9月19日 サンジェンナーロ祭
毎年ナポリではナポリの守護聖人サンジェンナーロ(san gennnaro)の殉教日にちなんで9月19日にサンジェンナーロ祭が行われます。この日はナポリ中が祝日となり、学校も仕事も休み、街はお祝いムードに包まれます。
サンジェンナーロとは?
サンジェンナーロは272年にナポリ近郊のべネベントで生まれたとされ、大司教としてキリスト教の布教に貢献しました。
いくつもの伝説的な奇蹟も残されていて、ナポリの人たちにとってサンジェンナーロはとても重要な存在です。 詳しくは後ほど記事にします。
血の融解 サンジェンナーロの奇蹟
サンジェンナーロを有名にしているもののひとつに血の融解の奇蹟があります。
9月19日の他に5月と12月の1年で計3回行われる行事で、サンジェンナーロの凝固していたはずの血がこれらの日に液体化するというものです。
この日にはナポリ大聖堂(duomo)に大勢の信仰深い教徒が集まり、血の融解を待ちます。血の融解にはナポリの安泰を左右する意味合いがあり、血の融解が起きると拍手と喝采が起こります。
サンジェンナーロのドルチェ
サンジェンナーロ祭に食べられるドルチェは実は特にあまり決まっていません。
お祝いの日なので、ドルチェは欠かせないのですが、ゼッポレだったり、ババだったり、小さいドルチェの詰め合わせだったりします。
ですが、ここ最近ナポリの老舗パスティッチェリア"Casa Infante(カーサインファンテ)"を中心に、サンジェンナーロにまつわるドルチェを売り出しはじめました!
O' cappiell' e san gennaro サンジェンナーロの帽子
ナポリ語でサンジェンナーロの帽子を意味するこのお菓子は、サンジェンナーロのミトラとよばれる司教冠に見立てたお菓子で、外側はスフォリアテッラ・フロッラと同じビスケット生地つくられ、ヴェズービオ山周辺でとれたアプリコットのジャムで帽子のデザインが描かれています。
中にはイタリア風カスタードクリーム、アマレーナのシロップ漬け、細かくされたババが散りばめられていて、それぞれ使われた材料には意味があるようです。
・外側のビスケット生地 - サンジェンナーロの帽子
・散りばめられたババ - サンジェンナーロの宝
・アマレーナ - サンジェンナーロの血
・アプリコットジャム - サンジェンナーロの黄色い顔
こうして意味を知ると一つのドルチェもまた違って見えますね。色々な思いが込められたこのお菓子はこれからサンジェンナーロ祭のお菓子の定番になるかも!?