuta…
sta sempe 'ccà!
La capa vota, vota, attuorno, attuorno,
attuorno a tte!
Sto core canta sempe nu taluorno
Sposammo, oi Nè!
Jammo 'ncoppa, jammo ja',
funiculì, funiculà!

アンニーナ、昨夜ぼくは登ったんだ
どこか分かる?
この苦しい心がぼくを少しも傷つけることのないところ
火で焼けるようなところだけど、駆ければ全然問題はない
追いかけてくることもないし、空はすぐそこで見つめることに疲れない!
行こう、行こう、頂上に行こう!
フニクリフニクラ!

地上から山へと行こう!
歩く必要もない!
フランス、プローチダ、スペインも見えるけど、
ぼくは君をみている!
ロープで繋がっている、あっという間に
空へとつづく
まるで突然吹いた風のように進んでいく、上へ上へと!
行こう、行こう、頂上に行こう!
フニクリフニクラ!

登ったねアンニーナ、登ってこれた
もう頂上だ!
あっちに行って、戻って、またこっちに来て、
いつもここにある!(ケーブルカーが)
頂上はぐるぐるとまわっている、君のまわりをまわっている!
この心はいつも歌っていて いつか結婚しようアンニーナ!
行こう、行こう、頂上に行こう!
フニクリフニクラ!

フニクリフニクラを聴くには

CDで帰れソレントへを聴くならパヴァロッティのイタリア民謡集がオススメです。フニクリフニクラの他にもオーソレミオ帰れソレントへなど、名曲尽くし。パヴァロッティの素晴らしい歌声で有名なカンツォーネを聴ける一枚です。

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事