【カターニア】重厚なバロック様式が印象的なシチリア第二の都市の観光情報!

【カターニア】重厚なバロック様式が印象的なシチリア第二の都市の観光情報!

シチリアで、州都パレルモに次ぐ第2の人口を誇る都市カターニア

タオルミーナやシラクーサなど、近郊エリアのアクセスにも便利な東シチリア最大の街、カターニアについてご紹介していきます。

カターニアってどんな街?

カターニアユニフォーム

カターニア(Catania)は、シチリア島の東に位置する都市で、紀元前8世紀頃に古代ギリシャからの移民によって建設され、他のシチリアの街と同じように、その後古代ローマ、ノルマン朝へと時代によって支配者が変わっていきました。

カターニアの北方には活火山のエトナ山があり、エトナ山の噴火は度々カターニアの街に脅威をもたらせ、特に1169年と1693年に起きた噴火によって街は大損害を受けました。現在見えるカターニアの街並みも1693年の噴火後に再建されたものが多く残ります。

街は当時の後期バロック様式で再建され、その他の噴火の被害を受けた7つの街とともに、「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々」としてユネスコの世界遺産に登録されています。街の再建には溶岩をつかったため、カターニアの街には黒っぽい灰色の壁が多くあります。

カターニアの見どころ

カターニアは雑多でカオスな面もあれば、オシャレでトレンドな面もある面白い街です。

そんなカターニアには見どころがたくさん!主要な観光スポットをみていきましょう。

カターニア大聖堂(Cattedrale di Sant'Agata)

大聖堂

カターニア大聖堂(Cattedrale di Sant'Agata)はカターニアの守護聖人である聖アガタに捧げられたもので、もともと11世紀頃に建てられましたが、1693年のエトナ山の噴火後、バロック様式にて再建されました。大聖堂の設計をつとめたジョヴァン・バッティスタ・ヴァッカリーニ(Giovanni Battista Vaccarini)はその他多くのカターニアの建物の再建に貢献しました。

大聖堂の前には街のシンボルである「像」をあしらったかわいらしい像の噴水(Fontana d'Elefante)があり、待ち合わせによくつかわれるそう。像はカターニアのサッカーチームのエンブレムにもつかわれています。

大聖堂のある広場からは街のメインストリートであるエトネア通り(Via Etnea)がはじまります。エトネア通りにはたくさんのショップやお店が並び、エトネア通り沿いには市役所やローマ円形劇場(Roma Amfiteatro)も見ることができます。

Cattedrale di Sant'Agata

住所: Piazza del Duomo, 95100 Catania CT
時間: 7:15-12:30, 16:00-19:00
料金: なし

魚市場(Pescheria di Catania)

魚市場

シチリアといえば島ならではの魚の市場(Pescheria di Catania)は魅力的です。カターニアの魚市場はシチリアのなかでも特に活気があることで有名で、大聖堂の広場にあるアメナノの噴水の裏側の広場で毎朝開かれています。

魚市場には地元客や観光客で大賑わい。シチリアならではの赤海老やマグロも並んでいて、お店によってはその場で食べられるように生カキとレモンを売っていたりもします。ぜひ新鮮なシチリアの魚と市場の雰囲気を楽しんでください。

Pescheria di Catania

住所: Piazza Alonzo di Benedetto, 95131, CT
時間: 7:00-13:00
定休日: 日曜日

マッシモ・ベッリーニ劇場(Teatro Massimo Bellini)

劇場

カターニア出身の有名オペラ作曲家、ヴィンツェンツォ・ベッリーニの名を冠したこのマッシモ・ベッリーニ劇場(Teatro Massimo Bellini)は、1835年に若くしてこの世を去った彼にちなんで建設、命名されました。マッシモは「最高の」という意味で、ベッリーニのニックネームだったといいます。

1890年に建設を記念して、彼の作曲したオペラ「ノルマ」が上演されました。このノルマは、ナスとトマトをつかったカターニアの代表的パスタ料理・ノルマ風パスタの由来にもなっています。

外観は特徴的などっしりとした華やかなバロック様式で、内部は赤と金を基調とした豪華な内装となっています。

Teatro Massimo Bellini

住所: Via Giuseppe Perrotta, 12, 95131 Catania CT
時間: 9:00-13:00(見学)
定休日: 日、月曜日
料金: 6.5ユーロ
公式サイト: https://www.teatromassimobellini.it/

サン・ニコロ修道院(Monastero dei Benedettini di San Nicolò l'Arena)

修道院

日本のカターニアのガイドブックなどではあまり紹介されていないことも多いサン・ニコロ修道院(Monastero dei Benedettini di San Nicolò l'Arena)ですが、実はかなり見応えのある知る人ぞ知る観光スポットです。16世紀にベネディクト会の修道士によって建てられ、世界でも有数のベネディクト会の修道院のひとつです。

現在はカターニア大学の学部も入っていて、内部の見学は1時間程度のガイド付きのみ(10ユーロ)で見学可能です。

王の階段のように美しいバロック様式の階段や、思わず見とれてしまう中庭と回廊、地下に保存されている古代遺跡とそれを活用した図書館、修道院のキッチンなど興味深いものがたくさん。ガイドは英語かイタリア語のみですが、行く価値は十分にあるでしょう。

Monastero dei Benedettini di San Nicolò l'Arena

住所: Piazza Dante Alighieri, 32, 95124 Catania CT
時間: 9:30-18:00
定休日: なし
料金: 10ユーロ
公式サイト: https://www.monasterodeibenedettini.it/

ベッリーニ庭園(Villa Bellini)

庭園

カターニアの公園といったらここ!というくらい地元民の散歩コースとしても定番で人気の庭園がベッリーニ庭園(Villa Bellini)です。1883年に開園して以降、市民のリラックスの空間として親しまれ、名前にはこれまたカターニアの代表的著名人、ヴィンツェンツォ・ベッリーニの名がつけられています。

庭園内には長いベンチなど座る場所が多いため、近くの老舗パスティッチェリア・サヴィアでアランチーニやお菓子を買って、ここの庭園でのんびり食べるのもいいかもしれません。

Villa Bellini

住所: Via Etnea, 292, 95131 Catania CT
時間: 6:00-21:00
定休日: なし
料金: 無料

ウルシーノ城(Castello Ursino)

城

シチリア王であったホーエンシュタウフェン朝のフェデリコ2世によって1239年から1250年にかけて建設されたお城がウルシーノ城(Castello Ursino)です。もとは海のそばに防衛目的で要塞として建てられましたが、噴火の影響により周囲に溶岩が積もり、現在は海から少し離れた位置にあります。

内部は噴火の影響を受けたものの保存状態が良く、今ではカターニアの貴族から寄贈された絵画のコレクションや、古代ギリシャ、ローマ時代の発掘された遺跡や出土品などが展示されている市民博物館となっています。

Castello Ursino

住所: P.za Federico di Svevia, 21, 95121 Catania CT
時間: 9:00-13:00, 14:30-19:00
定休日: 月曜日(日曜は午前中のみ開園)
料金: 6ユーロ

古代ギリシャ・ローマ劇場

劇場

カターニアの古代ギリシャ・ローマ劇場は入口が全く「古代ギリシャ・ローマ劇場」っぽくないので、大きな遺跡を想像しながら道を歩いていてもなかなか見つけられません(筆者は2度通り過ぎました)。ヴィットリオエマヌエーレ2世通りにある入口から中に入ると、突然大きな古代ギリシャ・ローマ劇場が姿を現します。

現在見られるのはギリシャ劇場をローマ人が改築したローマ劇場で、噴火の影響を受けてなお、とてもいい状態で保存されています。

ローマ劇場の他にも、裏側にオデオンと呼ばれる音楽堂もあります。どっしりとした溶岩とレンガで建てられた建物は風格がすごいです。

Teatro Antico greco-romano di Catania

住所: Via Vittorio Emanuele II, 266, 95124 Catania CT
時間: 9:00-18:00頃
定休日: 特になし(臨時休園あり)
料金: 8ユーロ

その他の見どころ

通り

その他にも、カラフルな傘の下にレストランやバールが賑わうアンブレラ通り(Le strade degli ombrelli)や多くの教会や重要建築物が並ぶクロチフェリ通り(Via Crociferi)、大聖堂近くで、屋上からカターニアの景色を一望できる聖アガタ修道院教会(Chiesa della Badia di Sant'Agata)などがあります。

また、カターニアの旧市街から南に行ったところにはビーチもあるので、夏場はビーチでのんびりするのもオススメです。

カターニアのグルメ情報

カターニアには美味しい料理がたくさんあり、シチリアの中でもグルメな街として知られています。

カターニアを代表するナスとトマトのノルマ風パスタ(Pasta alla Norma)や、ナスとトマトの甘酢煮込みカポナータ(Caponata)、イワシとオレンジのパン粉焼きベッカフィーコ(Beccafico)など、どれも美味しいシチリアっぽい料理が多いです。

また、カターニアでは昔から馬肉を食べる文化があり、馬肉のグリルやポルペッテという肉団子などもよく食べられます。特にプレビシート通りにはこうした炭火焼きを専門としたの下町らしいお店が連ねます。

カンノーロやカッサータ、グラニータなどのドルチェも、他のシチリア島でもあるかもしれませんが、カターニアは本場で美味しいドルチェばかり。シチリア人のソウルフードであるアランチーニも超美味しいです。

馬肉のグリルと馬肉のポルペッタなど
エトナ山にみたてたアランチーニ
  • Pasta alla Norma(ノルマ風パスタ)
  • Pasta con Sarde(イワシのパスタ)
  • Pasta allla Carrettiera(ミニトマトとニンニク、ペコリーノなどのシンプルパスタ)
  • Maccu(ソラマメのスープ)
  • Carne di Cavallo(馬肉)
  • Arancino/i(アランチーノ、アランチーニ)
  • Caponata alla Catanese(カターニア風カポナータ)
  • Granita(グラニータ)
  • Cannolo(カンノーロ)
  • Minnuzze di Sant'Agata(ミンヌッツェ,小さなカッサータ)

カターニアはシチリア観光拠点にも最適

カターニアはカターニア空港もあることから、飛行機をつかってイタリアの各都市またはヨーロッパの近隣諸国からアクセスすることができます。他にも電車やフェリーなどをつかってカターニアへアクセスする方法もあります。

シチリア第2の都市というだけあって、メッシーナ、タオルミーナ、シラクーサなどの近郊エリアへ向かう中長距離バスも多くカターニアから出ているので、特に東側のシチリア観光の拠点にもったこいです。

カターニア空港から市内へはアリバス(Alibus)をつかうか、2021年にオープンした空港駅から電車をつかうかになります。アリバスは市内まで4ユーロで約20分、電車は1.9ユーロで約10分といった感じです。

アリバスの場合、バスの停留所が旧市街にもあるので、ホテルや目的地に近い場所まで行けるのがメリット。電車は早くて安いですが、カターニア中央駅は旧市街からちょっと離れているので、大きな荷物があるであろう空港到着後は旧市街までの移動が大変かもしれません。

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