イタリアでのバレンタインデーの過ごし方と意外な起源と歴史について -San Valentino-
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バレンタインデーの歴史

日本でももはや定着したイベントのバレンタインデー

好きな人へ思いを伝える、恋人同士の愛を確認する、最近では友情の証といった一面も持っています。そんなバレンタインデーの意外な起源とはどのようなものでしょうか。

ルペルカリア祭

バレンタインデーの起源は古代ローマ時代のお祭りであるルペルカリア祭に関係しています。

古代ローマでは農耕が盛んに行われ、家畜はローマ人にとって重要な財産でした。そのため毎年1年が終わりに近づく2月13~15日にかけて、森や羊などの家畜を守る神とされていたファウヌス ルぺルクス(Faunus Lupercus)を称えるお祭りであるルペルカリア祭(Lupercalia)とよばれる一種の儀式的なものが行われていました。

ローマ王国は一匹の雌オオカミによって育てられた双子のロムルス(Romolo)とレムス(Remo)によって建設されたという伝説があり、その二人が発見された洞窟にてこのルペルカリア祭は行われていたようです。

ルペルカリア祭の内容

ルペルカリア祭では、ルペルチ(Luperci)とよばれる神事を行う青年らを中心に行われ、多産を象徴する何匹かの雌ヤギ清めを象徴する一匹の犬が生贄としてささげられました。

その後、青年らは身に着けていたものを脱ぎ、生贄の血を額に塗り、ヤギの皮一枚で腰をおおうとフェブルア(Februa)とよばれるヤギの皮でつくられた紐のようなものを持ち、街中を駆け回りました。その間、人に出会う度に、フェブルアで打ち、それが女性であった場合は多産の恩恵を受けるとされていました。

ルペルカリア祭
ルペルカリア祭の様子

聖ヴァレンティーノ

聖ヴァレンティーノ
テルニの司教 ヴァレンティーノ 画像引用:wikipedia

3世紀頃ウンブリア州にあるテルニの司教だったヴァレンティーノは、愛と慈悲に富んだ司教で民衆からも慕われていました。


当時のローマ皇帝アウレリウス・クラウディウス2世は結婚による軍の士気が下がるのを恐れて、男女の交際・結婚を禁止としました。

司教ヴァレンティーノは男女間の愛は神からの恵みであり、素晴らしいことだと考えていたため、この命令に従わず隠れて結婚式を執り行っていました。しかし、それはクラウディウス2世の耳に入り273年に司教ヴァレンティーノは処刑されました。

カトリック教会による行事の変化

カトリック教会は、古代ローマから続くキリスト教にとって異教の祭りを排除する必要がありました。

古代ローマでは神話などによる神々への信仰が深く、それに関係する祭りごとも4~5世紀になっても引き続き行われていて、ルペルカリア祭もその内のひとつでした。

カトリック教会はルペルカリア祭をキリスト教に関係する行事にできないかと考え、3世紀に愛を守るために殉教した司教ヴァレンティーノを祝う日として2月14日をバレンタインデー(Ssan Valentino)として定めることとしました。

こうして現在の恋人同士の愛を祝う日としてのバレンタインデーの原形ができあがったと言われています。

現在のバレンタインデー

バラ

イタリアでは"サン ヴァレンティーノ(San Valentino)"として、男性も女性も親しい人に対してお菓子や花などのプレゼントを贈ったり、一緒に食事に出掛けたりして二人の時間を楽しむ日として祝われています。

プレゼントも恋人同士でプレゼントを交換し合うのが一般的で、通常友だち同士でプレゼントは交換しません。日本の女性から男性へ贈るといったこともなく(むしろ男性から女性の方がありえる)、当然ホワイトデーのようなお返しといった習慣もありません。

日本のバレンタインデー

日本のバレンタインデーはかなり商業的戦略のイメージが強く、"女性が男性にチョコレートを贈る日"として菓子メーカー・モロゾフが最初にバレンタインデーのイベントを打ち出し、1960年代から日本全国に定着していきました。

また、プレゼントが主にチョコレートに限られていることや、義理チョコ、友チョコといった種類のあること、男性によるお返しのホワイトデーがあることなどは、もはや日本特有のバレンタインといえます。

このバレンタインデーやハロウィン、クリスマスといった欧米の宗教的行事を歴史的背景なく、商業的なメリットを切り取ってイベント化するのは、典型的な日本の特徴ともいえそうです。

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ペルジーナ社のバーチ

イタリアのバレンタインデーの定番といえばウンブリア州のペルージャに本社を構えるペルジーナ社のチョコレート・バーチ(baci)です。

普段からイタリア人に大人気のチョコレートブランドですが、バレンタインデーの時期になると街中のいたるところでバーチのチョコレートを見ることができ、かわいらしい包装も人気の理由です。ちなみにバーチはイタリア語でキスを意味します。

バーチはトリノの特産ジャンドゥイヤ(ヘーゼルナッツとカカオを原料にしたチョコレート)、ローストして砕かれたヘーゼルナッツ、ビターなチョコレートでできていて、口にれるとヘーゼルナッツの香ばしさとやわらかいチョコレートが口いっぱいに広がります。

外国のチョコレートは甘すぎたりすることが多くて、あんまり好きではないのですがこのペルジーナのバーチは日本人にもちょうどいい甘さです。

ロマンチックなメッセージ

さらにバーチの特徴はチョコレートひとつひとつに入っているメッセージにあります。イタリアの文学者や芸術家、音楽家をはじめ、世界的な著名人、無名のアーティストによるロマンチックな愛に関するメッセージが入っています。

最近では日本でも手に入るので、プレゼントに困った場合にはペルジーナのバーチ、おススメです。

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