【カプア】古代ローマ時代に栄えたカゼルタの城塞都市の観光情報!

【カプア】古代ローマ時代に栄えたカゼルタの城塞都市の観光情報!

ナポリから北に40kmほどいったところにある街、カプア(Capua)。

歴史が長く古代ローマ時代に栄えたこの街は、今も尚その栄光の面影を見ることができます。そんなカゼルタの古い街、カプアについてご紹介していきます。

カプアってどんな街?

街の様子

カプアは紀元前6世紀頃にエトルリア人によって建設された都市で、その後カンパニア地方で勢力をのばしたサムニウム人や古代ローマの支配下となりつつも、「もうひとつのローマ(L'atra Roma)」と呼ばれるほど力をつけた都市でした。当時のイタリアで最も重要な軍事道路、アッピア街道も通り、ローマと繋がっていました。

しかし841年、ランゴバルド人のベネヴェント公ラデルキス1世(Radelchi I di Benevento)がサラセン人を買収しカプアを攻撃、カプアの街は壊滅的被害を受けます。カプアから逃げ出した人々はその近くに新たなカプア、カプア・ノヴァ(Capua Nova)を建設し、そこが現在のカプアとなっています。

ちなみにもともとのカプアがあった場所にはサンタ・マリーア・カープア・ヴェーテレ(Santa Maria Capua Vetere)という街がつくられ、しばしば旧カプアとも呼ばれます。

カプアの見どころ

そんな歴史のある街、カプアには見どころがたくさん。

街並みは落ち着いていて、歴史を感じる重厚な建物が多く見られますが、第2次世界大戦の被害を多く受け、歴史のある建物がダメージを受けてしまったのが悔やまれます。

ポンテ・ロマーノ(Ponte Romano)

橋

カプア北部にはアペニン山脈からティレニア海に向かって流れる川、ヴォルトゥルノ川があります。そのヴォルトゥルノ川を渡るようにかけられた橋が、ポンテ・ロマーノ(Ponte Romano)です。

アッピア街道上にあり、ローマとカプアを結ぶ歴史上重要な橋でしたが、1943年に第2次世界大戦の爆弾を受け崩壊しました。現在見られるのは当時の橋を忠実に再現したものです。

カプアの門(Porta di Capua)

門

ポンテ・ロマーノをローマ方向に向かって歩いていると、ちょうど橋の終わりの両脇に大きな2つの柱が見えます。

ここにはかつてフェデリコ2世が1233年より着工したカプアの門(Porta di Capua)がありました。フェデリコ2世はカプアの街への入口というだけでなく、シチリア王国の入口という意味をもたせた豪華な門を目指しました。

現在は基盤の柱部分だけが残り、石像などはカプア博物館にて保管されています。

カプア大聖堂(Cattedrale di Santa Maria Assunta)

大聖堂

カプア大聖堂(Cattedrale di Santa Maria Assunta)はもともとは800年代にロマネスク様式で建てられた教会でしたが、1850年頃まで度重なる修復や改修を繰り返しました。さらには1943年、ポルタ・ロマーナ等と同様に第2次世界大戦の爆発の影響を受け大きなダメージを受けました。

その後1949年から1957年にかけて再建が行われ、現在の教会の形になりました。内部には聖品やキリスト教にまつわる絵画などを収蔵した博物館(Museo diocesano di Capua)がつくられ、様々なコレクションが展示されています。

ジューディチ広場(Piazza dei Giudici)

広場

カプアのメイン広場!ジューディチ広場(Piazza dei Giudici)は開けた空間が大きな建物で囲まれ、素敵な広場となっています。通りに面した少し周りと違う中世の教会(18世紀に改修)、サント・エリージョ教会(Chiesa di S.Eligio)とその下にあるサント・エリージョのアーチは存在感があります。

その左隣には現カプア市役所のある建物、ゴヴェルナトーレ館(Palazzo del Governatore)があり、正面には旧カプリの円形劇場から運ばれた7つの石像が埋め込まれています。

さらに道を挟んで左手に見えるのがグラン・グアルディア館(Palazzo della Gran Guardia)です。ゴヴェルナトーレ館の監視をする役割があり、1608-11年にわたって建てられました。現在の館は1870年に改修したもの。建物には3つの紋章があり、カプアの紋章、スペイン王の紋章、17世紀修復時のロス・ヴェレス副王の紋章です。上部にはハプスブルク家カルロス2世の石像が見られます。

アンヌンツィアータ教会(Chiesa dell'Annunziata)

教会

アッピア通り沿いにあるアンヌンツィアータ教会(Chiesa dell'Annunziata)は、13世紀にアンジュー家シャルル2世によって建てられ、16世紀にバロック様式へと改築されました。この教会も例外なく第2次世界大戦の被害を受けました。

街の遠くから見ても目立つ教会のクーポラは建築家ドメニコ・フォンターナ(Domenico Fontana)が手掛けたもの。正面には聖大アントニウス、聖ルチアの美しい石像が並びます。

岩の城(Castello delle Pietre)

城

アッピア通り終盤の左手に見えてくるゴツゴツとしたお城、見た目のイメージそのまま岩の城(Castello delle Pietre)というお城です。1065年ノルマン人によってつくられたお城は、旧カプリの円形劇場から運ばれた石灰質の岩が用いられました。

時代によって貴族の所有地となったり、スペイン兵の病院としてつかわれたり、軍隊の拠点としてもつかわれました。

ナポリ門(Porta Napoli)

門

16世紀にナポリからの訪問者を迎えるためつくられたのがナポリ門(Porta Napoli)です。

ナポリにある15世紀に建てられたカプアーナ門(Porta Capuana)に似せてつくられ、設計もカプアーナ門と同じジュリアーノ・ダ・マイアーノ(Giuliano da Maiano)によって手掛けられました。

その他

その他にもナポレオン率いるボナパルト朝時代の武器庫としてつかれた王の武器庫(Reale Sala d'Armi)や, カプアの歴史や貴重な出土品、コレクションなどを保管する カプア博物館(Museo Campano)も見どころです。

カプアでローカル料理

カプアを訪れたらぜひローカルなカンパニア料理を食べることをおすすめします。

カプアにはピッツェリアが意外と多く、どこも気取らない地元密着のピッツェリアが多いです。トラットリアも、近郊で採れる野菜のグリルや昔ながらの製法でつくられるサラミなど、地味ながらも美味しいカンパニア州の田舎料理を味わえます。

岩の城近くにある「Locanda del Pozzo」は、カプアにあるトラットリアのなかでもアットホームで、家庭的な雰囲気が魅力のトラットリア。素材を生かしたカンパニア料理を楽しめます。

カプアへの行き方

ナポリからカプアへはトレニタリア社のレジョナーレ(普通列車)をつかってアクセスすることができます。

そこまで本数は多くない(2~3時間に1本程度)ので、あらかじめ時刻表でしっかりと時間を確認しておくことをおすすめします。ヴァイラーノ(Vairano)行きの場合は乗り換えなし、カゼルタ行きの場合はカゼルタで乗り換えとなります。

ナポリからカプアへ

鉄道会社: トレニタリア社
料金: 片道4ユーロ
所要時間: 約1分
運行間隔: 約2~3時間に一本

※日曜・祝日は本数が減ったり時間が変更したりするので注意
トレニタリア社のホームページ→https://www.trenitalia.com/it.html

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