【インタルシオ】ソレント半島に伝わる伝統の寄木細工

ナポリの南に位置し、美しい海と風景で訪れる人の心を魅了するソレント半島。

ソレントの名産品と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?ソレント産のレモンをつかったリモンチェッロやソルベットなどを頭に浮かべる人が多いかもしれません。でも実は、レモン以外にもソレントの有名な名産品があるんです。

今回紹介するソレントの名産品は数種類の木をつかってデザインするインタルシオ。職人によってつくられるインタルシオは今でも高価で特別なソレントの名産品として多くの人に愛されています。

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インタルシオってなに?

インタルシオとはいわゆる寄木細工のことで、細かく切り分けた木の欠片を組み合わせることでテーブルや椅子、壁、などに模様を飾り付ける伝統技術です。14~15世紀頃、ソレントのサンタッグリッピーノ修道院の修道士たちはこのインタルシオという技術を用いて教会の装飾、修復を行っていたといいます。

1800年代に入るとソレントのインタルシオはさらに大きく広まります。ソレントにはインタルシオの工房や芸術を学ぶための学校がつくられ、代々ソレントの伝統技術として受け継がれています。

インタルシオは小さなものは10ユーロ程度で買えるものもありますし、大きくより複雑なものになると数百ユーロするものもあります。ナポリの人の間でも高価で貴重なイメージがあるインタルシオはプレゼントなどにもぴったりでとても喜ばれます。

インタルシオ
まるで絵のような奥行きですが全て木!
インタルシオ店
ソレント市内のインタルシオショップ

大まかな作業工程

まずインタルシオをするデザインを描きます。デザインは非常に細かい抽象的なデザインからソレントの景色のような風景画、人物、植物など様々です。

描かれたデザインをもとに様々な種類の違う薄い木を重ね、くぎのようなものでしっかりと固定、専用の機械でカットしていきます。昔はこのカット作業も手作業だったのですからすごく神経と体力を使う作業だったと思います。使われるは木の種類は何十種類にも及び、代表的なものにクルミの木、レモンの木、オレンジの木、オリーブの木などがあります。

切り抜かれた木の欠片はそれぞれ集め、組み合わされ、ひとつの模様として形成されていきます。ぼかしを表現するために高温に熱した砂の中に木の欠片を入れ、色を変化させることもあります。組み合わされた木の欠片は専用の機械で圧着され、その後、研磨や艶出しといった過程を経て完成となります。

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ソレントのお土産にぜひ!

ソレントの街を歩いているとところどころ見かけるインタルシオ。実は後継者不足で、街にたくさんあった工房も今では数えるほどなんだとか。日本でもしばしば話題に上がる伝統技術の継承ですが、イタリアも例外ではないようです。

ソレントを訪れた際にはぜひインタルシオをお土産にしてみてはいかがでしょう。ひとつひとつ職人の手作業によってつくられたインタルシオは世界にひとつだけ、きっと素敵な思い出になるはずです。

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