アルベルゴ デイ ポーヴェリとは
直訳すると"貧しい人々のホテル"。
そう名付けられた建物はその名の通り、ブルボン家ナポリ王カルロ3世(CarloⅢdi Borbone)の発案で、1751年より建築家フェルディナンド フーガ(Ferdinando Fuga)のもと貧しい人や、親を亡くした子供、戦争で傷害を受けた者など、問題を抱える人々を受け入れることを目的に建設がはじまりました。
当時のヨーロッパ最大級の施設
建物は当初の計画から大きく縮小され、5分の1ほどの規模で完成されました。とはいうものの、10万平方メートルの建物、430室もの部屋を備え、8000人もの人たちを受け入れられたこの建物は当時のヨーロッパの中でも最も大きい建造物の内のひとつです。
カルロ3世が目指したものは、単に裕福でない人たちの増加を抑えるのではなく、助けが必要な子どもたちなどに無償で手をのばし、再教育し社会に帰すというものでした。
カルロ3世はスペイン・ブルボン家であって、ナポリ王国を実質支配していた形ですが、ナポリのための政策や街の整備に大きく貢献しました。ナポレ人の間でカルロ3世が常に人気が高いのもうなずけます。
施設の用途の変化
アルベルゴデイポーヴェリは貧しい人々を受け入れ、教育を施す施設として誕生しましたが、時が経つにつれその役割も変わっていきました。時としては刑務所、更生施設、少年裁判所などとして使われたり、耳の不自由な人のための学校、音楽学校などの教育施設、映画館などにも利用されました。
常に道徳な面を持ちながらナポリの庶民の生活を支えてきたといえるでしょう。
現在のアルベルゴデイポーヴェリ
現在では地震や風による建物の崩壊が度々おこったため、1999年よりナポリ市による修理、修繕が行われています。単発的に展示会などのイベントが行われてはいますが、特に具体的に施設として使われてはいません。
歴史のある大きな建物なだけに、速やかな修繕と有効な建物の活用が待たれています。
Albergo dei Poveri
住所: Via Foria, 223, 80137 Napoli NA
最寄り駅: ムゼオ駅(Museo)から徒歩約15~20分