サンカルロ劇場
ブルボン家ナポリ王カルロ3世(CarloⅢdi Borbone)は芸術や音楽といった分野をこよなく愛し、他国へナポリの威厳を見せるためにも、ナポリ王宮から直接出入りできる劇場の建設を望みました。そんなカルロ3世の想いにより1737年にナポリ王宮と接したサンカルロ劇場(Teatro San Carlo)が建てられました。
サンカルロ劇場はヨーロッパで現役最古の劇場といわれ、国王のオノマスティコである1737年11月4日の初公演以来、1874年ー75年の資金不足での1年間の中止を除いては定期公演が中止されたことがないことでも知られています。
当時のサンカルロ劇場はオペラ劇場の頂点に位置し、ロッシーニ(Gioacchino Rossini)やジュセッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi)などをはじめとする多くの作曲家、音楽家たちにとっての憧れの場所でした。毎日定時に劇場内の見学するコースもあり、オペラを見る時間がなくても劇場内のブルボン家時代の歴史ある優美な装飾と空間を味わうことができます。
豪華壮麗な内装
サンカルロ劇場は建設当初からブルボン家のイメージカラーでもあった青色と金装飾をふんだんに使った豪華壮麗な装飾で有名でした。
1816年に火災により焼失するものの、カルロ3世の子である両シチリア王フェルディナンド1世(FerdinandoⅠdelle due sicilie)の下わずか10カ月で再建、翌年1月には復活公演が行われました。
天井画
劇場の天井には500㎡におよぶ大きな天井画が印象的です。この絵はブルボン家お抱えの画家であったジュセッペ・カンマラーノ(Giuseppe Cammarano)らによって描かれた"ミネルヴァに世界的な詩人を紹介するアポロ(Apollo che presenta a Minerva i più grandi poeti del mondo)"です。
世界的な詩人の中には"神曲"で有名な詩人ダンテや古代ローマの詩人ウェルギリウス(Virgilio)などの姿も見られます。
国王専用席
きらびやかに輝く観客席の中でもひときわ目を引くのが、国王専用席(Palco reale)です。国王が劇場を鑑賞するための特等席としてつくられ、細かな金細工とエレガントな赤色が王の尊厳をより一層引き立てます。よく見てみると、ブルボン家ではなくサヴォイア家の紋章が施されています。これはイタリア統一の際にサヴォイア家によってブルボン家の紋章から代えられたためで、ブルボン家の紋章は舞台上部に見ることができます。
1844-45年の間に劇場内の色はブルボン家のイメージカラーである青色からヨーロッパの劇場で主流となっていた赤色へと変えられました。
オペラ鑑賞の服装
日本でオペラ鑑賞をする際はそこまでドレスコードをする必要はないかもしれませんが、ナポリのサンカルロ劇場はナポリの人たちにとっても最高の劇場。サンカルロ劇場に行く際は結構みんなドレスアップしていきます。ジーンズやスニーカーなどは避けた方がいいでしょう。
オススメなのはドレスコードを現地で調達することです。ナポリにはサルトリエと呼ばれる仕立て屋が多くあり、ナポリ製のスーツやシャツはイタリアのみならず世界的にも素晴らしいと評価されています。
女性のワンピースやドレスなどもトレド通りやキアイア通りなどに行けば、イタリアンブランドのショップをはじめ様々なショップがあるのできっとお気に入りのものが見つかるはずです。現地で手に入れたドレスでオペラ鑑賞なんて素敵な旅の思い出になること間違いなしです!
チケットの購入は公式ページで
ナポリのサンカルロ劇場では週末はもちろん、期間ごとに色々な舞台やコンサートが行われています。演目や席の位置などによって価格が変わります。上部の席でしたら30ユーロほどから観られるものもあります。
チケットの購入・確認↓
サンカルロ劇場公式ホームページ
Teatro San Carlo
住所: Via San Carlo, 98, 80132 Napoli NA
最寄り駅: トレド駅、ムニチピーオ駅(Toledo, Municipio, linea1)から徒歩約5分
営業時間: ホームページにて確認
定休日: 〃
料金: 〃
公式サイト: https://www.teatrosancarlo.it/