四旬節とは
四旬節とはイタリア語でクアレージマ(Quaresima)とよばれ、イースターを前にした40日間(日曜日は含まれない)間、断食や節制が行われてきました。
なぜこの準備期間が40日間かというのは、キリスト教にとって40というのは旧約聖書時代から特別な意味を持つ数字だったということが関係しています。
・ノアが箱舟を作った後40日40夜雨が降り続いた
・モーセはシナイ山に40日こもり断食を行った
・イエスは伝道を始める前に荒野で40日間断食をした
このように"40"というのはキリスト教にとって特別な数字だったので、イースターに備える準備期間もこの40日間が採用されたと思われます。
尚、日曜日は礼拝の日なのでこの四旬節にはカウントされません。
灰の水曜日 Mercoleì delle Cenere
四旬節の始まりの日は灰の水曜日と呼ばれます。
"灰"には人間本来のもどるべき姿であり、塵にすぎないことを自覚させるといった意味があるそうです。この日からイースターまで、自分の人生やイエスが歩んだ人生について深く考え、私生活でも節制を心がける期間となります。
現在では完全な断食とは行かないまでも、信仰深いクリスチャンなどは四旬節の毎週金曜日やは肉類の摂取を避けたりすることが多いです。
ドメニカ デッレ パルメ Domenica delle Palme
四旬節の最後の週の始まり、イースターのちょうど1週間前にあたるこの日曜日は、日本語では枝の主日とよばれたりするキリスト教の行事です。
イエスがエルサレムに入ったことを祝う日で、聖書にはエルサレムに入るロバに乗ったイエスを、人々は衣服や木の枝を敷いて迎えたとされていて、現在でもこの木の枝がこの記念日の象徴となっています。
イタリアでも特にヤシの木の枝をもって、"Buona Domenica delle Palme!(枝の主日おめでとう)"といい合うイタリア人の姿をみることができます。
このドメニカ デッレ パルメからイースター直前の土曜日(サバト サント)までの一週間は聖週間(サンタ セッティマーナ)とよばれます。
ジョヴェディ サント Giovedì Santo
イースター直前の木曜日をジョヴェディ サントと呼びます。日本語にすると聖木曜日、洗足木曜日などとよばれるようです。
この日はあの有名なイエスと12人の弟子による最後の晩餐を記念する日とされます。その席でイエスは奉仕の大切さを教えるため、弟子の足を洗ったため、洗足木曜日ともよばれました。
ナポリではこの日にズッパ ディ コッツェ(zuppa di cozze)というムール貝を中心とした魚介のスープ仕立てを食べる習慣があります。
ヴェネルディ サント venerdì santo
イースター直前の金曜日をヴェネルディ サントとよびます。日本語にすると聖金曜日、受難日などとよばれるようです。
イエスが十字架にかけられた受難と死を記念し、感謝する日とされ、教会によってはイエスのが十字架にかかるまでの道のりを15の場面に分けて祈りをささげる、ヴィア クルーチス(Via Crucis)なども行われます。
サバト サント sabato santo
イースターの前日で、サバトサントとよばれます。日本語では聖土曜日。この日には結婚式であったり、葬儀なども行われません。
このようにして四旬節はおわり、いよいよイエスの復活を祝うイースター(パスクワ)を迎えます。