ナポリのメトロはアートをテーマにデザインされている駅が多く、メトロアートとして有名なんです。
ナポリのメトロを使う際にはちょっと目を向けてみると、面白い発見がたくさんあります!今回はそんなナポリのメトロアートの代表的な駅をご紹介します。
●ガリバルディ駅
ナポリの最大かつ最も重要な駅であるガリバルディ駅(ナポリ中央駅)は、フランスの建築家で都市計画家のドミニクペロー(Dominique Perrault)によって設計されました。
ドミニクペローは、駅の地上部にあるガリバルディ広場を近代的な空間へと変貌させ、駅は独特の明るく深い環境で、透明なガラスだけで覆われた「吊り下げられた」エスカレーターだけが交差し、太陽光が最大40メートルの深さまで届きます。駅には、国際的なアートシーンの主人公の一人であるミケランジェロピストレット(Michelangelo Pistoletto)の素晴らしい作品が展示されています。
●ウニヴェルシタ駅
ナポリの大学が集まるウニヴェルシタ駅は「柔らかさとカラフルさ」がコンセプトの駅です。
やわらかでボリュームのあるオブジェクトと、明るい蛍光色は革新的なインスピレーションに溢れています。学生や通勤者の日常的な生活の中にも、美しさと喜びの空間を提供することが建築家兼デザイナーのカリム・ラシッド(Karim Rashid)がこの駅を設計する際に設定した目標です。
●ムニチーピオ駅
ポルトガルの建築家アルヴァロ・シザ(Àlvaro Siza)とエドゥアルド・ソウト・デ・モウラ(Eduardo Souto de Moura)に委託されたムニチーピオ駅は、メトロのLinea 1とLinea6が発着する重要な駅としてつくられました。(Linea6は現在も工事中)
ムニチーピオ駅の構内には駅の発掘作業中に発掘された遺跡が展示されていて、ナポリの歴史の重さと未だ解明されていない深さを感じることができます。考古学的にも非常に価値のある古代パルテノペの港や船、アンジュー帝国時代の建造物など、この地域から発掘される遺跡はナポリの歴史上素晴らしいものばかりです。
●トレド駅
ナポリのメトロアートとして一番有名で、ヨーロッパで美しい駅として賞も受賞したトレド駅。
エスカレーターを下っていくとまるで美しい海底に沈んて行くかのような錯覚に。ロバート・ウィルソン(Robert Wilson)によって考案された何千ものLEDがブルーの青と自然な光の調和を見事に表現しています。ナポリに来たら必見のメトロアートです。
●ダンテ駅
広場に面した駅の入り口は、スチールの鋲が付いた大きな白いガラスパネルで覆われており、駅内部にはイタリアの現代美術のアーティストによる傑作が収められています。下の階へと続く階段の上には、ジョセフ・コスース(Joseph Kosuth)が広場の名前にもなっているダンテの著作「饗宴(コンヴィヴィオ Convivio)」から白いネオン管を使って作品の一節を描きました。
下の階の壁は、ヤニス・クネリス(Jannis Kounellis)の作品が飾られています。広々としたスチールのパネルには、男性と女性の靴、オーバーコート、帽子、電車の機関車のおもちゃなど数組をブロックするレールのような梁があります。
エスカレーターで降下を続けると、上部にミケランジェロ ピストレット(Michelangelo Pistoletto)による地中海沿岸が描かれた鏡の作品、ニコラ デ マリア(Nicola De Maria)による爆弾のない宇宙のモザイクなどが見られます。
●ムゼオ駅
ムゼオ駅はガエ・アウレンティ(Gae Aulenti)の設計に従って建設されました。赤い漆喰とヴェズヴィオ火山の石が通りの様々なレベルをつなぐこの駅の外観と色は、近くの国立考古学博物館を思い起こさせます。
ガエアウレンティによって設計されたこの駅で印象的なのは、カラファと呼ばれる印象的な馬の頭のブロンズ像、ナポリの美術アカデミーによるファルネーゼのヘラクレスを描いたグラスファイバーの像などです。
廊下を美術館の方向に進むと、ミモ・ジョディス(Mimmo Jodice)の美しいモノクロ写真を鑑賞することができます。
●マテルデイ駅
アトリエメンディーニ(Atelier Mendini)によって設計された地下鉄マテルデイ駅は、駅の建設にあたり近くのシピオーネアンミラート広場を再開発、緑と芸術作品で装飾された歩行者エリアへと変えられました。
駅の入り口はとても印象的で、サンドロ・キア(Sandro Chia)による鋼と色付きののガラスとモザイクの尖塔が印象的です。下の階に続く階段には、セラミックのレリーフが施されたモザイク、幻想的なキャラクター、プルチネッラとナポリの少年たちスクニッツォのモザイクがあります。
●サルヴァトールローザ駅
マテルデイ駅と同じくアトリエメンディーニ(Atelier Mendini)によって設計され、多くの建築家や芸術家の協力を得てつくられたサルヴァトールローザ駅は、市民に日常生活の舞台となる機能的かつ芸術的な美しい空間を提供することに成功しました。
駅周辺の周囲の建物のファサードは、数々のアーティストの手によりデザインされ、唯一無二の空間を生み出しています。遊び場につながる長い外部エスカレーターで接続されたいくつかのレベルがあり、ミンモ・パラディーノ(Mimmo Paladino)の作品「手」もここにあります。
駅の2番目の出口をでると、レッロ エスポージト(Lello Esposito)によるプルチネッラの彫刻や、オーソレミオの作者が住んでいた建物もあり、ミンモパラディーノによるの金色のシャワーで飾られています。
●ヴァンヴィテッリ駅
ヴァンヴィテッリ駅の構内の天井はジュリオ・パオリーニ(Giulio Paolini)による青いネオンスパイラルで覆われ、デリケートな青と淡いイエローが宇宙のようなスペース空間を醸し出します。
エスカレーターに連なる鋼の輪もスペース空間の延長にあるようなデザインで子ども立ちにも大人気。 1993年に一般公開されたヴァンヴィテッリ駅は2004年にアシールボニートオリバ(Achille Bonito Oliva)によって再設計され、現代美術作品を収容するためにスペースが改装されました。
ナポリメトロアート
場所: Linea1の各駅
公式サイト: https://metroart.anm.it/