【アルタムーラ】パン好きなら絶対訪れたいパンの街のおすすめ観光情報!

【アルタムーラ】パン好きなら絶対訪れたいパンの街のおすすめ観光情報!

イタリアにはその土地ごとに独自の食文化が発達していて、郷土料理が多いのが特徴です。

パンもその例外ではなく、フィレンツェに行けば塩の入ってないパーネ・トスカーノ、ヴェネツィアに行けばチャバッタ、ナポリに行けばパーネ・カフォーネなど、それぞれの土地で食されるパンには違いがあります。

そんなたくさんあるイタリアのパンでも一番といっていいほど有名なのが、プーリア州アルタムーラ(Altamura)という街のパン。今回はそんなパンの街、アルタムーラについてご紹介していきます。

アルタムーラってどんな街?

街の風景

アルタムーラ(Altamura)はプーリア州にある人口7万人の都市で、プーリア州では州都のバーリに次いで2番目の人口の多い街となっています。街の名前のアルタ(高い)ムーラ(壁)にもあるように、昔から高さ5~6mにも及ぶ高い壁で囲まれた街でした。その壁の一部は今でも旧市街に見ることができます。

アルタムーラはなんといってもパンの街

EUの伝統的な製法でつくられる食品などに与えられるDOP(原産地名称保護)にも指定されているアルタムーラのパンは、イタリアのパンのなかでも特別な存在。石窯で昔ながらの製法でつくられるアルタムーラのパンは、パン好きなら一度は食べておきたいですね。

また、1993年にアルタムーラ郊外でネアンデルタール人とみられる人骨が洞窟から発見されたことでも話題になりました。十数万年前のものともいわれるこの人骨は、「アルタムーラの男(Uomo di Altamura)」と名づけられ、人類の歴史を紐解く上で重要な資料として、今でも研究が行われています。

アルタムーラのパンの特徴

アルタムーラのパン

DOPに指定されているアルタムーラのパンはどんなパンなのでしょう。パンにつかわれる材料はわずか4つ。

  • 硬質小麦(Semola Rimacinata)
  • 天然酵母(Lievito Madre)
  • 水(Aqua)
  • 塩(Sale)

これだけです。このシンプルな材料をつかって焼き上げるアルタムーラのパンはガリっと香ばしく焼きあがったクラスト(皮)と黄色のきめ細かなクラム(内側)からなっていて、とてもいい香りがします!

硬質小麦

アルタムーラのパンには硬質小麦(セモラ)をつかうのが特徴で、アルタムーラ周辺で生産された硬質小麦のみをつかいます。硬質小麦は硬いため、通常粗びきにしてつかいますが、それをさらに細かく挽いたリマチナータ(Rimacinata)をつかうことで、よりパン作りに適した硬質小麦となります。

硬質小麦は黄色で、グルテンが豊富。硬質小麦のグルテンは弾力はあれど、モチモチとした食感というよりは、サックリした歯切れのいい食感になります。 アルタムーラのパンは香ばしくガリっとするまで焼き上げた外側と、サクッとした歯切れの良い内側のコントラストが楽しいパンなのです。

天然酵母

アルタムーラのパンには天然酵母がつかわれます。天然酵母にもたくさん種類がありますが、アルタムーラのパンにつかわれるのは硬質小麦と水でつくられたもの。

イタリア語でリエヴィト・マードレ(Lievito Madre)と呼ばれ、風味豊かな香りと酸味を生み出します。リエヴィト・マーレは、毎日新たな硬質小麦と水を足され、長年絶えることなく継がれるアルタムーラのパン作りにおけるとても重要な要素です。

パンの形

アルタムーラのパンには2つ形があり、一つは生地を折り重ねて高く焼き上げるアッカヴァッラート(Accavallato)、二つ目は低くて流通にも便利な、司祭の帽子という意味のカッペッロ・ディ・プレーテ(Cappello di Prete)といいます。

前者は伝統的なアルタムーラのパンの形で、クラム部分が後者よりも多く、日持ちがすることから街を出て長期間家を離れる農作業や羊飼いたちの主食として重宝されてきました。

昔、アルタムーラのパンは各家庭のマンマがそれぞれ生地をつくり、公共の石窯に持っていき、パン職人に焼き上げてもらっていました。公共の石窯ってすごいですよね...!自分の家のパンが分からなくならないように、自分のイニシャルが入った鉄製の型で印をつけて焼き上げていたそうです。

アルタムーラで外せない5つのこと

1. アルタムーラの大聖堂(Cattedrale)

アルタムーラの大聖堂(Cattedrale di Santa Maria Assunta In Cielo)は1232年、南イタリア発展にも大きく貢献した神聖ローマ皇帝フェデリコ2世によって建設が命じられたもので、ロマネスク様式のシンプルでありながら美しい外観が素敵な大聖堂です。よく見ると正面のハザード部分には「最後の晩餐」や「受胎告知」などの聖書のシーンが彫られていて、細部までしっかりとしたこだわりよう。

大聖堂のあるドゥオーモ広場は開放的な空間となっていて、プーリアの青空がよく似合います。大聖堂の2階部分も見学が可能(3ユーロ)で、聖品などが保管された宝物館やドゥオーモ広場を見渡すいい景色が見られます。

大聖堂
大聖堂のファザード
大聖堂
大聖堂の2階からの眺め

Cattedrale di Santa Maria Assunta In Cielo

住所: Corso Federico II di Svevia, 70022 Altamura BA
時間: 8:00-12:00, 16:00-20:00
料金: 無料(2階部分は3ユーロ)
公式サイト: http://www.diocesidialtamura.it/parrocchie/le-parrocchie/

2. 旧市街の散歩(Claustro)

アルタムーラの路地は「閉ざされた空間」という意味を持つクラウストロ(Claustro)と呼ばれる袋小路が80もあります。これはフェデリコ2世の時代、ギリシャ人やアラブ人など違う民族の人たちが多くやってきたためで、各民族ごとに小さなコミュニティをつくり、それぞれ広場に集まって生活をしていました。

その広場などがこのクラウストロとなって、今でもアルタムーラの街を形成しています。また、どこに行くか分からない(行っても行き止まり)アルタムーラの路地は、敵の侵入を防ぐ面でも大きく役にたったようです。

大聖堂に続く街のメインストリートはフェデリコ2世通り(Corso FedericoII di Svevia)。石畳の床と、白やベージュで統一された素敵な道で、両脇にあるお店を見ながら散歩とショッピングを楽しみたい道です。

路地
小さなアーチなど迷路みたいになっています
路地
フェデリコ2世通りは素敵なショッピング通り

Corso FedericoII di Svevia

住所: Corso FedericoII di Svevia

3. 地元で人気のアルタムーラのパン屋「Di Gesù」

上記したようにアルタムーラといえば名物はパン!アルタムーラに来てパンを食べずには帰れません。

DOP認定されたアルタムーラのパンを提供しているのはなんとわずか10店舗のみ!厳しい基準を満たしたパン屋さんのみがアルタムーラのパンをつくることができるのです。そのうちのひとつが、旧市街に入るバーリ門の近くにある、ディ・ジェズー(Di Gesù)。

1934年創業のパン屋さんで、もともとのパン屋さんと、その近くにオープンさせたフォカッチャやカフェも併設したモダンなスタイルのパン屋さんの計2店舗あります。お店に入ると広がるパンの香りは言葉にできないほど。お土産にもできるタラッリやビスケットも売っています。

外観
この本店は昔ながらのパン工房といった感じ
パン
パン以外にもタラッリなどがたくさん!

Di Gesù
住所: Via E. Pimentel, Fonseca, 19, 70022 Altamura BA
営業時間: 6:00-14:00, 19:00-22:00
定休日: 日曜日
料金: 1-10ユーロ(一人)
公式サイト: http://www.digesu.it/

4. 絶品フォカッチャがたまらない「Santa Caterina」

1391年創業というアルタムーラのパン屋さんの中でも老舗中の老舗、サンタカテリーナ(Santa Caterina)。観光客でいつもいっぱいのこのお店ですが、並んでも食べる価値のあるお店です。

おすすめはやっぱりフォカッチャ。フレッシュなミニトマトとオレガノ、塩というシンプルな材料に、オリーブオイルをたっぷりかけてカリッと焼き上げたフォカッチャは絶品。じゃがいもとローズマリーも美味しかったなあ。欲しい大きさにカットして売ってくれます。

大きな板に何枚もフォカッチャをのせて薪窯で焼き上げる様子はまさに職人技。「観光客目当ての店」というレッテルを張られることもしばしばありますが、全く事実無根。フォカッチャでここまで美味しく、感動したのはこのお店が初めてです。

フォカッチャ
次々と焼きあがるフォカッチャたち
フォカッチャ
こちらはじゃがいものフォカッチャ。絶品!

Antico Forno Santa Caterina
住所: Via Ambrogio del Giudice, 2, 70022 Altamura BA
営業時間: 9:00-22:00
定休日: なし
料金: 1-10ユーロ(一人)
公式サイト: https://www.fornosantacaterina.it/

5. おっぱい菓子(Tette delle Monache)

パンが有名なアルタムーラですが、もうひとつ有名なのがおっぱいの形をしたお菓子、テッテ・デッレ・モナケ(Tette delle Monache)です。直訳で「修道女のおっぱい」というなんともすごいネーミングなこのお菓子、アルタムーラのサンタキアラ修道院のシスターによってつくられたのが始まり。

フワっとしたスポンジケーキにカスタードクリームがたっぷりと入ったお菓子で、素朴でシンプルだからこそ、誰でも好きなお菓子といった感じです。アルタムーラのパスティッチェリアでは大体食べることができますが、せっかくなのでサンタキアラ修道院近くのお菓子屋さん(Pasticceria Monastero di S. Chiara)で食べてみるのもいいですね。

お菓子
ぷっくらとした素朴なお菓子
お菓子
ほんとはちょっととんがっている

Pasticceria Monastero di S. Chiara
住所: Via Santa Chiara, 7, 70022 Altamura BA
営業時間: 9:00-22:00
定休日: なし
料金: 1-10ユーロ(一人)

アルタムーラへの行き方

アルタムーラへは主に電車をつかってアクセスできます。

私鉄アップロ・ルカーネ社(FAL)の運営する電車(またはバス)をつかって、プーリア州の州都バーリからアクセスするのが一番メジャーな行き方です。バーリ中央駅から所要時間は約1時間~1時間半ほどで、大体1時間に1本の割合で運行しています。

アルタムーラの駅に着いたらレジーナ・マルゲリータ通り(Viale Regina Margherita)をまっすぐひたすら歩くこと約15分、アルタムーラの旧市街入口であるバーリ門にたどり着きます。

日曜日は電車がないので、バスの振り替え輸送になっていたりするので、公式ホームページで時刻をよく確認しておきましょう。ナポリから行く場合はFlix BusやMarino Busの直行便がお得です!

バーリからアルタムーラへ

鉄道会社: Ferroviea Appulo Lucane社(FAL社)
料金: 片道3.9ユーロ
所要時間: 約1時間~1時間半
運行間隔: 約1時間に1本

※日曜・祝日は本数が減ったり時間が変更したりするので注意
FAL社の公式ホームページ→https://ferrovieappulolucane.it/

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