ナポリ歴史地区のトリブナーレ通りをまっすぐ東に向かって歩くとやや大きな通り、ドゥオーモ通りにでます。
ドゥオーモ通りというわりに全然見えないなと思いながら左にさらに進んでいくと、突如大きな白い建物が出現!その建物こそナポリで一番大きな協会、ドゥオーモ・ナポリ大聖堂(Duomo di Napoli)です。
ドゥオーモの歴史
ナポリの大聖堂は1294世紀、アンジュー家シャルル(Carlo d'Angiò)の命によって建設がはじめられ、息子のカルロ2世(CarloⅡd'Angiò)、さらにその息子のロベルト1世(RobertoⅠd'Angiò)の時代に完成を迎えました。
もともとこの場所にはサンタ・レスティトゥータ教会とステファニア教会が建っていましたが、ドゥオーモの建設にあたりサンタレスティトゥータ教会はドゥオーモの一部として取り込まれ、ステファニア教会は取り壊されました。
当時のフランスで中心となっていたゴシック様式で建てられ、その後1300年代半ば、1500年代半ばの2度の大きな地震の影響も受け、ルネサンスやバロックといったその当時の芸術様式にて改修が行われることとなります。
正面のファサード
正面のファサードも度重なる修復が行われました。現在のファサードは19世紀後半にエリコ・アルヴィーノ(Errico Alvino)に手によるもので、地震のダメージを受けなかった3つの入口を残しながら、ネオゴシック様式でつくられました。
正面の入口にはスティルフォロの2体のライオンや上部にみえるマリアとイエス、天使の彫刻など、ティーノ・ディ・カマイーノ(Tino di Camaino)を中心につくられたドゥオーモの初期からある彫刻作品をみることができます。
ドゥオーモ内部の見どころ!
地下聖堂 Cappella del Succorpo
この地下聖堂は聖職者オリヴィエロ・カラファ(Oliviero Carafa)の望みで1497年から1506年にかけてナポリ・ルネッサンス様式で建てられました。ちょうどその頃にサンジェンナーロの聖遺物が保管されていたアヴェッリーノの教会からこの地下聖堂へと移されました。
建築を主に手掛けたのはブラマンテ(il Bramante)とトマソ・マルヴィート(Tommaso Malvito)といわれ、保管されている聖遺物の正面にはトマトによって彫られたオリヴィエロ・カラファの彫刻がみられます。
サンタレスティトゥータ聖堂 Basilica di Santa Restituta
ドゥオーモに入って左手にはドゥオーモが建てられる以前からあったサンタレスティトゥータ教会(現在はドゥオーモの一部となって聖堂とされます)がみられます。
その起源は4世紀の古代ローマ時代に遡り、内部にはヨハネの洗礼堂(Battistero di San Giovanni in Fonte)に代表される初期キリスト教時代につくられたものも多く残されています。ナポリの教会の中でも最も古い建物の内の一つです。
サンジェンナーロの宝の礼拝堂 Cappella del Tesoro di San Gennaro
ドゥオーモ身廊の右手にはナポリの守護聖人であるサンジェンナーロを称える礼拝堂があります。
1526年から1527年にかけてナポリは、ペストの感染症、フランスースペイン間の戦争、ヴェズーヴィオ山の度重なる噴火など3つの大きな災害にみまわれました。ナポリの人々は危機的状況を脱するために、ナポリの守護聖人であるサンジェンナーロに救いを求めたといいます。
それらの危機がおさまった頃、その感謝に意を込めて1608年にこの礼拝堂の建設がはじまりました。
礼拝堂内は非常に豪華できらびやかなバロック様式で建てられ、当時を代表する彫刻家、画家などの芸術家による作品が多くみられます。
細かな模様が見事なコジモ・ファンザーゴ(Cosimo Fansago)による真鍮門をはじめとして、金と銀でつくられたサンジェンナーロの胸像(Busto Reliquiario)、ランフランコ(Lanfranco)とドメニキーノ(Domenichino)による"天国"や"サンジェンナーロとイエスの出会い"などを描いた天井のフレスコ画、スペイン人画家ホセ・デ・リベーラによる"窯から無傷で出てくるサンジェンナーロ(San Gennaro esce illeso dalla fornace)"などの作品はその中でも特に有名です。
Duomo di Napoli
住所: Via Duomo, 147, 80138 Napoli NA
時間: 8:00-12:30、16:30-19:00
定休日: なし
サイト: https://www.chiesadinapoli.it/